嬉しい? 嬉しくない? 「ラブソングを君に」 #深夜のこっそり話 #750

最近、毎日ヘビロテしている、お気に入りの曲があります。それは、エド・シーランの『Galway Girl / ゴールウェイ・ガール』。3月にリリースされたアルバム『÷(ディバイド)』からの一曲なのですが、個人的に、Spotifyで1日のストリーミング数の記録を塗り替えた『Shape Of You』や『Castle On The Hill 』よりもヒット。

メロディーはもちろんですが、私のハートにグッときたのが、詩。とっても簡単に説明すると、アイルランドの都市・ゴールウェイのバーで出会った女性と恋に落ち、素敵な夜を共にした出来事について書かれた曲。ふたりの出会いから、初めて交わした言葉などが綴られたのち、曲の終盤に流れるのが「君との思い出を曲にするって、約束するよ」というフレーズ。ここです、私のグッとポイント。自分について書かれた曲って……なんて素敵なんでしょう。さらに、一夜を過ごした相手というのが、恋人に向けたラブソングよりもロマンチックさを引き立てているように感じるのは私だけでしょうか。

これまで詩を詠んでもらったことはあるものの、曲を作ってもらった経験はなし。いつか私も自分の曲を書いてくれる男性と出会いたい…という願いを、食事会の場で吐露。すると予想以上にたくさんいました、「曲のプレゼント」経験者。思わず「うらやましい!」と羨望の眼差しを向けると、出てくるのは「リアクションに困っただけで、全然嬉しくなかった」、「CDを一緒に聴いてから、1度も聴いていない」、挙句の果てに「正直、ドン引きしちゃった」というネガティブな言葉ばかり。

みんなヒドイ!とひとりプンスカしたことをエディターMTに話したところ、なんと過去に曲を贈られた経験があるとのこと。しかし常に穏やかで心優しい彼女から出てきた感想は「かけてくれた時間や手間はありがたいけれど…正直困りました」。その理由を訪ねると、「素人が作った曲は玉石混交で、例えるならば手編みのマフラーのようなもの。さらに思いが込められているから、何年経っても捨てるに捨てられない」。そんな答えを聞いて、経験者の苦労がちょっとだけ理解できたような気がしました。エドの曲を素敵だと感じるのも、彼の美声があってこそ。

ならば『Galway Girl』のモデルは相当嬉しかったはず!と由来について調べると、モデルになった人物は実在するものの彼女は友人の妻で、ゴールウェイ出身でフィドル(=ヴァイオリン)奏者であること以外はすべてフィクションだとか。心の中で大きなタワーのように成長していた夢がガラガラと崩れ落ち、出た結論は「やっぱり恋愛は妄想が一番、楽しくて美しい」です。(ライターA)

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