シンディ・シャーマンの回顧展がパリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンにて遂にスタート

フランス・パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンでは2020年9月23日(水)より、シンディ・シャーマンの回顧展「Cindy Sherman à la Fondation Louis Vuitton」が始まっている。また、この回顧展と併せて、フォンダシオン ルイ・ヴィトンが所蔵するコレクションの中から、シャーマンとの対話の中から厳選された約60点の作品を紹介する「Crossing Views(交差する視点)」も同時開催。会期は2021年3月21日(日)まで。

キャリア初期から最新作までを幅広く網羅する回顧展

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Cindy Sherman, Untitled #584, 2018 Dye sublimation metal print 101.9×158.8cm Courtesy of the Artist and Metro Pictures, New York © 2020 Cindy Sherman
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Cindy Sherman, Untitled #92, 1981 Chromogenic color print 61×121.9cm Courtesy of the Artist and Metro Pictures, New York © 2019 Cindy Sherman

1954年生まれのシャーマンは、1972年にニューヨーク州立大学バッファロー校に入学、絵画制作を開始。その後写真に転向、ニュー・ペインティングの作家として知られる同級生のロバート・ロンゴとともにニューヨーク市内に移住。1950〜60年代のハリウッド映画やフィルム・ノワール、B級映画などに登場するさまざまなタイプの女性を自ら演じ、映画のスチール写真のように仕上げたモノクロ写真のシリーズ「Untitled Film Stills」(1977〜80)で世界的に注目されて以来、映画、ファッション、大衆文化、歴史的な絵画、御伽噺、ピエロなど、さまざまなイメージの中に自分自身が入り込んだ作品を発表してきた。当初は女優やピンナップガールなど、女性の典型的なイメージを脱構築する試みを行っていたが、近年では男性やカップルに扮した作品も発表している。

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Cindy Sherman, Untitled Film Still #13, 1978 Gelatin Silver print 24×19.1cm Courtesy of the Artist and Metro Pictures, New York © 2019 Cindy Sherman
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Cindy Sherman, Untitled #414, 2003 Chromogenic color print Edition 5/6 147.3×99.7cm Courtesy of the Artist and Metro Pictures, New York © 2019 Cindy Sherman
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Cindy Sherman, Untitled #465, 2008 Chromogenic color print 163.8×147.3cm Courtesy of the Artist and Metro Pictures, New York © 2019 Cindy Sherman
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Cindy Sherman, Untitled #582, 2016 Dye sublimation metal print 137.2×178.4cm Courtesy of the Artist and Metro Pictures, New York © 2019 Cindy Sherman

シャーマン作品と響きあう現代美術の名作が並ぶ企画展も同時開催

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Louise Bourgeois, No Exit, 1989 painted metal, wood and rubber 209.6×213.4×243.8cm © The Easton Foundation / Adagp Paris 2020 © Primae / David Bordes
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Wolfgang Tillmans , Hair Cut , 2007 Glossy Chromogenic Color Print © Wolfgang Tillmans

一方「Crossing Views」では、フォンダシオン ルイ・ヴィトンのコレクションの中から、担当キュレーターとシャーマンの共同作業によって選ばれた、シャーマンの作品と響きあうような作品約60点を展示。そのほとんどが同会場では初の展示となる。ダミアン・ハースト、アンディ・ウォーホル、クリスチャン・ボルタンスキー、ギルバート&ジョージ、ピエール・ユイグらによる絵画、写真、彫刻、ビデオ、インスタレーションなど、さまざまな表現形態の作品が並ぶ中にはシャーマン自身の作品も展示。なかでもルイーズ・ブルジョワの隠喩的なインスタレーション作品「No Exit」や、作家自身が「アビラの聖テレサ」を演じたマリーナ・アブラモビッチの映像作品「Carrying the Milk」などはシャーマンの作品との繋がりを強く感じさせるものと言えそうだ。

なお、本展は当初は4月1日(水)〜8 月31日(月)の会期で開催予定だったものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて半年近く延期に。今回は開催期間が2ヵ月近く短縮となっている。なお、観賞にあたっては時間帯別のチケット購入が必要。

CINDY SHERMAN AT THE FONDATION
会場:Fondation Louis Vuitton(8, Avenue du Mahatma Gandhi Bois de Boulogne, 75116 Paris)
会期:〜2021年1月3日(日)
https://www.fondationlouisvuitton.fr/en

 

text : Shiyo Yamashita

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