富士の「樹海」へひとりっぷ®① ~樹海では方位磁石がきかない←というのは果たして真実なのか?!

ちょっと前のハナシで恐縮です。3月末に、富士山のふもと、河口湖エリアにある「星のや富士」にひとりっぷ®してきました。星のや富士への滞在そのものが主目的だったんですが、出発前に宿のサイトでアクティビティリストをチェックしていたら、なんと「樹海ネイチャーツアー」なるものが!!!「な、なんですとー!?樹海!?ツアー!??樹海!?? え!??できんの!?」とむちゃ気になり、「元祖(!?)山ガールとしては行かねばなるまい」と、即効、ツアー参加を申し込んだのでした(すみません、なわけで、厳密には樹海へは”ひとりっぷ®”ではありません。ガイドの方含め3名で出かけました)。樹海といえば! 「方位磁石がきかず、道に迷う」だの「白骨がゴロゴロ」だの「自殺志願者がうろうろしている」だの、おどろおどろしい伝説(?)がわんさか、な場所。今まで何度かロケバスで通りかかったことはありましたが、そのたびに、「ひよええ~~~!!樹海だ!樹海だよ~~~~!!くわばらくわばら~~~!」と思ってました。ずっと。

樹海ツアーへは滞在2日目の午前中に参加。朝9時、敷地内の集合場所へ。ガイドの方ともうひとり、星のや富士のスタッフの方がオブザーバー参加ということで計3名でのツアーです。3月末のこの日、突然の冬気候に逆戻りで、河口湖付近の気温はなんと2.3度!小雨もときどきパラついています。こんなこともあろうかと、防寒対策ばっちりで来てよかったよ、と思いつつ、出発です。

まずは樹海の手前にある西湖畔に立ち寄ります。湖の奥の部分に樹海と富士山が広がっているそうですが、残念ながら天気が悪く、まったく見えません。

星のや富士から30分ほどで樹海入り口に到着。ちょっとドキドキしながら樹海へとついに分け入ると。。。!! あ、れれれれ?? なにやら様相が。。。!?? 入り口にある案内板を見ると、樹海の中にはトレイルが何本も作られているではありませんか!!!?? えええええーーー!??想像と違うーーー!!!てか聞いてないーーー!!白骨は??自殺志願者は・・!?? そう、樹海はむしろぜんっぜん「ハイキングフレンドリー」な森だったんです。

ガイドの方いわく、樹海はむしろ”迷いようがない所”。気になっていた方位磁石も、この通り!!! 針はピタッと北の方角を指しているではないですかーー!!!うそーー!!! 

ちなみに、私のCASIOプロトレック(腕時計)の電子コンパスもきっちりと方位表示してくれました。「樹海は小学生の遠足コースとしてポピュラーなんですよ」と聞き、またまた、なんですとーーー!???とびっくり!!!樹海は、本気と書いてマジで迷おうとしない限り、迷わない&迷えないところだそうです。って、そんな話、初耳なんですけどーーーー!??

たしかむかーしTVでも、「樹海では磁石が効きません!」とかってリポーターが言ってなかったっけ??? 見れば、携帯の電波もばっちり届いてます。ええーーーー!?? だれなんだ??樹海がとんでも恐ろしいところだなんてイメージを流布したやつはぁーーー!!と、今まで信じきってた樹海のイメージがガラガラと崩れていく事実に愕然としつつ、樹海ウォークがスタート。アップダウンもあまりなく、歩きやすいトレイルです。ただし、そうは言っても一種の山道。シューズは最低でもソールがしっかりした軽トレック靴をおすすめします。

さて、これが樹海の森です。登山をする方ならおわかりかと思います。そう、この森、”若い”んですよ。決してうっそうとした森ではなく、木がみんな若い。ので、森の中も明るいんです。またもや「あれれ~~!?? なんか思ってたイメージと全然違うーーー!???」。ガイドの方の説明では、樹海はもともと西暦約800年の富士山の噴火の際に出た溶岩に覆われていて、長らく溶岩台地だったそうで、その上に樹木が生え初めてまだほんの200年ほど。というわけで、森が若いんだそうです。し、知らなかった・・・!!!天気が悪くてもこのくらい明るいので、天気が良ければ&気候が春~夏ならば、さらにイメージも明るいはずと思われます。ちなみに、地面の下には、溶岩が固まる際にできた空洞がそこらじゅうにあって、洞窟も多いそうです。なるほど!!!

そして溶岩台地には苔がみっちりふかふか。

そんな苔の上に、どんぐりが芽を出していたり。

途中、ガイドの方のホームメイドこけももティーで休憩。甘酸っぱくておいしい~~~。

ゆーーっくり歩くこと約30分で、天然記念物「竜宮洞穴」に到着です。

洞穴の底には小さな祠が。この祠の裏には洞窟の入り口があり、以前は入れたそうですが、崩落の危険があるため今は立ち入り禁止になっているとのこと。普段は祠の前までは降りられるのだけど、雪が残っていて危ないので今日は途中まで、と言われつつ、中に降りてみました。「ど、どうなんだろう、、、この祠。。。」と上から見ているときはやや警戒気味だったのですが、途中まで降りてみて、「・・・あれ??なんか・・・??怖くないぞ??というよりむしろなんか、、、ふ~~~っと息が抜ける感じ??」。洞穴の中は意外にもなにやら優しい空間だったんです。これは本当に意外でした(*ちなみに私、霊感ゼロ、どころかマイナス 体質です)。

洞穴を見学ののち、帰路に。濡れてる木の葉っぱにも癒されます~~。と、いうわけで、樹海を歩いていたのは正味約1時間。星のや富士からの全行程2時間ほどのツアーでした。とにかく言えるのは、樹海は恐ろしいところでもおどろおどろしいところでもなく。人間を拒んだり迷わせたりするうっそうとした深~~~い森というよりも、暖かくウエルカムしてくれる、若くて明るい森だということ。トレイルも歩きやすいし、初心者も楽しめるエンジョイ山歩きスポットなんですよ。ううーーーーむ、ほんとうに勉強になりました。樹海さま、いままで誤解していてすみませんでした!!と反省したネイチャーツアーでした。

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ひとりっP

ひとりっPこと編集Pことフクイユミコ。元SPUR編集長。女性のひとり旅を「ひとりっぷ」と名付けて応援中の編集者。会社員にもかかわらず、海外ひとり旅歴25年以上、回数400回超え(全部自腹)の旅バカ。おもな渡航先は、香港180回、台湾60回、タイ&シンガポール各40回、サンフランシスコ30回、中国30回、ハワイ30回、中南米各国40回、カリブ諸国30回、中近東10回など。現在年間25回ほど(全部プライベート)海外渡航。あまりの頻度に、日本入国時に密輸を疑われたことも。その圧倒的実体験をもとにした女子ひとり旅指南本『今日も世界のどこかでひとりっぷ』『明日も世界のどこかでひとりっぷ2~秘境・絶景編~』『昨日も世界のどこかでひとりっぷ3~“弾丸・無茶旅編”~』『今日も世界の果てまでひとりっぷ4〜爆バイイング編〜』に続き、初の国内編『昨日も世界の果てまでひとりっぷ5〜行くぜ、ニッポン編〜』が好評発売中。5冊とも、文・写真はすべて本人が担当。

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