ルージュケースはジュエリーボックスのような化粧箱に入って届けられる。これとは別に京都を意識して選ばれた5色の口紅本体がセットに。なお、既存のルージュ・ジバンシイの本体にこちらのルージュケースを装着することも可能だ。
まず「金泥」と呼ばれる金粉を革になじませたのち、糊を塗布。金箔の接着に通常用いられるのは漆だが、今回はレザーの柔らかさを最大限に活かすため、礫翔氏が独自に開発した糊が使用された。
金箔を一枚一枚、注意深く置いていく
金箔の上からパール粉をブレンドした顔料で色を描いていく。ヘラや筆を駆使しながら発色を見極めていく繊細な作業
その上からさらに金箔を重ねたり、飛沫として散らすことで奥行きと濃淡を加えていく
レザーをここから約6×7㎝大に切り取り、ルージュケースへ巻きつける。カッティングにあたっては製品をもっとも美しく見せる画角を選び抜くことに注力。「実際にシルバーのフレームが加わることも加味してひとつひとつ吟味しながら切り抜きました」と礫翔氏
「製品化されるのは600本ですが、実際には1000通り創りました。これは私のアートを認めてくれたニコラへの感謝の気持ちでもあります」
PROFILE
ニコラ・ドゥジェンヌ
ジバンシイ メイクアップ アンド カラー アーティスティック ディレクター。1999年より就任。世界初360°トルネードブラシで世界をあっと言わせた革新的なマスカラ「フェノメン・アイズ」などスマッシュヒットは数知れず。大胆かつエレガントな審美眼とともに、ビューティの世界を牽引する才能。
裕人礫翔(ひろと らくしょう)
箔工芸作家。京都・西陣の柄絵箔業を代々営む家に生まれる。和紙に金箔を貼り、緯(よこ)糸として帯にする技術に代表される箔業に携わるほか、モダンアートとしての金銀模様箔の創作に積極的に取り組み、イタリアやフランス、ドバイなど海外での普及活動も行う。独自に開発した酸化技術により金箔や銀箔に「エイジング加工」を施す卓越した技でも知られ、俵屋宗達作の国宝「風神雷神図屛風」の複製作業にも参加。そのほか、南禅寺や二条城、相国寺の障壁画の複製にも注力している。1997年、経済産業省より伝統工芸士に認定。
www.hiroto-rakusho.com/
ルージュ・ジバンシイ 京都 エディション セット
(ルージュ・ジバンシイ 現品5 本+スペシャルケース)
¥38,000〈2月5日数量限定発売〉/LVMHフレグランスブランズ(パルファム ジバンシイ)
LVMHフレグランスブランズ(パルファム ジバンシイ)
電話:03-3264-3941
http://www.parfumsgivenchy.jp/
SPUR2016年3月号掲載
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