SPURが生まれたあの時代から
私たちの想いは変わらない
1989年のティーンエイジ・ドリーム
1989年に起こった出来事を知っていますか? 平成元年が、まさにこの年。
ベルリンの壁の崩壊をはじめとした激動のこの年に、SPURは創刊されました。
時代の狭間に生まれ、次なる高みに向かって描いてきた私たちのSPUR(軌跡)は、来たる2019年に30周年を迎えます。
そのビッグ・アニバーサリーに向けて、いまいちどあの時代に立ち返ってみようと考えました。
新しい価値観を生み出そうという覇気や不安と、ケレン味あふれる80年代の空気に憧れるアンビバレントな気持ちと。
もし現代のモードを、あの時代にシンクロさせて再構築したなら?
遠くて近い、1989年。「可愛い」を愛する純粋な気持ちはそのままに、10代の甘酸っぱい視線で、見つめてみました。
30周年に向けたSPURの冒険は、ここから始まります
#01 あの子は親友で 最高のおしゃれライバル
「ドレスコードはツィードで」。彼女と出かけるときのおしゃれはいつもとっても悩むけど、とびきり楽しい。ビッグショルダーのマキシコートに、ショートジャケット&メタリックパンツ。約束していなくても、ふたり並ぶといつもぴったりくるのがうれしくて、お互いの服を見て笑い合った。ハット使いはお揃いで。
#02 ママについた嘘と、夜風の香り。 共犯者たちのささやき
ボディに沿うベルベットドレスに、総スパンコールのワンショルダードレス。初めてのナイトアウトは心ときめくピンクで揃えて。少しの罪悪感と、わくわくした気持ち。共犯者となったふたりの秘密のおしゃべりは止まらない。
#03 明日の服のことも、男の子のことも。 止まらないガールズ・トーク
サンドイッチをかじりながらも、おしゃべりは止まらない。キルティングのコートに、ふわふわのニット、サテンのスカートをペールブルーで揃え、インティメイトなルックをモードに。
#04 何でも話してた彼女に 初めて秘密ができた日
チェックのセットアップとスカート&パンツ。「お揃いみたいじゃん」と言う彼と軽口をたたき合いながらも、不意にまわされた腕の感触はなぜか特別で。
#05 暗くなっても別れがたくて。 くだらないことばかり話してた
デニムのセットアップで出かけた休日。なぜかお互い別れの言葉が言い出しづらくて。私とあの子のスカーフが、秋風に揺れる。
#06 大人になってしまう前の この瞬間よ、永遠に
ケープジャケットにスカート、ジャケットにベストのレイヤリング、異素材使いのコート。ビッグショルダーで揃えて出かけてはみたものの……いつまでも「仲よし3 人組」ではいられないことは、たぶん全員が気づいている。
#07 きっと30年たっても、 忘れられない想い出
最後に手もとに残ったのは、全開の笑顔とふざけたポーズでカメラにおさまるあの夜の写真。ブラウスの胸元を飾るのは、ふたりともお気に入りだった大きなリボンとフラワー。とびきり甘くて、少しだけ苦い。1989年の私たちのことはきっといつまでたっても忘れない。