さらさらオイルとこってりバーム。このふたつがあればいい/ビューティサイエンティスト岡部さんが推薦

科学者として、また元開発担当者として、肌をしなやかに保つために「油分が不可欠」と岡部さん。その理由と、この夏、特におすすめの2品を聞いた

浸透する、表面にとどめる 
オイルにできるふたつの仕事

夏は汗をかくせいで実感しづらいけれど、皮脂量は、実は夏と冬でさほど変わらないんです。汗と混じるからベタつきを感じますが、ベタついているからといって肌自体が潤っているわけではありません。むしろ紫外線を浴びて、未熟な細胞で形成された不完全な角層が分厚くなるので、肌内部はより乾きやすい環境にあるのです。この不完全な角層は水分が与えられた瞬間はふやけて柔らかくなりますが、水分が蒸発すると硬くなるもの。これを防ぐには油分が必要不可欠なのです。

油分はトリグリセリドという分子でできていますが、これがとても個性豊かなんです。分子が小さいと柔軟性があってさらさらの感触だし、逆に大きいものは硬くて重たい。同じ油でも由来によってその性質は実にさまざま。さらさらのオイルは皮脂腺を通して肌内部に引き込まれるので美容成分を奥まで運びます。一方、バームには有効成分をたっぷり配合させることができるうえ、肌表面にとどまるので、角層のバリア機能をサポートする働きもあります。ですから敏感時にはぜひバームを。肌がゆらいでピリピリするのは、水や水に溶けた成分が浸透圧によって肌のバリア機能を壊し、内部へ浸透する際に刺激を感じさせるせい。しかし肌表面でバリアとなるバームならそんな心配も不要です。 

精製技術も高くなった今は、質感も自由に変えられる時代。せっかくだから、さらさらのオイルとこってりバームのふたつを持っておいて、好みや肌状態に応じて使い分けるといいですね。

(右)SK-Ⅱ独自成分、濃縮ピテラTMを含むピテラ層とオイル層を黄金比でブレンド。「肌にすっと浸透するさらさらオイルはベタつきが苦手な人でも抵抗がないはず」(岡部さん)。
SK-Ⅱ フェイシャル トリートメント オイル(50㎖)¥16,500(編集部調べ)/マックス ファクター

(左)サンフランシスコのオーガニックブランド。そのシグネチャーは、美容効果の高いオイルやエキスが凝縮されたバーム。「肌の敏感時には水不使用のバームで、肌に疑似バリアを張るといい」(岡部さん)。
フリュール ヴィブラント バーム コンセントレA(8.1g)¥10,000/インフィオレ

マックス ファクター
電話:0120-021-325
https://www.maxfactor.jp/

インフィオレ
電話:0120-559-887
https://www.infiore.tokyo/

お話を伺った方
岡部美代治さん
ビューティサイエンティスト。化粧品メーカーにて研究開発、マーケティングを担当したのち、独立。セミナーや講演、メディアにて正しい美容情報を発信中。
http://www.beautysci.jp/

SPUR2016年7月号掲載
>こちらの特集は電子書籍でもご覧いただけます

FEATURE
HELLO...!