体内に栄養を取り込む入り口である口。消化の第一段階の部位だからこそ、ここが不調だとさまざまなトラブルを引き起こしてしまうことに!

唾液量の低下=粘膜の乾きが全身の不調を招いていた!
「粘膜は湿潤環境にあることが正常であるように、口の中は唾液で潤っているのが健康の証し。しかし近年は、不規則な生活やストレスで自律神経が乱れ、交感神経ばかりが優位になることで唾液が出にくい状態となり、ドライマウスを訴える30代女性が増えています」(小川先生)
口内の乾きはもちろん、口の中や舌にヒリつきを感じる、口臭が気になる、歯肉が赤くなるなども粘膜が乾いているサインだ。確かに、会食など緊張をしいられる食事会の際に唾液が出ないために、料理の味がわかりにくい、水分で食事を流し込む、なんて経験をした人もいるはず。そもそも唾液は副交感神経が支配し、リラックスした状態によく分泌されるそう。
「さらに、30代は結婚や出産、キャリアアップなど、ライフステージも変化するとき。この時期はホルモンバランスが崩れ、自律神経のコントロールもしにくいとき。その結果、唾液量が減って免疫力も低下します」(小川先生)
疲れやすい、風邪をひきやすい、肌荒れがよくならない……などは、ドライマウスが原因になっている可能性も。また、唾液量が減ることで食べ物の消化不良を起こし、胃腸にも負担がかかり、健康面にも影響を及ぼす結果に。
「本来ドライマウスは老化現象のひとつですが、若くてもストレスが原因で一過性のドライマウスになることも。ストレスがなくなれば改善しますが、ガムを噛んだり、舌をよく動かすことで唾液分泌が高まります」(小川先生)
不快感がありながらも見過ごしがちな口内の粘膜の乾き。しかし、放っておけば、全身の不調につながることも。まずは唾液量を増やすケアを実践し、正常な粘膜を取り戻そう。
Topic 01
口内フローラって何?
口内の悪玉菌の繁殖を抑えると虫歯も口内の不快感も防げる!?
腸内、肌フローラに続き、口腔内粘膜の細菌フローラ(細菌叢)にも注目が集まっている。「小児歯科では、ずいぶん前から口内の善玉菌を増やして虫歯を防いだり、インフルエンザ予防に活用しています。大人が口腔粘膜を正常にする基本は、ブラッシングで菌を残さないこと、たくさん噛んで唾液の分泌を促すこと、食事やサプリで善玉菌を増やす乳酸菌を補うこと、の3つ。どんなに調子が悪くても歯磨きはして口内フローラを整えたほうが体調は早く回復すると言えます」(小川先生)







