#51 夏の仕上げのチェーンブレスレット【シャルロット シェネ】

先日息子と「夏の季節のもの、なんだ?」ゲームをやってみた。ゲームといっても夏から連想されるワードを交互にあげていくだけなのだが、4歳児が相手だとけっこう難しい。10個ぐらいは出てくるんだけど問題はその先。ビアガーデンとかフェスとかTUBEとか、子どもが知らないものはカウントしてもらえないため、20のハードルがなかなか超えられない。結局グーグル先生のお知恵を拝借してゲームは強制終了。意外と出てこないものだなあと不甲斐なく思う一方、私はひそかに心のなかでこう思っていた。「なんだかんだいっても、夏はブレスレットの季節でしょ」

手もとがあらわになるこの時期、ブレスレットが欲しいと思うのは私だけじゃないはず。素材はやっぱり、クリーンな印象のシルバーがいいなあ。風鈴の音色とまではいかずとも、シャラシャラと揺れる軽やかな音に涼を感じたい。そんな今の気分にぴたりと寄り添う一品を、シャルロット シェネで見つけちゃいました。

コンテンポラリージュエリーが好きな人なら、その名を一度は見聞きしたことがあるだろう。ミニマルかつ構築的で、アーティスティックなひねりを効かせるのが彼女のお家芸。アイテム単体で見たときに「ん?これどうやってつけるの?」と腕組みしちゃうようなフォルムでも、実際に装着すれば「なるほど、そういうことか!」と膝を打ってしまう。シャルロット シェネのジュエリーを身につけると、難解な立体図形の問題を解いたような感覚になる。

オブジェのような存在感がありながらも、決してファッションと喧嘩しない。それどころかどんな着こなしとも驚くほど相性がいいから不思議だ。ベーシックなジャケットスタイルに合わせればモダンに格上げされるし、フェミニンな着こなしに添えればたちまちモードなスパイスになる。シャルロット シェネのジュエリーを人間に例えるなら、芯が強いけれどしなやかで、誰とでも仲良くなれるタイプかも。であれば、多くの人たちから愛されるのも納得だ。

さて、「バイナリーチェーン」と名付けられたこのブレスレット。楕円形のコマをつなぐ丸いリンクが、リズミカルなアクセントを加える。手首につけると程よく量感があり、それでいて肩肘張らない雰囲気が絶妙。同じチェーンでも繊細過ぎるとコンサバに見えるし、タフ過ぎると今度は悪目立ちしてしまう。そのどちらにも転ばず、ちょうど天秤が釣り合うようにバランスを保ったニュートラルなデザインは、なんだか見ているだけで心が安定する。だからといって退屈さを感じさせないところが、さすがシャルロットさん。ほんの少しの愛嬌を交じえつつもソフィスティケートされた佇まいは、まさに彼女の人柄そのものを映し出しているようだ。

ブレスレット ¥213,400

エドストローム オフィス(シャルロット シェネ)
https://www.charlottechesnais.com/ja/



illustration:Uca text:Eimi Hayashi

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