マイ スタイルを輝かせる、モダン ハイジュエリー
INTERVIEW
プラバル・グルンが考える、モダンなハイジュエリーとは
モダンな装いに共鳴するパールの新コード
2018年春夏シーズンより、TASAKIの新クリエイティブ ディレクターに就任したプラバル・グルンが来日。昨年のNYファッションウィーク中に、ランウェイショー形式で発表した「TASAKI アトリエ」のファーストコレクションを、自らの言葉を交えて披露してくれた。
今回のコレクションのキーワードのひとつに、シュルレアリスムがあるというプラバル。
「シュルレアリスムというのは、20世紀の初めに芸術の分野で興った前衛的なムーブメント。当時、そのけん引役はダリやマン・レイといった男性アーティストたちが多かったけれど、近年ここに、女性の現代アーティストたちによって新しい解釈が積極的にもたらされているんだ。僕はそんな流れの中に、今を生きるモダンウーマンの在り方を見出したんだよ。そうやって女性たちがポジティブな自信に満ちあふれて、新しい考えを発信しているって、素敵なことだよね? そのスピリットを、このコレクションには投影しているんだ」
ひとつひとつのピースに目を向ければ、流れるようなライン使いに、優雅なリズムを感じさせるパールやストーンのレイアウトと、TASAKIらしいエレガンスを存分に味わえるデザインが主流。耳の内側にパールがセットされる仕組みのイヤリングなど、新しいスタイルのジュエリーも見つかる。
「デザインのモチーフとなったのは、TASAKIのパールが生まれる海。長崎の海だね。水の流れや入り江のシェイプ……それから、パールの養殖場を訪れた時に、ふと足元で目に留まった、ロープの結び目などもインスピレーション源になっているよ。主役に選んだのは、さまざまな大きさの白のパール。そこへダイヤモンドやカラーサファイアを、パールにスポットライトを当てるように取り入れた。そう、まるで美しいシンフォニーを奏でるようにね」
ファインジュエリーを手がけることは、長年の夢だったというプラバル。TASAKIのクラフツマンシップに触れ、コレクションのイメージが広がったそう。そこからさらに、装うスタイルも独自に提案。ジュエリーをショー形式で発表した理由は、ここにあった。
「ジュエリーがイブニングパーティ向け、という考え方は過去のもの。では、今楽しむなら? そんな問いへの僕なりのアンサーとして、服とジュエリーをコーディネートし、ショーで見てもらうという形を採ったんだ。おすすめしたいのは、コットン素材のドレスにイヤリングを合わせたり、タートルネックの上からネックレスを着けたりする取り入れ方。こうすると、パールジュエリーがぐっとフレッシュに映ると思わない? あとは、手に取る人が好きなように、思うままに取り入れてみてほしい。それこそが自分らしさを表現するということだと思うから。自立したモダンウーマンたちの心をときめかせ、自分らしく楽しむコレクションを発信していくことが、僕のゴールだからね」
PROFILE
PRABAL GURUNG(プラバル・グルン)
シンガポール生まれ、ネパールのカトマンズ育ち。ニューデリーでデザイナーとして出発し、その後NYへ。パーソンズを卒業し、’09年に自身のブランドを設立。ミシェル・オバマやキャサリン妃といったセレブリティにもファンが多い。
Photo: Hans Neumann Art Direction: Driver Creative