マキシマルなジーニアス、リチャード・クインの新たな挑戦

革新的なスピリットで進化と探究を続けるプロジェクト、モンクレール ジーニアス 2020から、新作コレクション「8 モンクレール リチャード・クイン」 が発売された。


ロンドンで生まれ育ち、セントラル・セント・マーチンズを卒業後、自身の名を冠したブランドを設立。ロンドン・ファッションウィークでも期待の若手として注目を集めるリチャード・クインのトレードマークは、鮮やかなプリントや精巧な刺しゅうを大胆にあしらったドレス。華やかでエレガントなエレメントをモダンなスタイリングやテキスタイルで表現することを得意とし、かつてエリザベス女王をフロントロウに招き、コレクションを披露したことでも話題を呼んだ。

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2020年2月に開催された「モンクレール ジーニアス 2020」のプレゼンテーションより。


そんなリチャード・クインとモンクレールのコラボレーションがスタートしたのは、2019-20年秋冬シーズン。万華鏡のようにきらびやかな総プリントのコレクションを記憶している人も多いかもしれないが、今季のコレクションのイメージソースとなったのは、プリントやシルエット、そしてプレゼンテーション会場のデコレーションからも見て取れるように、“1960年代”だ。色とりどりのフラワープリント、スパンコール刺しゅう、クリスタルをあしらったディテールなど、今回も「こんなダウン、見たことない!」と誰もが目を奪われるクリエイションは、どのように生み出されたのか。コレクション発売に際し、リチャード・クインがインタビューに答えてくれた。

――今回のコラボレーションでチャレンジしてみたいと思ったことはなんでしょうか?

モンクレールとのコレクションをデザインすることは、クリエイティブなアイデアに導かれ、とてもエキサイティングです。今季はダウンを使用しつつ、新たなテキスタイルを紹介することができ、面白かったです。プリントの新たな一面を発見できる素晴らしい機会でしたし、そこにユニークな方法で奥行きを加え、コレクションの幅を広げることができました。

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オーガンザベールの上に、アルチザンのハンドメイドでスパンコールをびっしりとあしらっている。ミニドレス¥929,000


――仕上がりはモダンで革新的ですが、今回あなたがインスパイアされた1960年代ファッションの魅力とはどんな点ですか?

1960年代は、ファッションにおけるセクシュアルな革命が起こりかけていた、極めて重要なモーメントだったと感じています。ユースカルチャーを反映したさまざまな“ルック”が生まれ、ミニスカートをはじめとするトレンドを堂々とまとうようになったことからも、セクシュアリティを感じ取れるのではないでしょうか。そして当時のシルエットは、私にはいまでもモダンでクリーンに映るのです。今日の服装を形作る、非常に生き生きとした時代だったと捉えています。

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ナイロンレジェール(超軽量ナイロン)のジャケットには、ブルーのライン部分にライトウェイトなダウンを封入。手の込んだジェムボタンにも注目。ジャケット「エルケ」¥325,000


――あなたのクリエイションは大胆なグラフィックやプリントが魅力ですが、発表されたピースには繊細な装飾が施されているのも見事です。素材の選定はどのように進めましたか?

今回はダウンという素材を駆使する上で、さまざまな手法にチャレンジすることが非常に重要でした。たとえば、キルティングのテクニックはファブリックに奥行きを与えます。それぞれのピースを、レベルの高いテキスタイルで表現することを常に意識しながら、デザインを進めていきました。ピースにあしらった装飾にはシグネチャーラインのタッチも加え、モンクレールと我々とのふたつの世界をクチュール風にまとめる働きを持たせています。素材、プリント、スケールを追加したコレクションに取り組むのは素晴らしいことです。

――二度にわたるモンクレールとのコラボレーションにおいて、刺激を受けたことなどがあれば教えてください。

新たな手法を探求したり、異なる環境に自分の作品や世界観を投じたりすることができ、素晴らしいと思いました。私にとってコラボレーションは、新たなものを創り出す方法のひとつであると同時に、出合ったことのない新たなテクニックやクラフツマンシップを学べる機会でもあると考えています。

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プレゼンテーションでは、ため息が出るほどに美しい6体のクチュールガウンも発表された。


――仕上がったサンプルを見た際の感想を教えてください。

最終版のサンプルがフィッティングルームに届けられる瞬間は、ファッションデザインにおける最もエキサイティングなパートです。留め具などのパーツを含めすべてがリアルな存在となり、我々が手がけてきたものがプロダクトとして初めて形になるということ。さらにピースを組み合わせてルックを作り、スタイリングを施せば、まるで魔法にかけられたような感覚さえ覚えます。

――あなたにとって“ジーニアス”とは?

妥協のない、強い視点を持っている人。

――2020年は大きな変革の年となっていますが、ご自身が追求するスタイルに変化はありましたか?

新たに台頭してくる人たちから、新たなアイデアが生まれてくるであろうことが楽しみです。そして、私自身のムードにも変化を感じています。これは、クリエイティビティにとって素晴らしいことだと思うのです。


「8 モンクレール リチャード・クイン」コレクションは、一部のモンクレールブティック、オフィシャルECサイトで世界同時発売。スウィンギング・ロンドンの息づかいを大胆なアイデアと繊細なディテールワーク、最先端のテクノロジーで現代的に昇華したエネルギッシュなコレクションを、どうぞお見逃しなく。

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PROFILE
リチャード・クイン
1990年ロンドン生まれ。2016年にセントラル・セント・マーチンズのMAコースを卒業し、自らの名を冠したブランドを立ち上げる。2017年よりロンドン・ファッションウィークに参加。2018年にはエリザベス女王から「英国デザイン・クイーンエリザベス II アワード」を授与され、英国ファッション評議会が主催する「ザ ファッション・アワード 2018」にて、「ブリティッシュ エマージング タレント(ウィメンズウェア部門)」を受賞。モンクレール ジーニアスへの参加は2019-20年秋冬シーズンに続き2度めとなる。

text:Misho Matsue

モンクレール ジャパン
http://www.monclergenius.com/
0120-977-747

 

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