仕込みの時間:自家製トマトケチャップ 【長尾智子の保存食レシピ 第6回】

作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。単なる時短や効率ではなく、季節を感じながら健やかな自分を持続させるための保存食、今月は旬の完熟トマトをたっぷり使った自家製のトマトケチャップ。

「トマトはごく短時間湯通ししてできるだけ薄く皮を湯むきし、種は取り除かず、ゆっくりと時間をかけて煮詰めると、市販品とはまるで違う香り高いケチャップになります。粗めの食感も自家製ならでは。トマトはなるべく完熟したもので、大きなものからミディサイズ、ミニトマトなど数種類をミックスすると甘さや酸味が違って奥行きのある味に仕上がります」。

最初はレシピの半量でトライすると、煮込み時間が少し短くてすむそう。「冷凍もできるので、多めに作るのがおすすめ。トマトケチャップを自家製にすると、シンプルなナポリタンも特別な味になりますよ」。ひと手間かけた自家製の調味料は最高の贅沢。とびきりおいしいナポリタンのために、今度の週末に仕込んでみて。


材料(約500g分)

トマト(大小合わせて)
1.5㎏
玉ねぎ
小1個
しょうが
小1片
にんにく
小1片
30g
てん菜糖
30g
赤唐辛子
1本
白こしょう
20粒
クローブ
6本
ローリエ
3枚
りんご酢
120㎖
レモン
1と1/4個分

作り方

❶ミニトマトのヘタを取り、それ以外のトマトはヘタをナイフでくり抜いておく。鍋に湯を沸かし、トマトを大きさに応じて2〜3個ずつ、2〜3秒入れてレードルで引き上げ、バットに移す。全部湯通しが終わって粗熱が取れたら、そっと皮をむき、5〜6等分に粗く切り分けてミキサーにかける。ざらっとした状態になるまでミキサーを回し、鍋に入れておく。

 

❷玉ねぎは薄切りし、端から刻む。しょうが、にんにくも粗めに刻み、合わせてミキサーにかける。とろりと細かくなったら①のトマトの鍋に加える。塩、てん菜糖を加えて混ぜ、中火にかける。煮立ってきたら火を弱め、1時間半程度煮込む。

 

❸別の小鍋にレモン以外の残りの材料を全部入れ(赤唐辛子は種を取る)、中火にかける。煮立ってきたら弱火にして4〜5分煮詰め、茶漉しなどでスパイスを漉しながら②のトマトの鍋に加える。ときどき軽く混ぜながら煮詰め、途中、搾ったレモン汁を加え、レモンの皮もすりおろして加える。木べらで混ぜたときに鍋底がはっきり見えるくらいになるまで煮詰めたら火を止め、熱いうちに煮沸した保存瓶に詰める。蓋をしてそのまま冷めるまでおく。冷蔵庫で保存し、暑い時期は2週間で食べきる。スプーンは使い回さず、蓋の裏側や瓶の口は清潔に保つこと。冷凍保存もできる。

 

「自家製トマトケチャップなら、ひと味違うナポリタンに」。赤ピーマンと緑色のピーマン、玉ねぎをそれぞれ細切りにし、斜めに切ったソーセージとともにオリーブ油で炒める。ゆでたパスタとゆで汁少々を加え、ケチャップを加えて手早く混ぜれば完成。粉チーズをたっぷりかけて。

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍中。友人と共同経営する渋谷・神宮前の『Bar werk』では平日限定のモーニングがスタート。「7月はワッフル、8月は暑い夏を乗り切るスパイシーなメニューを考案中」。詳細はインスタグラム @bar_werkをチェック。
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SOURCE:SPUR 2021年9月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda

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