PUI PUI モルカーとショーへ行こう【SPUR × PUI PUI モルカー企画第1弾!】

日本のみならず、世界で大反響を巻き起こしているパペットアニメーション「PUI PUI モルカー」。愛おしいキャラクターやハンドメイドな世界観がもしもモードと融合したら……? 仕事に邁進中の新人エディターを主人公に、ファッションショーにたどり着くまでのドタバタストーリーを追跡してみよう!

ポテトとともに、一人前のエディターを目指します!

PUI PUI モルカーとショーへ行こうの画像_1
ジャケット¥192,500・Tシャツ¥49,500・スカート¥192,500・眼鏡¥51,700・バッグ¥279,400・靴下¥24,200・パンプス¥107,800/グッチ ジャパン(グッチ)

彼女が配属されたのはモードファッション誌。慣れないことも多いけれど、アシスタントエディターとして頑張ろう! 隣には大切なパートナーのモルカー、名前はポテト。普段はのんびりしているけれど、いざというときは頼りになる存在だ。

西へ東へ、タスクをこなしながらモフモフ奔走中

PUI PUI モルカーとショーへ行こうの画像_2
ジャケット¥126,500・中に着たハイネックニット¥71,500・つけ襟¥92,400・カチューシャ¥53,900/イザ(パトゥ)

本日は編集長のおつかいで、衣装のピックアップに展示会にと大忙し。レースのつけ襟をポイントに、色で遊んだスタイルで気分を上げていこう。たくさんの服や靴を載せて、ポテトと街を駆ける。渋滞に巻き込まれても、前にモルカーのお尻が見えたら不思議と心が和んじゃう。

一緒に働く仲間のテディが、横切った猫にびっくり!

PUI PUI モルカーとショーへ行こうの画像_3
スカーフ〈90×90㎝〉各¥57,200/エルメスジャポン(エルメス)

ちょっとおてんばなところがあるテディは、同じ編集部で働くメンバー。ある日も、軽快に運転していた……ところに突然猫が! 慌てて急ブレーキを踏んだらひっくり返り、大事なエルメスのスカーフが空に舞い上がって。美しいパターンに思わず目を奪われそう。そしてテディは大丈夫だったかな……!?

テディからSOS! 今日のショーに行けないって!?

PUI PUI モルカーとショーへ行こうの画像_4
プルオーバー¥171,600・パンツ¥102,300・靴¥111,100/ステラ マッカートニー カスタマーサービス(ステラ マッカートニー)

モルカーとお揃いのつもりで、ボア素材のモフモフしたセットアップを着たオフの日。いきなり緊急コールが! 鼻を擦りむいてしまったテディに代わって今日のショーに参加することに。突然のチャンスと心配な気持ちで複雑だけれど、とにかく急いで準備しなきゃ!

ファッションショーにポテトと滑り込んで

PUI PUI モルカーとショーへ行こうの画像_5
ジャケット¥979,000・スカート¥297,000(ともにヴァレンティノ)・靴¥126,500(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)/ヴァレンティノ インフォメーションデスク

気合を込めた赤いスタイルでコレクション会場にポテトと駆け込み! 協力プレイで抜け道を探したおかげで、ギリギリなんとか間に合いそう。インビテーションを片手に、プリーツスカートを優雅に揺らして。初めてのショーに胸の高鳴りも最高潮!

ドタバタ道中だったけど、無事にショーが終了!

PUI PUI モルカーとショーへ行こうの画像_6
ベスト¥192,500・ブラウス¥187,000・パンツ¥242,000・ピアス¥80,300/クリスチャン ディオール(ディオール)

ショーは迫力満点で美しくて感動もひとしお。まだまだ未熟だけれどこれからもファッションを楽しみながら、一人前のエディターを目指して努力あるのみ! 今日は頑張ったから、セーラーカラーがポイントのシックな装いに着替えて、ポテトとおいしいごはんを食べにいこうかな。

PUI PUI モルカー 制作物語

PUI PUI モルカーとショーへ行こうの画像_7

キュートなアニメに、大人たちが夢中になった!「PUI PUI モルカー」大ヒットの理由を、プロデューサーの林郁美さんに聞いた

 

世界中が愛らしいモルカーに夢中

街を走るすべての車が、モルモットになったら……? 今年1月から、毎週火曜の早朝に放送されたアニメ「PUI PUI モルカー」は、「子ども向けなのに大人がハマる」と社会現象を巻き起こした。YouTubeでの見逃し配信は、公開期間がたったの1週間だったにもかかわらず、最高382万回という驚異の再生回数を記録。特に顕著だったのが、SNSでの盛り上がりだ。一話放送されるたびにバズを呼び、最終回の第12話が放送された1週間後の火曜朝には、ありもしない「モルカー13話」というキーワードがトレンド入り。アニメの終了を惜しむファンたちの集団幻覚か!?とまたまた話題になり、異例のヒットとなった。プロデューサーの林郁美さんは、そのときの体験を「夢を見ているようだった」と振り返る。

「初めて完成した作品を見たときから、この可愛らしさは見てもらえれば絶対に伝わると思ってはいました。が、もともと原作があるわけでもないし、最初はまったく話題にならなかったんです。それが、第1話をたまたま見た人たちが、直後に『面白いから見たほうがいい』『今季の覇権アニメだ』とSNSに投稿してくれて。第1話の放送日から1日ごとにツイート数が倍増していきました。放送開始前は1500人ほどだったTwitterのフォロワー数は、たった1週間足らずで10万人に。本当に驚きでしたね」

一話2分40秒ほどの短尺アニメがここまでヒットするのは、業界でも異例中の異例。いったいなぜ、「モルカー」はこれほどまでにわれわれの心をつかむのだろう。林さんは、「時代の逆を行っている」ところが作品の魅力のひとつだと語る。

「『モルカー』はストップモーションという手法で、人形を少しずつ動かしてコマ撮りして作っています。1秒の映像には24コマが必要なので、難しいカットだと1秒分の映像を撮るのに2、3日かかることも。何においても効率化が求められる時代に、『モルカー』はわざわざ手間ひまをかけてじっくり作られている。高度なCG技術を使ったデジタル作品に慣れている今の視聴者の目には、そんな『モルカー』が新鮮に映ったのかもしれません」

さらに新鮮なのが、モルカーたちの声が本物のモルモットの鳴き声だということ。制作を手がけた見里朝希監督が実際に飼っているモルモットの声をサンプリングしたという愛らしい音は、感情に訴えかけるリアリティがある。これを生かした結果、モルカーたちは言葉をしゃべらない設定に。登場人物の感情をわかりやすくセリフで語らせる傾向の強い今のアニメ界において、まさに逆行するアプローチだ。

「作中に詳しい説明がないので想像力が刺激されるのか、ストーリーを深読みする方や、ファンアートを描く方が多かったのも印象的です」と林さん。

時代にフィットしたクラフト感とかすかな毒

とはいえヒットの最大の理由は、やはり羊毛フェルトでできたモルカーたちの愛らしさだろう。ポカンと口を開けた顔や驚いたときの表情は、フェルトだからこそ表現できたものだと林さんは言う。作品全体に漂うやさしくも精緻なクラフト感は、まさに今のファッション界のトレンドともリンクする。

「モルカーはすごく純粋な生き物で、そこに癒やされる。スキマ時間に『モルカー』を見ることで鬱々とした気分を癒やしているという声もいただきました」

ひたすら純粋なモルカーに対して、ストーリーには意外にもアイロニーが。第2話には銀行強盗が登場するし、第4話では、人間のポイ捨てしたゴミを食べてモルカーがおなかを壊してしまう。「モルカーは可愛い、人間は愚か」。こんな感想がSNSでも飛び交ったが、このキュートな見た目と毒のバランスは、見里監督の持ち味でもある。

「監督が学生時代に制作し、国内外で数々の賞を受賞した作品『マイリトルゴート』を初めて見たときは鳥肌が立ちました。短い尺で、鑑賞後に深い満足感を得られる作品を作れるのが、監督の凄さ。『モルカー』にも、深く考えたくなるエッセンスが実はたくさんあるんです。監督自身は純粋にただ作りたいと思ったものを作っている。素晴らしい才能だなと思います」

明確に自分の意思を持っているが、どうしても乗る人間に振り回されてしまうモルカー。その姿はひょっとして、現代社会の歯車として働くわれわれ人間のメタファーなのか!?……などと深く考察したくもなるが、やはりモルカーの最大の魅力は、単純明快な愛らしさ。プイプイと鳴き、怯えるとプルプル震えるモルカーたちには、理屈抜きでメロメロになってしまう。

その愛らしさは、すでに国境を越え始めている。日本から1週遅れで放送されていた台湾では、1週間で32回も再放送されていたというから驚きだ。Netflixでの配信も始まり、New York Times紙にレビューが載るなど、評判は上々だ。世界規模でヒットする「モルカー」、まだ見ていないなら今すぐチェックしてほしい。キュートなモルカーたちの虜になること間違いなしだ。

interview
林 郁美さん(シンエイ動画 プロデューサー)

 

Blu-ray & DVDも発売!

夢の無限モルカー仕様(エンドレスリピート再生機能搭載)で、7月28日に発売予定。受注限定生産のBlu-rayには、リモコンやスマートフォンのスタンドになる〈ポテトのぬいぐるみマルチスタンド〉や、デジタルギャラリー、16ページのブックレットなどが付属

発売元:バンダイナムコアーツ
https://v-storage.bnarts.jp/sp-site/molcar-anime/

 

 

「PUI PUI モルカー」
パペットキャラ・アニメの新鋭、見里朝希監督によるストップモーション・アニメ。モルモットが車になってトコトコと街を走り回る。7月6日より、朝7:30からテレビ東京系「きんだーてれび」内にて再放送を予定。さらに7月22日より全12話一挙上映『とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー』がMX4D・3Dにて2週間限定劇場公開も決定!(一部劇場では2D上映)

https://molcar-anime.com/

https://twitter.com/molcar_anime

 

SPUR × PUI PUI モルカー企画第2弾 ! SPUR9月号にてコラボレーション付録が決定!

7月20日発売のSPUR9月号の付録にモルカーミニポーチが登場予定! ちょっとしたコスメやカードを持ち歩くのにちょうどいいサイズで、日々の生活で活躍すること必至。お楽しみに!

SOURCE:SPUR 2021年7月号「SPUR × PUI PUI モルカー企画第1弾!」
photography: Hiroki Watanabe 〈TRON〉, Yuki Okishima styling: Yuuka Maruyama 〈makiura office〉 hair: HORI 〈bNm〉 make-up: Machiko Yano model: Suzi set design: Morii Bijutsu illustration: Aya Matsui retouch: Yuriko Takizawa interview & text: Chiharu Itagaki 
©Tomoki Misato JGH, Shin-ei Animation / MOLCARS

FEATURE
HELLO...!