[vol.51]コロナ時代の“ニューノーマル”ファッションウィーク ①「コペンハーゲン・ファッション・ウィーク」Part1

ウィメンズの2021年春夏ファッションウィーク月間が終わった。フィジカルとデジタルが混在する、コロナ時代の“ニューノーマル”に困惑しながらも、なんとか乗り切った感じだ。そんな先陣を切ったのが、8月頭に開催された「Copenhagen Fashion Week」だった。2月のパリコレクション以来、ヨーロッパでは初のフィジカルショーが行われただけでなく、世界初となる“ハイブリッド”ファッションウィークとして、これからのあり方を見定めるための重要なイベントとなった。今回は、レポートのPart1をお届け。

おしゃれに安全第一!

当時のデンマークは、ヨーロッパでは新型コロナウイルス対策に成功した国だったこともあり、公共の交通機関以外でマスクをしている人は少なく、余裕が感じられた。そんな中でもCPHFWは安全を考慮し、政府のガイドラインに従いマスクの着用や手の消毒を促進。また、三密を避けるために入退場時のクラウドコントロールや、座席の間隔を1メートル以上に保つことが徹底された。
サステイナブルなCPHFWデザイナーたちは、ストック素材や端切れを使いオリジナルのマスクを製作。おしゃれなボトルの消毒液も見かけた
サステイナブルなCPHFWデザイナーたちは、ストック素材や端切れを使いオリジナルのマスクを製作。おしゃれなボトルの消毒液も見かけた

いつもよりさらにサステイナブルに!

エコ先進国のデンマークだけあり、もっともサステイナブルなファッションウィークとしても知られるCPHFW。今回はVIPゲスト用のシェア電気自動車やプレスバスによる送迎はなく、さらに環境にやさしく。実はもともとローカルな人々は自転車移動が多く、ファッショニスタがドレスアップしてサイクルする姿は名物になっている。
ホテルの貸自転車でトライ。コペンハーゲンの街中で、1時間毎に執り行われるイベントへの移動距離と、炎天下に帽子も被らず爆走した結果、熱中症でノックダウン
ホテルの貸自転車でトライ。コペンハーゲンの街中で、1時間ごとに執り行われるイベントへの移動距離と、炎天下に帽子も被らず爆走した結果、熱中症でノックダウン

久しぶりのショーに涙……!

5月ぶりのフィジカルショーとなったのはデンマークの中堅デザイナー「Mark Kenly Domino Tan」。初めてとなる離れた席の距離に違和感を感じたが、生ピアノの演奏も相まって、久しぶりの感覚にエモーショナルな気分に。
インフルエンサーから強い支持を集める「GANNI」は、リーバイスのデッドストックとヴィンテージを使ったコラボレーションサステイナブルラインを発表! ロンドンベースの写真家ロージー・マークスが撮り下ろしたパネルも並んだ。
デンマークを代表するデザイナー「Henrik Vibskov」はパフォーマンスアートを取り入れたプレゼンテーションで知られる。今回は7月のパリメンズのために製作した画像作品を再現した屋外ショー。
注目度No.1の若手「Helmstedt」もまた屋外でのプレゼン。こんな時だからこそコミュニケーションの重要さを感じた彼女、プリントにはレターや伝書鳩の姿が。
デンマーク男子から人気のストリートウェア系ブランドは本格的にウィメンズを展開。スニーカーは中国のスポーツウェア「ニー・リン」とのコラボ。
サステイナブルに力を入れる「Stine Goya」は映像によるデジタルプレゼンテーションとフィジカルアポイントメント。得意のプリントはハンドペンティングを落とし込んだもの。

「デザイナーズリミックス」はスタジオを再現し、サステイナブルな服作りを大公開。

ゲストの数が限定されてしまうコロナ時代のファッションショー。サロンスタイルも生オイスターで小粋に。
Part2では来場者のスナップも公開。お楽しみに!

マスイびっくり㊙︎報告

シンプルなウェブサイトで見やすく

CPHFWオフィシャルウェブサイト(https://www.copenhagenfashionweek.com)
CPHFWオフィシャルウェブサイト(https://www.copenhagenfashionweek.com)
今シーズン、ハイブリッドにおいてデジタルコンテンツはもちろん重要になった。CPHFWはフィジカルとデジタルのイベントが時系列に次々とアップされるシンプルな作りでトラフィックをスムーズに。イベント直後にデザイナーのライブQ&Aを入れることで、インタラクティブ感を強めていた。まだコンテンツは見られるので、ぜひこちらから!

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マスイユウ

ロンドンを拠点にグローバルに活躍中のジャーナリスト。お肉と餃子をこよなく愛するスタイルアイコン。自称・浜松餃子親善大使。

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