昔から知られる、本能に働きかける香料を用いたフレグランスを用いるか。あるいはさり気ない香らせ方で落とすのか。知るほどに使ってみたくなる、禁断のセダクティブな香り8選
古代アステカの興奮剤、カカオのスパイス
中央メキシコに栄えた古代アステカ文明。そこではすり潰したカカオ豆をベースにした、ココアの起源といわれる飲み物が。多くの妃がいたとされる王が愛飲したというココアは親密な夜を過ごすための媚薬。甘くぬくもりある香りが心をも刺激する。
トップを飾るココアが鼻腔をくすぐり、続くシナモン、バニラのおいしそうな香りが核となるアンバーを引き立てて。ラボラトリオ・オルファティーボ アランバー オードパルファム(100㎖)¥17,000/BIOTOPE INC.
花嫁のベッドを満たすネロリの香りは純潔の証し
地中海周辺では純潔の印として、初夜の寝室をネロリの香りで満たすという風習があるという。可憐な白い花の香りは彼の地に住む男たちの記憶の原風景に存在する香り。白く柔らかな花弁を持つネロリに愛する花嫁を重ね、その香りの中で新たな愛を深めるのだ。
MCM初の香りのコレクションが誕生。ハートノートに据えた芳香豊かなチュニジア産のネロリとティーリーフのまろやかな香りが溶け合う、安らぎ感にあふれる香り。ホワイトティー パフューム(100㎖)¥14,000/MCM ギンザハウスツヴァイ
自らのスキンノートを引き出し自然な存在感を放つ香り
顧客にオーダーメイドの香水を作るにあたり、その人自身が持つ肌の香りを正確に知るために試験薬として開発されたのがこのフォーミュラXだ。「つけている人自身が安らぐのはもちろん、無意識に相手に安心感を与え、興味を惹くようで、これをつけたら彼ができたという話をよく聞きます」(ダウンパフューム日本取扱店代表・杏 喜子さん)。自分のスキンノートを引き出してから、他の香りをつけるとより自分らしく香らせることが可能に。
個人が持つ本来の肌の香りを強調して引き出すから、使う人によって香りだちが変化する。自分の肌から浮かない究極のパーソナルフレグランス。ダウンパフューム オードパルファムフォーミュラX(30㎖)¥10,500/デュード
甘すぎない爽やかな色気を狙うならグルマン系
本来、重ねることがNGの香水。透明感ある調香で異なる香りのレイヤードにより、新たな香りの楽しみ方を提案するレイヤード フレグランス。「全身をスキなくほのかな香りで包むためにクリームとスプレーで違う香りを重ねることをおすすめ。ずばり、男性受けがいいのはホワイトムスクのクリームにシュガーライチのスプレーの組み合わせ。爽やかな甘さのグルマンノートが今の時代のモテ感にぴったり」(香水プロデューサー・石坂 将さん)クリームを肌にのせたあとにスプレーをひと吹き。香り同士がほのかに混じり合い、奥行きのある香らせ方が可能に。(右)レイヤード フレグランス ボディスプレー シュガーライチ(100㎖)¥3,800・(左)同 クレム ドゥ パルファム ホワイトムスク(50g)¥3,400/セントネーションズ
心が安らぎ、官能的な喜びを開放するパチョリの香り
甘くスパイシーな温かさのある、土っぽいパチョリの香り。大地を思わせる香りは心を落ち着かせるものとして、アロマセラピーの世界で知られているもの。緊張や不安から解放され、心赴くままに振る舞う心地よさに身を委ねるとき、眠っていたあなたの魅力が花開く。土っぽさの中に雑味を感じる従来のパチョリとは一線を画す。艶やかでフレッシュな洗練されたウッディノートに。パチュリ アブソリュ オード パルファム スプレィ(50㎖)¥28,000/トム フォード ビューティ
香りを揮発させず、肌にとどめるオイルパフュームが新しい
オーデパルファムやオーデトワレのように、オー(Eau)を使った香水は揮発し、広がる性質を持つ。対するオイルパフュームは水やアルコールを使用していないのですぐに揮発することなく、長く肌にとどまる。ふんわりとインティメイトに香りをアピールしたい人に。シーンに合わせて選べる1 カ月31種類の香りがラインナップ。肌に直接塗れるロールオンタイプで携帯にも便利。オリジナル パフュームオイル No.07(8㎖)¥4,180/ザ・パフューム オイル ファクトリー 銀座本店
動物性でもなく、人工香料でもない植物のムスクでフェロモンを模倣
ブランド創業者で調香師でもあるジュリアン・ベデルがムスクと同じ分子構造を持つ植物とその催淫効果について研究し、約3 年をかけて創作。原料は南米の伝統医療に用いられる薬草で、香りに含まれる分子が血流や心拍数など、体に変化をもたらす作用に着目した。清らかで繊細なムスクの香りそのもの。香水に含まれる分子が肌の香りを捉えて揮発し、その人自身の香りを引き立てながら、甘く温かく香る。ムスカラ フェロ ジェイ(100㎖)¥31,000/FUEGUIA 1833 東京本店
恋を呼ぶハーブの異名を持つフレッシュなヴァーベナ
中世の昔、魔女が惚れ薬の材料としたという言い伝えのあるヴァーベナ。レモンに似たフレッシュな香気は、甘いフローラルよりもシトラス系を男性は好むという巷のモテ香水定説も裏付ける。アロマセラピーの延長のように自然由来成分の香料で爽やかに。89%の自然由来成分を含む香料を使用し、摘みたてのようなフレッシュなヴァーベナの香りを凝縮。軽やかさと存在感を両立。エクストレド コロン ヴァーベナ ユートピア(100㎖)¥8,000〈9月9日表参道ブティック先行発売・9 月14日発売〉/ロジェ・ガレ
内なる情動を呼び覚ます、美しいひとのための官能香水
SOURCE:SPUR 2017年10月号「美しいひとのための官能香水」
photography:Kevin Chan edit:Teruno Taira special thanks:Maho Yamada(Fragrance adviser)
着たい服はどこにある?
トレンドも買い物のチャンネルも無限にある今。ファッション好きの「着たい服はどこにある?」という疑問に、SPURが全力で答えます。うっとりする可愛さと力強さをあわせ持つスタイル「POWER ROMANCE」。大人の女性にこそ必要な「包容力のある服」。ファッションプロの口コミにより、知られざるヴィンテージ店やオンラインショップを網羅した「欲しい服は、ここにある」。大ボリュームでお届けする「“まんぷく”春靴ジャーナル」。さらにファッショナブルにお届けするのが「中島健人は甘くない」。一方、甘い誘惑を仕掛けるなら「口説けるチョコレート」は必読。はじまりから終わりまで、華やぐ気持ちで満たされるSPUR3月号です!