NYタイムズ名物フォトグラファー。自転車とカメラと青いワークジャケットの、ビル・カニンガムさん #深夜のこっそり話 No.353

コレクション取材中のSPURエディターの投稿が毎回楽しみなのですが、その中でも思わず当たりが出た時のように嬉しくなるのが、ブルーのワークジャケットがトレードマークのNYタイムス・名物ファッションフォトグラファー、ビルおじさんことビル・カニンガムさんを写したもの。2014年のエディターOの投稿記事にもありましたが、取材中のエディターにとっても会えると嬉しいビルさん。取材する側でありながら、いつも注目の的です。

その所以は、信念を貫くアーティストとしての姿。撮影するかどうかはファッション次第、有名人であろうがなかろうが構わず、ファッションとして素敵かどうかというポリシー貫き、ファッション撮影に全身全霊で真摯に取り組む姿から。その様子はコレクションやチャリティ会場、ストリートを走り抜ける戦場カメラマンのよう。NYでの移動手段はいつも自転車。ファッションのインスピレーションはストリートにあると一番最初に唱えてきた人でもあります。

 2013年に公開された彼のドキュメンタリー映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』の中で語っていますが、コレクションではモデルが一番きれいに撮れる正面ではなくサイドから。「モデル以外でもリアルな人が似合うかどうか、実際に着れるか、コピーでないオリジナルなものか」を瞬時に判断し撮影するとか。アナ・ウィンターは同じものを見ているのに、彼とは違うものを見ていたかのようだと語ったことも。映画の中で、仕事中の彼が時折見せる笑顔は何より楽しそう。彼いわく、「ファッション撮影は仕事ではなく、喜び」。まさにそれを証言するようなチャーミングな笑顔が見れるので、ぜひ映画をチェックしてください。

 ニューヨーカーをはじめ街でレンズ越しに見つめられたい人ナンバー1のビルさんが昨日87歳でお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈りします。世界のファッション関係者やセレブなど、続々とインスタグラムに哀悼の意をコメントしています。ビル・カニンガムさんが教えてくれた、ファッションの楽しみ、喜びが生活の中にあることを大事にしたいと思います。(エディターT

 「誰でもセンスはある。ただ勇気がないんだ」。
「美を追い求めるものは美を見出す」。ビル・カニンガム

SPUR8月号に書き下ろし
モードを着た『おそ松さん』がフロントロウに!
シタラマサコ先生
スペシャルインタビュー Vol.1>
スペシャルインタビュー Vol.2>

 

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エディターTARUI

気づいたらメガネやサングラスを集めてました。しかし、何年か寝かせてからかけるという癖あり。ひとりっぷ®修行中。セレブやK-POPを語りがち。

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