メラニー・ジョージャコプロスが語る、
パールの秘密
Interview with Melanie Georgacopoulos
「多様性」から生まれるピースは、
革新的なのに、やわらかい
パールをスライスした「スライスド」、穴を開けて水玉模様にした「ドリルド」、金属の結び目を組み合わせた新作の「ノット」。革新的なデザインを追求しながらも、それは決してエッジィ一辺倒ではない。肌とのなじみやすさ、つけ心地という機能性、そして女性デザイナーならではの柔軟性もしっかりと注入されているのが、メラニー・ジョージャコプロスの手がけるM/G TASAKIの魅力だ。
「新作である『ノット』は、パールの中に金属のワイヤー通してパールと金属との連動感を出したの。金属の重厚で硬いイメージを打ち破るためにきゃしゃなものを使ったんだけど、ワイヤーはねじ曲げてくっつけるだけじゃないから、かなり高度な技術が必要だった。でも、今回もTASAKIの製作チームが“匠の技”で完璧に実現してくれたわ」
ギリシャ生まれ、ロンドン在住のメラニーが日本の伝統的なブランドとコラボレーションし、神戸のジュエリー職人と作る。それは暗たんたる世界情勢のなか、ファッション界が声高に叫ぶ「多様性」にしっかりと向き合う物作りだといえる。
「異なる文化、言語、そして時差ボケ(笑)。距離感という困難はあれど、異なる世界を共有して、驚きをデザインに落とし込むことはとてもエキサイティングだし、今、取り組むべきこと。そうして作り上げた独創的なM/G TASAKIのジュエリーが身につける人それぞれの物語を内包して、娘や孫へ受け継いでもらえたなら、とてもうれしい。」
Profile
メラニー・ジョージャコプロス/Melanie Georgacopoulos2007年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートでジュエリーの修士号を取得。’12年よりM/G TASAKIのヘッドデザイナーを務める。プライベートでは第二子の誕生を間近に控えている
SPUR2017年8月号「SPUR finds… INTERVIEW」
interview & text:Kaori Watanabe photography:Kikuko Usuyama(portrait)、Takehiro Uochi〈TENT〉(product) styling:Saeko Sugai
メラニー・ジョージャコプロスが提案する、今日のパール
Outfit of the Day一口にパールと言っても、その日の洋服や出かける場所によって、スタイリングのコツは変わるもの。
デザイナーのメラニー・ジョージャコプロスが3つのシーンに合わせたパール・スタイリングを提案