二部桜子さんのサステイナブルキッチン

日本で発生する食品ロスは年間612万トン。
そのうち46%が一般家庭から出されたものだ(平成29年度、農林水産省推計)。
料理家の二部桜子さんに、普段は捨ててしまう部分を生かすレシピを教えてもらった。

「まだ使えるかも?」 捨てる前に考える習慣を

「私の母は、畑で無農薬の野菜や花を育てたり、天然酵母でパンを焼いたりしていました。その頃の経験が、今の私の原点になっています」
 そう話す「SHUNNO KITCHEN」主宰の二部桜子さん。ケータリングを始めたばかりの頃、一度の業務で出るごみがあまりにも多く罪悪感を抱いたという。そこで目指したのが、ゼロウェイスト・クッキングとプラスチックフリーのケータリングだ。
「紙や木、バイオプラ素材の容器を選ぶことで、できる範囲で脱プラを目指しています。料理をするときは、野菜の皮や芯を捨てる前に『少しでも何かに使えないかな?』と考える習慣をつけることが大切ですね」
 今回は、7月号で紹介した野菜くずを使うスープを発展させたミネストローネと、最近ヴィーガンの間で注目を集めているアクアファバ(豆の煮汁)を使ったメニューをご紹介。調理の際に発生した野菜くずは、また次のベジブロス作りに利用するか、コンポストに入れて堆肥にする。極限まで廃棄物を出さない、おいしくてサステイナブルなメニューだ。

Profile

二部桜子さん

にべ さくらこ●料理家。ケータリングの提供や料理教室を開催する「SHUNNO KITCHEN」を主宰。最近始めた「おうちケータリング」も大好評。http://shunnokitchen.com/

ベジブロス・スープのミネストローネ

材料

野菜くず
約300g
1000㎖
にんじん(中)
1/2本
玉ねぎ
1/4個
ベーコン
15g
オリーブオイル
大さじ1
トマト水煮缶
1缶
小さじ1
砂糖
大さじ1/2
ドライオレガノ
大さじ1
ショートパスタ
(お好みで)
  • 1. 鍋に野菜くずと水を入れ、沸騰してから20分ほど煮込む。ファイトケミカル(機能性成分)を含むアクはとらず、苦い場合は日本酒(分量外)を足す。

  • 2. ざるで濾す。目安として、この時点でスープは加熱前の8割ほどになっている。塩を加えれば、そのままでもおいしく滋味豊かなベジブロス・スープの完成。

  • 3. にんじんと玉ねぎをみじん切りに、ベーコンを5㎜幅に切り、オリーブオイルをひいたフライパンで炒める。このときに出た皮などは冷凍して保存を。

  • 4. 3で炒めた具材を、2のベジブロス・スープに入れる。「野菜だけでも充分においしいですが、ベーコンを入れることでぐっと深みが出ます」と二部さん。

  • 5. トマト水煮缶とショートパスタを入れてさらに20分ほど煮込む。塩、砂糖、オレガノを入れて味を調整。お好みでローズマリー(分量外)を飾りつけ、完成。

アクアファバのマヨディップ&ひよこ豆のフムス

材料

<アクアファバのマヨディップ>

ひよこ豆水煮缶の煮汁
60㎖(15oz缶の1/3ほど)
ディジョンマスタード
大さじ1 1/2
レモン果汁またはビネガー
大さじ1
小さじ1/2
植物油(オリーブオイルなど)
180㎖

<ひよこ豆のフムス>

ひよこ豆水煮缶
1缶(約250g)
レモン果汁
50㎖
練りごま
100g
にんにく
1片
オリーブオイル
90㎖
クミンパウダー
小さじ2
小さじ1
  • 1. 缶詰のひよこ豆をざるにあけ、煮汁(アクアファバ)と分ける。普段は捨ててしまう煮汁を泡立て、卵白の代わりに使ってマヨネーズを作る。

  • 2. 煮汁を縦型の容器に入れ、ハンドブレンダーで撹拌。とろみが出たら、ディジョンマスタード、レモン果汁(またはビネガー)、塩を入れてさらに撹拌する。

  • 3. 植物油を入れて乳化させる。2分ほどかけて少しずつ入れながら混ぜること。お好みでバジル(分量外)を飾りつけ、マヨディップソースの完成。

  • 4. 続いてフムスを作る。オリーブオイル以外の材料を容器に入れ、ハンドブレンダーで豆とにんにくをつぶす。つぶれにくいときは水か煮汁大さじ1(分量外)を。

  • 5. オリーブオイルを入れてさらに撹拌し完成。パセリ、パプリカパウダー(分量外)を飾りつける。生野菜やピタパンを切り、ディップしていただく。

環境と体のためにキッチンでできること

1. 野菜くずをとっておく習慣をつける

料理中は傍らに野菜くず用のボウルを置いておき、皮や芯を随時そこに入れていく。冷凍しておいて、たまったらベジブロスに。

2. 「顔が見える野菜」を選ぶことが大切

「ファーマーズマーケットなどで野菜を買えば、味もずっとおいしいし、過剰包装されておらず、葉などがついた状態で買うことでロスが減ります」と二部さん。大切に育てられた野菜だからこそ、無駄なく使おうという気持ちが強まる。

3. エコで保存性もいい!紙袋とミツロウラップ

二部さんは自作したミツロウラップやいらない紙袋を野菜の保存に利用している。「ポリ袋に入れるより長持ちしますよ」

4. 残った生ごみはコンポストで堆肥に

それでもダメになってしまった食材や、だしをとり終えて残った野菜くずは、最終的にコンポストに入れて分解させ、堆肥にする。「家庭菜園の土として使えるし、食材をダメにしてしまったときの罪悪感も減りますよ」と二部さん。