【LFW 19SS】ロンドン新時代の幕開け。ライジングスターの快進撃と、生まれ変わりを図る老舗メゾン

これまで以上に高い注目を集めた、今季ロンドンファッションウィーク。その理由は、勢い溢れる気鋭デザイナーたちと、新体制で生まれ変わりを図る老舗メゾン。先シーズン、エリザベス女王がショーのゲストに来場したあのブランドの最新コレクションは?

 

【JWアンダーソン】安定感のあるクリエイションはすっかりベテランの風格、個性的なアクセサリー使いにも注目

ニューヨークに続き、ロンドンファッションウィークがスタート。JWアンダーソンは、フェミニスト・アーティストとして知られる彫刻家のリンダ・ベングリスの作品をプリントしたTシャツが飾られた会場で行われました。頭にスカーフを巻いたモデルたちが次々に会場を闊歩する様子は、まるで自由を謳歌する戦士のよう。歩く度に裾が揺れるアシンメトリーのドレスや柔らかなペールトーンの色使い、多用されるレースのディテールには、ピュアな可愛らしさも。ハートモチーフの鍵のネックレスやコンバースとのコラボレーションによるスニーカーなど、キャッチーなアクセサリーにも注目!

 

【ヴィクトリア・ベッカム】ロンドンで初となるランウェイ、往年のトップモデルたちが力強いウォーキングで祝福

ブランドデビュー10周年を記念して、初めてロンドンでショーを行ったヴィクトリア・ベッカム。ステラ・テナントやリヤ・ケベデ、エディ・キャンベルなど、スペシャルなモデルたちが登場。会場はドーバーストリートにある旗艦店に隣接するギャラリー。白を基調に赤やグリーン、スカイブルーなどのクリーンなカラーパレットで、ソフィスティケートされた大人のためのデイリーウェアを提案しました。

 

【シモーヌ・ロシャ】大人が着たい、かわいいモードの火付け役が打ち出す、ノーブルな女性像

“ガーリーで強い”個性を発揮し、いまやロンドンを代表するデザイナーとなったシモーヌ・ロシャ。今季もレースやチュール、花のモチーフは健在ながら、清王朝の女性をイメージしたプリントや刺繍を施すなど、新しいクリエーションの萌芽が感じられました。ショー会場は、ドラマ『ダウントン・アビー』のロケ地にもなったというランカスター・ハウス。ロマンティックなムードを盛り上げています。

 

【バーバリー】リカルド・ティッシの手腕で生まれ変わる、英国の伝統と格式、そして反骨精神

ファッションピープルの期待値が最高潮に高まるなか、リカルド・ティッシによるバーバリーのショーがスタート。「キングダム」というテーマの通り、洗練されたフォーマルからストリートスタイル、イブニングまで、ありとあらゆるウェアが登場。ブランドにおける新たな時代の到来を感じさせるルックが揃います。トレンチコートやチェック、騎馬などのアイコニックなコードがふんだんに使われる一方で、皮肉めいたメッセージがプリントされるなど、リカルドらしい反骨精神がちらり。リカルドのミューズとして知られるマリアカルラ・ボスコーノも髪を赤く染めて登場。そのほか、ステラ・テナントやナタリア・ヴォディアノヴァ、イリーナ・シェイク、ケンダル・ジェンナーなど、あらゆる世代のスターモデルが集結し、デビューコレクションを彩りました。

 

【エムエムシックス メゾン マルジェラ】スローガンモチーフが主役、ブランドのDNAがフレッシュに蘇る

1994年に始まったメゾン マルジェラのエイズTシャツを着装源とした、エムエムシックス メゾン マルジェラの2019年春夏コレクション。あまりにも有名な「THERE IS MORE ACTION TO BE DONE TO FIGHT AIDS THAN TO WEAR THIS T SHIRT BUT IT’S A GOOD START」のメッセージが、さまざまな形でプリントされています。ヴィンテージのサテンのドレスとコットンのスウェットを組み合わせたウェアが登場するなど、ブランドを象徴する哲学が色濃く反映されたコレクションに仕上がりました。

 

【ナビル・ナヤル】LVMHプライズで注目を集める若手デザイナー、ロマンティックなクリエイションでロンドンに新風を巻き起こせるか

大英図書館でプレゼンテーションを行った、ナビル・ナヤル。2017年のLVMHプライズのファイナリストになったことでも話題のブランドで、ロンドンファッションウィークでの発表は今回が初めて。ゴールデンエイジと呼ばれるエリザベス朝に着想を得たコレクションを毎回発表してきたこのブランド。今季はスペインと英国が戦ったアルマダの海戦の際に、エリザベス1世が行ったティルベリーの演説がインスピレーション源です。チェンバロの生演奏が響くなか、モデルたちがゆったりと佇む様子は、まるでここだけ時が止まっているかのよう。ロマンティックなムードにうっとり。

 

【リチャード クイン】ロンドンアヴァンギャルドの旗手、得意なのはプリントだけじゃない?

前シーズンのランウェイショーにエリザベス女王が来場して話題をさらったリチャード クイン。自身の印刷工場を持っていることでも知られ、プリントを得意としていますが、今シーズンは意表を突き、オールブラックのルックで幕を開けました。華やかなプリントのドレスが登場する一方で、スパンコールやクリスタルなどの刺繍がふんだんに施されたルックも。ロンドンフィルハーモニー管弦楽団の生演奏に合わせて、モデルが歩く様子はとてもエモーショナル。ロンドンコレクションの最後を飾るにふさわしいショーに、最大限の拍手が送られました。

 

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