2017.05.04

今シーズン、押さえるべき肌トレンド

旬な質感はほのかな輝きを宿した新感覚のマット

道子(以下M) 最旬のベースメイク情報の分析はいつも耕さんに話をこっそり聞いて、ボスへのリポートをまとめてるの。内緒だけどね(笑)。
(以下T) ハイ! 道子。お久しぶり。
M 春はベースメイクの質感が変わってきた印象だけど、実際はどう?
T ランウェイで気になったのはグッチ(下のモデル写真)に代表されるマットスキンかしら。

M マットっていうと、モードなSPUR読者は“厚化粧”な印象になるから、あまり好きではないのよー。
T それがマットといっても、とっても薄膜でつくるのが主流。しかもほんのりとツヤを秘めているから、想像しているような厚化粧感は皆無ですよ。
M ふーん、新感覚のマットなのね。
T ポイントメイクアップがグロスっぽいテクスチャーだったり、淡いパステルカラーの場合、肌にツヤがありすぎるとメイクアップの色やテクスチャーがうまく映えないの。この新感覚マットはこの春、押さえるべき肌トレンドの質感の代表格ね。
M 新感覚マットはリキッド+お粉でつくるのかしら?
T そうとは限らないわ。パウダリーでも今は粉っぽい仕上がりにならずにリキッドでつくったようなツヤが出せるものが増えているもの。逆にリキッドでもパウダーで仕上げたみたいにサラサラな仕上がりになるものもあるし。
M 確かにここ数年、パウダリーだからマット、リキッドやクリームだからグロウといったステレオタイプなセオリーに該当しない製品が増えてきている印象があるわ。(肌に塗りながら)このサンローラン、パウダーなのに、な、なんとも言えない質感……!!


アンクル ド ポー コンパクト SPF23・PA++ 全6色¥7,200/ イヴ・サンローラン・ボーテ

T 私もそれ、感じた。パフに取ったときはジェルっぽいのに、塗り広げていくうちにオイルっぽさが消えてピタッと密着するの。
M (パウダー部分を指で押さえながら)見て、ふかふかよ?
T スポンジも工夫されているわね。マット面で塗ったあと、光沢面で密着させるというわけね。なるほど。
M 下のジバンシイのスポンジもそうだけど、数シーズン前からのひと工夫あるツールの提案も仕上がりを語るうえではずせなくなってきましたね。


(左)マティシム・ベルベット・フルイド SPF20・PA+++ 全5色(30㎖)¥7,100 (右)メイク アップ・ブレンダー¥2,600/LVMHフレグランスブランズ (パルファム・ジバンシイ)

T 薄く均一な化粧膜をつくることがベースメイクを美しく仕上げるコツにほかならないってことの表れ。
M ファンデーションが薄膜化してきているのにそれを使っても厚ぼったく塗っている人、たまにいません?
T それは絶対的に量と力加減を間違っているせいです。
M 確かにアーティストが使うファンデーションの量って驚くほど少量。
T 顔全体をカバーしようと思わないで中央部分を中心に塗るだけでいいんですよ。そして力加減ね。パフを滑らせながら肌が動いている人は力の入れすぎです。顔の中心から外に向かってやさしく滑らせるようにのせる。それで厚塗り問題は解決するはず。

肌を主役にしたメイクで美肌にも。小顔にも

ソチ(以下S) 何でだろ、この細長い金色のスティックを見ているとロボット犬とはいえ、犬の本能でくわえたくなってしまう……。ワ、ワォ~ン!
BOSS T(以下B) おっ、ソチ、いいものをくわえてるね。ご褒美のボーンかい? いや違うな。こ、これはいったい、何なんだ?
M あっ、またエスティ ローダーのスティックファンデーションがない。ソチのヤツ……。くわえて外へ持って行っちゃったのかしら、まったく。ソチー、カムバーック!
B よっ、道子! ソチがこんなものくわえていたけど。
M あー、やっぱりソチが犯人だった。ボス、返してください。最近、私がヘビロテ中のスティックファンデーションなんですよ。


ダブル ウェア ヌード クッション スティック ラディアント メークアップ 全3色¥5,500/エスティ ローダー

B えっ! 道子ってファンデーションを塗ってたんだ。すっぴんでも肌がきれいなんだな、さすがSPURが誇るビューティエージェントだとひそかに感心していたのに。
M ありがとうございます。でもさすがに30代以上ですっぴんは相当に肌がきれいな人でないと……。ボスが見ている美しい肌の女性はほぼ“なりすましヌード”だと思って間違いなし。
B しかし最近のファンデーションはすごいんだなぁ。塗ってます感が全然出ないんだね。
M はい、それは本当ありがたいな、と。エスティ ローダーのほかにもこんなに。花王のプリマヴィスタはコンセプトがなんとメイクレス。主婦やOL層対象のメガブランドまで、なりすましヌードな仕上がりを目指してます。


ソフィーナ プリマヴィスタ きれいな素肌質感パウダー ファンデーション SPF25・PA++ 全7色 ¥3,800(編集部調べ)/花王ソフィーナ

B このブラックオニキスのような持ち手のブラシはなんだ?


ペタル 55 ファンデーション ブラシ¥6,000/シュウ ウエムラ

M これ、素敵でしょ。シュウ ウエムラのメイクアップ アーティストが考え、現代建築家と創り上げた筋ムラ”をつくらないブラシなんです。
B 筋ムラ?
M ファンデーションはブラシでつけるのがきれいに仕上げるコツと言われるんだけど、実際、素人には難しくて。ブラシで塗った跡が残ることを〝筋ムラ〟っていうんです。私も不器用だからブラシで塗っては筋ムラをならすためにスポンジでのばしていたクチ。でもこれだとスポンジみたいに使えて筋ムラにならないんです。
B そんなツールまで駆使するのか。そりゃ男もすっぴんだと間違うはず。

進化形クッションと“小顔造形ファンデーションに注目!

M エージェント耕、新感覚マットは素敵だけど、オフの日やカジュアルなファッションのときはちょっと違う気がするんだけど。
T そうね。カジュアルなときはやはり少しツヤがあるほうがいいかも。
M ボスに報告したなりすましヌードな質感とか?
T んー、なりすましヌードスキンはどちらかというと肌を主役にしたカラーレスなメイクアップなのね。自身の顔だちを生かす感じの。
M 色はないけど、力を抜いてるわけじゃないってことですかね。
T そう。でもオフの日はもっとエフォートレスというかイージーなのがいいよね? そんなときはポンポンするだけのクッションファンデーションのツヤ感ある肌がいいんじゃないかな。
M なるほど~。クッション”は昨年、一大ブームになりましたね。今年はランコムやディオールから進化版が登場している。ランコムは「テカらないツヤ肌」という矛盾を克服。一方、ディオールはクッションでつくった薄い化粧膜が16時間もロングラスティング! 一日メイク直し要らず。


ブラン エクスペールクッションコンパクト HSPF50+・PA+++ 全5色¥6,500/ランコム


ディオール スキン フォーエヴァークッション SPF35・PA+++全5色¥6,500/パルファン・クリスチャン・ディオール

T ツヤ肌のときはマットな赤い口紅を合わせるなどポイントメイクとテクスチャーを揃えないほうが素敵よ。
M ランウェイを見ていて、モデルってやっぱり小顔でいいなーって。さすがの私も顔のたるみが気になるお年頃になってきたから。
T いいのがあるわよ。このあいだ撮影で使って以来、愛用中なのがアルビオン。これ、下地なしで手で塗り広げていくと手の皮膚温と力で化粧膜が収縮して肌を引き締めるの。


タイトフィルム ファンデーションPRO SPF32・PA+++ 全6色(30g)¥6,000/アルビオン

M すごっ! そういえばポーラからも表情の変化が生む“肌ノイズ”が老けた印象を生むというリポートが。肌の動きにより化粧膜に伝わる振動を和らげる設計のファンデーションがB.Aから出るの。


B.A クリーミィファンデーションL SPF30・PA+++ 全6色 (25g)¥11,000/ポーラ

T ベースメイクでそこまでできるなんてすごい時代の到来ね!

服に合わせて肌の質感も着替えるのは
モードな女の常識よ

耕 万理子(たがやしまりこ)

外資系ブランドのシニア・アーティストとして活躍後、独立。ランウェイのバックステージで培った経験からトレンドを読み解き、リアルに落とし込むテクニックとセンスは抜群。道子も大ファン。

坊手道子(ぼうてみちこ)

誌面から離れていた10年間も最新美容情報にアクセスしつづけ、美しさをキープ。「美容医療なしでどこまで美しさを保てるか」をモットーに美容界で暗躍する。

BOSS T

世界中をモードな美女で埋め尽くす野望を胸に、最新の美容情報の捜査を道子に依頼。

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