野菜のピュレ - 長尾智子の保存食レシピ【第2回】

 作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。単なる時短や効率ではなく、季節を感じながら健やかな自分を持続させるための保存食、第2回は野菜のピュレ。「身近にある野菜を蒸し煮にしてからピュレ状にして保存すると、インスタントにスープができて、市販品を買うよりももちろんおいしくて安心。カップスープのように、適宜お湯を加えるだけでスープができ上がります。ピュレはスムースにしすぎず、野菜のかたまりが少し残るくらいのほうが食感が楽しめて素朴な仕上がりに」。スープにするときは同量の水を基本に、濃さは好みで調節を。牛乳や豆乳を加えると、さらにやさしい味になるそう。「シンプルなピュレなので、温めてのばすときに好みのスパイスを加えても。豚肉や鶏肉を玉ねぎ、じゃがいもなどの野菜と一緒に煮込んで、最後にこのピュレを加えるとボリュームが出てひと手間かけた仕上がりになります」。スープを始め、いろいろな料理の"もと"になるピュレ。週末にぜひ仕込んでみて。

材料(作りやすい分量)

玉ねぎ
大1/2個
パプリカ
小1個
にんじん
大1/2本
じゃがいも(男爵)
中1個
トマトピュレ 
300㎖
塩 
少々
オリーブ油
 大さじ1

作り方

❶玉ねぎは皮をむいて2等分し、角切りにする。パプリカも種を取り、角切りに。にんじんは洗い、厚さ5㎜程度の半月切りにする。じゃがいもは皮をむき、にんじんと同じ大きさに切り分けて軽く水にさらす。

❷鍋にオリーブ油の半量を温め、①の野菜を入れて軽く塩をふり、弱めの中火で混ぜながら軽く炒める。油が全体にまわったら水200㎖を注ぎ入れる。

❸蓋をして、弱火で7~8分蒸し煮にする。野菜が柔らかく煮えたら火を止め、トマトピュレを加える。

❹③に残りのオリーブ油を加え、野菜が煮詰まっていたら水少々でのばす。ミキサーかフードプロセッサー、ハンドブレンダーにかけて、野菜のかけらが少し残る程度にピュレ状にする。熱いうちに煮沸消毒した瓶に詰め、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存。1週間を目安に使い切る。

 

スープにするときはピュレを鍋に入れ、同量の水を注いでゆっくりと温めながらのばす。味をみて足りなければ、塩を適宜足して調えて。「軽く炒めたベーコンとクレソンを浮き実に。クルトンやハーブを足したり、いろいろアレンジしやすいようにピュレはシンプルに仕上げておくのがポイント」

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍中。スープをテーマにスタートしたオンラインストア、SOUPs(soup-s.shop/)も早5年目に突入。オリジナルの器が人気で、売り切れることも多いそう。随時入荷するのでまめにチェックしてみて。 vegemania.com

SOURCE:SPUR 2020年4月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda

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