【新連載】人生100年時代のジュエリー vol.02 Chanel

ファッションの世界で革命を起こしたマドモアゼルのスピリットを受け継ぐシャネルのファインジュエリー。女性たちの心を惹きつけてやまない魅力に迫る

20代で買うなら

規則的に配したキルティングのモチーフがグラフィカル。左の新作のリングは、素材違いで左右非対称にスタッキングし、プレイフルに仕上げた。

「ココクラッシュ」リング（左から）〈WG、BG、ダイヤモンド〉￥357,500〈4月発売予定〉・〈WG〉￥41 2,500・〈BG、ダイヤモンド〉￥407,000／シャネル

50代で買うなら

見る者を圧倒する、威風堂々とした存在感のカフ。マドモアゼルシャネル自身の星座であり、スピリットアニマルとして生涯大切にしたライオンのモチーフが、イエローゴールドとダイヤモンドに彩られ、力強く煌めいて。

「ココクラッシュ」カフ〈YG、ダイヤモンド〉￥3,696,000／シャネル

自由を謳歌する現代女性に、モダンなアイコンの輝きを

本間（以下Ｈ）　今回はどちらの世代も「ココクラッシュ」！　2015年にデビューした、シャネルを代表するアイコンですね。

岡部（以下Ｏ）　5年以上前になるんですね。デビュー当時の第一印象は、とにかくシンプルだなと。

Ｈ　ミニマルながら、ふっくらとしたボリューム感と、丁寧に磨き上げた鏡面の仕上げが美しい。360度きっちりキルティングパターンを施しているのが一流メゾンの証しです。

Ｏ　素材やサイズのバリエーションが多いのも魅力ですよね。一番細いリングを素材違いで重ねるのが今っぽい。

Ｈ　新作のリングは、ホワイトゴールドとベージュゴールドを上下に組み合わせているんですよね。

Ｏ　上から見るとＣの形をしたリングを組み合わせた、アシンメトリーなデザインが個性的。ベーシックなモチーフだからこそ、飛ばしすぎなくらいのデザインで、遊びをきかせているのがシャネルらしい。本間さんが選んだ「ココクラッシュ」は、大ぶりなカフに、インパクトのあるライオンのモチーフを取り入れた、まさにステートメントピース。

Ｈ　見るからに強そう（笑）。50代になると、ジュエリーには何か“ただものじゃない”オーラが欲しくなってくるんですよね。

Ｏ　確かに、このカフをつけている方がいたら、「強い（確信）」と思わずにはいられません（笑）。

Ｈ　マドモアゼル自身がそうであったように、ジュエリーには何か自分のパーソナルな思いを込めたい。言うなれば、洋服やフレグランスは鎧で、ジュエリーはお守りなんですよね。話は変わりますが、かつて日本ではブレスレットが売れないといわれていたんです。

Ｏ　何でだろう……？　着物を着ていると、手もとが見えないからでしょうか。

Ｈ　ブレスレットは肌を覆う面積が多い分、大げさに見えたのかもしれません。腕時計ですら、かつては文字盤を内側にしてつけていたというエピソードもありますから。

Ｏ　なるほど、大和なでしこたるもの奥ゆかしくあるべき、ということでしょうか。

Ｈ　そうかもしれません。最近ではこういった大ぶりのカフやブレスレットも多く見られるようになりました。女性は控えめでなくてはならない、という固定観念がなくなり、より自由にジュエリーを楽しめるようになった。そんな時代を、心から謳歌したいですね！