地球について踊りながら考える春一番のシスターフッド・デニム

暖かな日差しと春の風を感じる季節がやってきたら、デニムを主役にスタイリングを軽やかにブラッシュアップしたい。新調するならばサステイナブルな視点は当たり前。あの子にもこの子にも似合うデニムを探しに出かけよう!

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アップサイクルがモード最前線

Dolce&Gabbana ドルチェ&ガッバーナ 2021年 春夏のテーマは「シチリアのパッチワーク」。コレクション全体にわたり、サステイナビリティへの深い理解やハンドメイドの温もり、シチリア地方のクラフツマンシップへのリスペクトにあふれている。デニムというワークウェアの定番を再構築して、ドラマティックなミニドレスに仕立てる技術はため息もの。アップサイクルだからこそ、卓越したクリエイティビティが開花する好例だ。

デニム独自のハリを活かして、立体感のあるドレスに。ウエストをワイドベルトでマークした、ボディコンシャスなシルエットも新鮮。ドレス¥226,000・ベルト¥78,000(予定価格、2月下旬以降発売予定)・ネックレス¥180,000・中に着たボディスーツ(参考商品)/ドルチェ&ガッバーナ ジャパン(ドルチェ&ガッバーナ)

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スタンダードの定義を見直す

Tanaka 2018年春夏にローンチしたユニセックスブランド「TANAKA」はニューヨークを拠点としてグローバルに展開。"次の100年のスタンダード" というコンセプトはオーナー兼デザイナーであるタナカサヨリさんの実生活から導き出されている。
「いろいろな国や都市を転々とし、長く海外生活を送ってきました。その間に寄付するなどしてたくさんの洋服を手放したんです。その結果、デザインやクォリティがよい服だけが残りました。そこからTANAKAは100年後もクローゼットに残るもの作りや、どうしても捨てられないヴィンテージになっていくことを目指したいと決めました」
 主力アイテムであるデニムを作る工程にも、「長く身につけたくなる価値観を」という哲学が息づく。
「無理のない範囲で環境や私たちにとって持続可能な選択をするようにしています。生地工場のカイハラ社と協業し、リサイクル糸を使った生地や染色をしないローホワイトのデニムコレクションを考案。日本の伝統である天然染め、なかでも奄美大島の泥染を世界に紹介することにも力を入れています。
また、デニムを洗う工程においても、汚水を出さず、使用した水を浄化し、100%再利用する工場と取り組んでいます」
 こうしたサステイナビリティへの意識は、作り手たちの新しいスタンダードであり、もの選びの基準になる。

(モデル右)ハイウエストのストレートタイプ。仕立てのよいスラックスのようなシルエットを描く。カイハラ社とともに新しいホワイトデニムを開発した。綿花そのものの色合いとデニムを作る際に出てしまう不純物(綿カス)をあえて残して、ナチュラルな素材感を追求。ホワイトデニム¥26,100/TANAKA カーディガン¥39,000/A.P.C(. アー・ペー・セー シャルロットシェネ) シャツ¥24,000/alpha PR(UNUSED) ネックレス¥62,000/ステディ スタディ(トムウッド)ベルト¥12,500/ユナイテッドアローズ 青山 ウィメンズストア(メゾン ボワネ) 靴¥57,000/ギャラリー・オブ・オーセンティック(ビューティフル・シューズ)
(モデル左)横糸にリサイクル糸を使用したインディゴセルビッチデニム。生地を作る際に出る綿の端材を再利用している。リジッドタイプでシャープな表面感。デニムジャケット¥38,500・デニムパンツ¥26,100/TANAKA シャツ¥43,000/トリー バーチ ジャパン(トリー バーチ) 靴¥62,000/シティショップ(トーガプルラ)

1 オリジナルのデニム生地は世界的なブランドとの取り組みでも話題のカイハラ社が手がける。デニム生地を生産する際にできる落ち綿を再生綿に転化する技術との協業によって生まれた

2 シャトル織機で次々と織られる生地。リサイクル糸を横糸に使いながら、見た目も質も高品質なセルビッチデニムができ上がる。シャープなテクスチャーを残しながら、スタイリッシュな趣に

3 ローホワイトのセルビッチ生地はカイハラ社も初めての試み。水を汚さず綿そのものの色合いも活かした仕上がりに

4 奄美大島の泥染を施したアイテムを乾燥させる工程。自然の恵みを感じさせるカラーパレットがずらり

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お気楽ヴィンテージ

Diesel シグネチャーともいえるヴィンテージウォッシュデニム。実は、昨年から高い環境基準を製造工程に適用して、水と化学薬品の使用を大幅に削減することに成功。このダメージ加工もレーザー機で再現され、軽石を使用しない製法によりCO2排出量を削減している。

(モデル左)脚の形をきれいに見せてくれるストレートシルエット。はき込んだ風合いはステンレス鋼製の研磨加工用ドラムを使用することで狙った摩耗感に仕上がる。レーザー加工によるヒゲのフェードも本格的。
デニム¥45,000〈DIESEL 青山限定〉/ディーゼル ジャパン(DIESEL) ブラウス¥23,000/イエナ ラ ブークル イヤリング¥28,000/プティローブノアー ソックス¥900/タビオ(靴下屋) ベルト¥18,000・靴¥90,000/アングローバル(マーガレット・ハウエル)

A.P.C. デニムには、新品をはきたい人とはき込んだ風合いを楽しみたい人の双方向で需要がある。A.P.C.では定番のリジッドジーンズをはき込んで店舗に持ち込むと、新しいデニムを半額で購入できるサービスを展開。引き取った一本はユーズドデニムとして再販売する。

(モデル右)モデルが着用したのははき込んだデニム。ユーズドは定番のインディゴカラーを残した状態のよいものが多い。
デニム¥30,000/A.P.C. トップス¥18,000/フィーニー ブラウス¥25,000(メドモアゼル)・ベルト¥8,000(レフィエ)/ジャーナル スタンダード レリューム ルミネ新宿店 眼鏡¥54,000/マイキータ ジャパン(マイキータ) ソックス¥500/タビオ(靴下屋)  靴¥100,000/ジェイエムウエストン 青山店(J.M. WESTON)

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カラーデニム・ユニバース

(右)Maritas Denimトルコ発のマリタスはオーガニックコットンを使ったペールトーンのカラーデニムが目を引く。自然染料100%で製造し、繊細なカラーバリエーションで種類豊富に展開する。絶妙なフィット感も秀逸で、リピーターも急増中!

淡いベージュ色はどこかオプティミスティックな気分を誘う。写真のスリムタイプのほかにフレアやスキニーも。デニム¥12,000/ドリームワークス(MARITAS DENiM) シャツ¥24,000/k3 OFFICE(G.V.G.V.) スカーフ¥16,000/alpha PR(UNUSED) ソックス¥500/タビオ(靴下屋) 靴¥18,800/ジャーナル スタンダード 自由が丘店(モヒ)

(左)G-Star Raw ジースターは国際的な検査基準に基づいて、厳しい品質を追求していることでも有名なブランド。サステイナブルコットンのカラーデニムは、産業廃棄物となる不要な衣料を原料とした特殊染料「リサイクロム」を使用している。テディガールをイメージしたダスティピンクのデニムは、ソフトなはき心地も魅力。

スタイリングに春を運ぶスモーキーピンク。 デニム¥17,000/ジースター インターナショナル(G-STAR RAW) Tシャツ¥12,000・レース ブラウス¥46,000/アナ スイ ジャパン(アナ スイ) ソックス¥3,600/ショールームリンクス 靴¥39,000/NEPENTHESWOMAN TOKYO(NEEDLES)

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集まれ!パッチワーク

Seeall 欧州で経験を積んだデザイナー瀬川誠人によるブランド、シーオール。国際的な規定の不平等さから、世界中の古着がパキスタンに集まることに着目。現地の工場で解体し、再構築したアイテムを生産することで雇用を創出し、社会貢献につなげる。パッチワークなので一点ずつ味わいが異なる。

ゆったりとしたシルエットなので、ノンバイナリーなスタイリングにも最適。リボン状のデニムベルトもアクセントに。デニム¥18,000/ジャーナルスタンダード ラックス 表参道店(SEEALL) ニット¥23,700/エイチ ビューティ&ユース(ベースレンジ)ブラウス¥30,000/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店(ユナイテッドアローズ) 靴¥37,000/NEPENTHES WOMAN TOKYO(NEEDLES)

Sunset Makers 自身のデニムレーベルも好調なサイモン・ミラーがまったく新しいコンセプトを掲げ、デニムアパレルレーベルをスタート。アップサイクルに特化したデザインを展開する。前と後ろで色の異なるデニムを組み合わせ、エフォートレスなカリフォルニアの空気を感じさせる。

ウエストやポケット、ボディなど、パーツによって異なるデニム地をミックス。シームレスに仕上げてクリーンなムードに。デニム¥49,000/ロンハーマン(サンセット メーカーズ) ハンドクロッシェタンクトップ¥18,000/ショールーム リンクス(babaco) シャツ¥25,000/シティショップ(ホルツワイラー)靴¥47,000/トリー バーチ ジャパン(トリー バーチ)

B-sides Jeans ビーサイド ジーンズはブルックリンを拠点とするオンラインストア「Where I Was From」が発信するデニムブランド。米国内で集められたリーバイスやラングラーなどの高品質なヴィンテージを再構築。濃淡ある生地をパッチワークしたストレートシルエットはモダンな仕上がりに。

ロールアップしても異なる表情を楽しめる。
デニム¥46,000/ロンハーマン(ビーサイド ジーンズ)ベスト¥27,000/ロエフ 六本木店(ロエフ) シャツ¥42,000/ブランドニュース(ルール ロジェット) ネクタイ¥17,000/アングローバル(マーガレット・ハウエル) ペンダントトップ¥20,000・チェーン¥15,000/プティローブノアー ソックス¥500/タビオ(靴下屋) 靴¥44,000/ギャラリー・オブ・オーセンティック(フット・ザ・コーチャー)

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サステイナブルな循環に加わりたい!

Y/Project パリを拠点とするY/PROJECTから"エヴァーグリーン"ラインが登場。100%サステイナブルでエコフレンドリーであることを最終的な目標に掲げている。今後、継続して展開される同ラインのアイテムは、2017年春夏から2020年秋冬までのコレクションより。ジャケット、カットアウトパンツ、デニムアイテムなどのデザインをリサイクルファブリックやオーガニック素材を使用して再解釈した。全生産工程をヨーロッパ内で行い、国内の雇用創出の役割も果たすなど、新しい生産サイクルを構築している。売り上げの一部は環境保護団体に寄付されるという徹底ぶりにも目を見張る。

写真のデニムとブーツがエヴァーグリーンラインのもの。デザインの段階で裁断されたデニムを立体的に組み合わせて70年代風のベルボトムに。クチュール的な仕上がりでどれも一点ものというのも面白い。プレタポルテのラインと差のない価格に収めている。
デニム¥59,000・ジャケット¥132,000・ブーツ¥101,000/THE WALL PR(Y/PROJECT)シャツ¥19,000/NEPENTHES WOMAN TOKYO(NEEDLES)