アールデコ調インテリアの 新しいホテル、サンマルク

マレ地区の小さな“隠れ家”ラ・シャンブル・ドゥ・マレから、4年の歳月をかけて改装された“モニュメント”、リッツまで、パリではホテルのオープンが相次いでいます。リッツは後日に譲るとして、今回はオテル・サンマルクをご紹介しましょう。20〜40㎡の25室、56のスイートひとつ、計26室から成る、デザイン界で話題のプチホテルです。

パリ2区、オペラ座やオペラ・コミック座に程近いサンマルク通りにオープンしたこのホテルの元来の建物は、18世紀にショワズール公爵の私邸としてつくられました。クラシックなつくりを基盤としつつ、アールデコ調をモダンにツイストさせた内装を手がけたのは、DIMORESTUDIO。ファッション業界に特にファンが多い、エミリアーノ・サルチとブリット・モランのデザイナー・デュオです。大理石、ベルベット、真鍮、ガラス……と多様の素材を共存させたグラフィックなデザインは、ダスティローズから深みのあるブルーやパープル、ボルドー、ダークグリーン、スカイブルーと言った色合いで完成されています。調度品はフォンタナアルテの照明を始めとするヴィンテージから、オリジナルデザインの家具まで。

リーズナブルなお値段なのに、モノクロームなバスルームにはエルメスの“オー ドランジュ ヴェルト”シリーズのプロダクツが。また、バーとテラスのティールーム、アマム(蒸気サウナ)とプールは宿泊客専用。つまり、外部の騒音がなく限りなく静かなのも魅力です。

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ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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