[vol.23] 「心はいつでも恋人同士」的な美しい瞬間を、エマ・ストーンの主演女優賞受賞時のアンドリューの行為に見た。

ゴールデン・グローブ賞授賞式の取材から戻って来たばかりの私ですが、いやというほど生セレブを目撃して実感したのは、やはり若くて旬な俳優の輝きは特別にキラキラしているということ。今回でいうと何といっても『ラ・ラ・ランド』(2月24日日本公開)のエマ・ストーンとライアン・ゴズリング。共にミュージカル、コメディ部門の主演女優と男優賞を受賞してこのアワードの華だった。

もうセレブファッションのニュースで、ヴァレンティノのドレスで登場したエマの美しさは知れ渡っていると思うが、授賞式会場で偶然にも彼女の真後ろを歩いた私は、思わず真っ白でなめらかなエマの背中(ドレスのストラップに付いた星がキュート)を見入ってしまったほど。しかし、更に美しいと思ったのは、エマが主演女優賞受賞で登壇した時に、以前、ずっと彼女と交際していて今は愛し合うも良き友人関係にあるといわれているアンドリュー・ガーフィールドが、堂々と立ち上がって彼女に拍手を送った姿だった。かっこ良かったな〜、アンドリュー。

 

エマとアンドリューがいかなる理由で距離をおいたつき合いでいるのかは分からないが、2人共オフィシャルなインタビューで「互いの仕事を尊敬しあい、アーティストとして一番のファンでもあり、今でも愛している」と公言している。アンドリューがかわいいな、と思ったのは「無人島に誰かひとりを連れて行けるのなら誰がいい」という質問に「エマ・ストーン。エマを愛しているんだ」と答えた時。それほど愛し合っているのに何故、別れたのかなんて、それこそ『ラ・ラ・ランド』のように夢を追う若手俳優の彼らにしか分からないこと。ただ、彼らが別れた寂しさに屈せず、仕事に邁進して自身を高め、成長したお互いをたたえあうその姿は、若者らしくてまぶしかった。昔、ヒロミ・ゴーが歌った『よろしく哀愁』の、会えない時間があるから、愛は育っていくって感じの関係なんだね、きっと。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

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