【ホラー映画好き必見】今マニアが注目する“台湾ホラー”Movie! 話題の3作品をリコメンド

近年ホラーマニアの間で注目されているのが、“台湾”発の映画。7月1日(金)に公開を控えている『哭悲』もすでに一部で話題となっているが、独自の演出と驚きのラストに身震いしてしまう台湾ホラー映画の虜になる人が続出しているんだとか。そこで今回は、じんわりと暑さを感じる季節にぴったりな台湾ホラー映画3選を、ホラー映画&ドラママニアの人間食べ食べカエル氏がリコメンド!

屍憶 SHIOKU/台湾ホラーの入り口としても最適。「冥婚」がテーマの心霊譚

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『屍憶 SHIOKU』は、台湾や東アジアに伝わる風習「冥婚」をテーマにした心霊ホラーである。冥婚とは、生者と死者があの世で結ばれ、結婚することを指す言葉だ。国によって冥婚の風習は異なるが、台湾のそれはかなり恐ろしいものだ。未婚の女性が亡くなると、道端に遺族が赤い封筒を置く。通行人がそれを拾ったら、亡くなった女性との結婚を強要されるのだ。なので、基本的には道端の封筒は拾ってはいけない。

ここまで説明をしたうえで、本作に話を戻すが、主人公の男性がジョギング中に思いっきり赤い封筒を拾ってしまい、案の定、恐ろしい目に遭うこととなる。『呪怨』『リング』の一瀬隆重がプロデュースを手掛けたこともあり、Jホラー直系の湿度の高い心霊描写が堪能できるのだ。劇中に出てくる女性の霊は真っ白な顔面で怨念に満ちている。それに加え、真っ赤な花嫁衣装が禍々しさを倍増させている。生気のない身体と鮮烈な衣装の組み合わせが本作を唯一無二たらしめている。冥婚を絡めたドラマも新鮮で、霊が出ていないシーンもしっかりと面白い。かなりクオリティの高い作品だが、本作を手掛けたリンゴ・シエ監督は、なんと本作が初長編。本作を鑑賞したことで、改めて台湾ホラー界の層の厚さを実感した。台湾ホラーの入り口としてもピッタリな作品である。

呪われの橋/2つの時間軸で恐怖倍増! 巧みな展開で背筋を凍らせる秀作ホラー

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台湾のとある大学のキャンパス内にある心霊スポット「女霊橋」。そこには、かつて肝試し中に大学生たちが怪死したという曰くがあった。その事件から4年後、とあるレポーターが真相を追うために調査を開始するが……

「ここ最近で一番怖い映画ってなに?」と聞かれたら『呪われの橋』と答える。それくらい観ていて鳥肌が立った、近年の台湾ホラーのレベルの高さを知らしめる一本だ。本作は心霊スポットを訪れた学生たちと、その当時起きた怪死事件を4年後に追うレポーターの2つの時間軸を並行で描いていく、少々トリッキーな構成となっている。主に前半は、学生たちを待ち受ける心霊現象にひたすらビビらされる。夜の学校を舞台に、あの手この手で幽霊が襲い来る。髪の毛がこんなに怖い作品は久々だ。暗闇の使い方にも唸らされる。正直この前半だけでもおなかいっぱいなのだが、本作の場合、後半で更に恐怖が加速する。それまで心霊描写に力を入れていたが、ここに来て2つの時間軸を巧みに交差させていく。映像で怖がらせる手法から、話の展開で怖がらせる方向にシフトする。そして、種明かしがされるときに最も恐怖で凍り付く。このタイミングも抜群だ。そう来るか!というサプライズ要素が好きな方にもおすすめの秀作ホラーである。

怪怪怪怪物!/果たして怪物はどちらか。残酷極まりない暗黒青春ホラー

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インパクトの強いタイトルだが、本作は決して色物ではない。傑作青春ドラマ『あの頃、君を追いかけた』を手掛けた実力派ギデンズ・コーが監督を務めているため、非常に骨太な仕上がりになっている。本作もやはりメインキャラは学生たちだ。この映画には虐める者と虐められる者が出てくる。彼らが繰り広げる目を覆いたくなるような荒んだ学生生活に、なんと食人鬼まで絡んでくる。この食人鬼が学生を無残に食い荒らすスプラッターなのかというと、若干合ってはいるが、大部分がそうではない。それはあくまでおまけ。

本作の肝は、若者たちが盛大に道を踏み外していくさまを丁寧に切り取った暗黒青春物語だ。やる方とやられる方の関係性が変わり、そこに食人鬼が巻き込まれ、更なる地獄が形成される。食人鬼が完全に被害者だ。本当に怪物なのはどちらか。「怪」の字が4つあるということが何を指しているのか。それを考えると非常にゾッとする。そんな胸糞ドラマを美しい映像が彩る。中でもスイカジュースを使ったとある演出には痺れた。やはりこの監督は天才だ。そして、地獄に地獄を重ねた末に待ち受けるラスト! 本作の真骨頂がここだ。最初に観たときは言葉にならない感動に包まれた。こんなに完璧な終わり方がありますか!? この締め方で「傑作だ!!」と思った。エンドロールで流れる台湾ロックバンド八三夭(バーサンヤオ)の「末日鬧鐘」という曲がまた素晴らしいんです。即、ファンになりました。

【ゾンビドラマ ナビゲーター】
人間食べ食べカエル
あらゆるジャンルのホラー映画・ドラマを網羅する敏腕ライター。人が喰べられる作品に目がない。的確なコメントと面白いつぶやきがクセになるTwitterアカウントは、@TABECHAUYOをチェック!

illustration:Arisa Harada

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