写真:55 VOICES

55 VOICES

シャネル N°5を創る5人の声
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シャネル N°5が世に出るまでには、実に多くの人が携わっている。フレグランスに命を吹き込む55人の声を集めた「55 VOICES」の中から一部を抜粋して紹介する。

写真: ルチアナ ロマーノ(グラース農園スタッフ)

30年にわたり、グラースの農園でジャスミンやローズの収穫に携わってきたルチアナ。「何十年も毎日一日中花を摘んでいても、飽きることも慣れることもありません。それが本当に素晴らしいんです。香りは服にもしみついていて、家に帰ると『あなたが帰ってきたことが香りでわかったわ』と言われるのです。それって素敵なことだと思いませんか」。飽きることのない花の芳香をふんだんに配合したシャネル N°5が、“永遠”と言われる理由がここにもある。

01
Luciana Romano
“何十年も花を摘んでいますが、
その香りに飽きることは
ありません”
写真: ファブリス ビアンキ(グラース農園ディレクター)

いつ、どんな花をどのぐらい作付けし、いつ刈り取るか。気まぐれな天候を相手に植物を計画的に管理するファブリス。「私たちが育てる花々について代々受け継がれてきた基本的なノウハウはあります。しかし、それだけでは足りません。暗記したことをなぞるだけでは決してうまくいきません。想定外のことは常に起こるのですから」。毎年、N°5が私たちの手もとに届く。それは農夫たちの日々の冒険が成功した証と言えるだろう。

02
Fabrice Bianchi
“花の栽培は冒険の連続です。
なぜなら毎年、
状況は違うのですから”
写真: ナイレ エビビ(グラース テクニカル抽出マネージャー)

畑に隣接された工場で収穫された花々を原料にする化学者、ナイレ。「コンピューターを使って作業をしますが、同時に嗅覚にも大きく頼っています。扱っている原料は最終的に“よい香り”でないといけません。それこそが仕事の目的であり、だからこそ実際に香りを嗅ぐことが欠かせません」。N°5のクオリティの高さは、化学者が最新技術と“鼻”を駆使して生み出している。彼女は言う。「本物を創り出すという実感をくれるこの仕事を、心から誇りに思います」。

03
Naïlée Ebibi
“最終的な原料が
本当に良い香りとなっている、
これが最高の喜びです”
写真: オリヴィエ ポルジュ(シャネル専属調香師)

調香師であり、シャネルのフレグランス原料の品質を守る番人でもあるオリヴィエ。「花や植物、そして原料全般は調香において最も大きな影響を与えます。中でも花は、原料の中で最も貴重で、最も高貴な存在です。技術の進歩や流行の変化、時の流れに関わらず、私たちはいつも花に立ち返るのです」。この花へのこだわりは、シャネルにおける香りの起源にさかのぼる。最初の香水を創るにあたり、ガブリエル シャネルは言った。「最高の素材を使ってほしい」と。

04
Olivier Polge
“花は最も重要な道具です。
花なしでは、
調香師は何も成しえません”
写真: シルヴィ ルガストゥロワ(パッケージデザイン&グラフィックアイデンティティ部門ディレクター)

世界中の多くの人が香水と聞いて最初に思い浮かべるN°5のボトル。一見、変わっていないように見えて、時代に合わせてそのデザインを微妙に進化させている。「私の仕事の一部は“神殿の番人”のような役割です。N°5が時代に合っているかを常に確認し、必要であれば微調整を加えます。理由のない変更は決して行いません」。それは究極のシンプリシティ。誇張した言葉や過剰な装飾を嫌ったガブリエル シャネルの卓越した審美眼の結晶だ。

05
Sylvie Legastelois
“N°5 のボトルは
まさに芸術作品
そのものです”