年が明けたと思ったら、早くも2月。そして今月のメインイベント、バレンタインデーが目前です。チョコレートが大好物という人も、甘いものはそんなに得意でないという人にも、今年はひねりを利かせてチョコのように甘い香りをプレゼントするのはいかが? 膨大な嗅覚リファレンスをもち、セミナーやトレンド分析、カウンセリングなど香り分野で活躍するフレグランスアドバイザーMAHOさんに、2026年に贈りたいチョコレートフレグランスをご紹介いただいた。
大本命? 洗練されたチョコレートフレグランス
タイラ バレンタインデーに向けて、いろんなチョコレートが市場に出回る時期になりました。チョコレート好きとしてはたまりません。そんなわけで、チョコレートをテーマにしたフレグランスが気になります。
MAHO 引き続き流行中のグルマンノートのなかでも、チョコレートの香りは幅が広いのが特徴です。濃厚な甘さのものもあれば、ビターチョコレートのように苦みと甘みの両方を感じさせるものもありますね。チョコレートの原料であるカカオ、そしてココアやプラリネ、キャラメル香なども、チョコレートっぽい香りの範疇でしょうか。ブレンドすることで、様々な香り素材にコクをもたらしてくれます。
タイラ そうですね。チョコレート自体もフルーティなもの、ビターなもの、ナッツ類を合わせたもの、ミルキーなものとバリエーション豊富ですものね。
MAHO チョコレートフレグランスということでぜひ紹介したいのが、【ヴァルモン】の「ブルーコバルト Ⅰ」。濃厚なカカオチョコと湿った土のようなパチョリを、なめらかで温かみのあるオポポナックスが包み込んだ、ドラマティックな香りです。
タイラ スイスのプレミアムスキンケア、ヴァルモン! 香水もムラーノガラスのマスクがついたボトルに入った超高級フレグランスなんですよねー。本命にしか贈れないな、この価格は。
MAHO ふふっ、ですよね。ガツンとパワフルでリッチな香りなので、1プッシュつけるだけで十分に余韻が続くタイプです。
MAHO 高級チョコ系の香りとしてもう一つ、ご紹介したいのがバーニーズ ニューヨークなどで取り扱われている【ノート・ドゥ・バ・ドゥ・パージュ】のエキストレ ドゥ パルファムの「トゥウェデ」。
タイラ ブランド名の意味を調べたら、“脚注”! 一冊の本の中に香水ボトルが収められているパッケージなのも納得です。元弁護士カップルが創設したブランドなんだとか。とってもセンスが良く、そそられます。
MAHO シナモンやナツメグ、サンダルウッドが情熱的な赤色を感じさせつつも、アンバーやレザーがジェンダレスで知的な大人っぽさを醸し出している香り。
タイラ 本好きのパートナーにさらっとサプライズ的に渡すのも良さそう。
ローズ×ウードにプラリネを合わせたエレガントな香り
タイラ 日本では女性から愛の告白をする日として親しまれてきたバレンタインデーですが、最近は高級チョコレートを自分のために買う女性も増えていますね。かくいう私もその一人ですが……。
MAHO 同じく(笑)。先ほどご紹介した2つは、アンバリーやウッディ、スパイシーさがマスキュリンな一面もあったので、自分用に欲しい高級チョコ系の香りとしてなら、もう少しフラワリーな【ランコム】の「アプソリュ ウード ブーケ」はいかがですか?
タイラ ランコムが南仏のグラースの自社農園で育てた特別なローズをフューチャーした、ラグジュアリーフレグランスコレクションのなかの香りですね?
MAHO そうです。センチフォリアローズとウードという、ある意味王道で鉄板の組み合わせに、プラリネアコードが広がり、フェミニンでエレガントに。
タイラ 芳しいバラの香りに深みのあるウード、そこにアーモンドキャラメルのような甘さが加わって、うーん、本当に美味しそうなグルマンノート。たまりません!
友チョコ用? プレイフルでキャッチーなショコラノート
MAHO 今、紹介したニッチフレグランスやハイエンドな香りとは趣向を変えて、ちょっとカジュアルなブランドからもチョコレートの香りを選べますよ。
タイラ それ、知りたいです。
MAHO ひとつは【ミュシャ】が出している「ショコラ・イデアル」コレクションのチェリーチョコレート。
タイラ アルフォンス・ミュシャ財団公認のブランドですね。これはパケ買いしたくなる香水のボトルだわ。
MAHO フルーティさとチョコの掛け合わせで、チェリーの甘酸っぱさが抜けているので、春先にも使いやすい抜け感もあります。
タイラ まさにチェリーボンボンのような愛らしさもあって、うん、これはたしかに友チョコ向き。渡した瞬間に「可愛い~♪」って声があがりますね。
MAHO これも誰がどう見てもチョコレートの香りですよね? ってビジュアルでわかる【サブリナ・カーペンター】の「キャラメルドリーム」。
タイラ わかるどころか、ビーントゥバーだと勘違いして食べちゃいそうです(笑)。サブリナ曰く、「世界中の女の子を“キャンディ・ショップ”のような香りにさせるミッションがあるの」だそう。2年前に発売した「スウィートトゥース」のチョコレートマシュマロのような香りがヒットしたのも記憶に新しいところ。
MAHO リアルな恋愛観やウィットに富んだトークは、Z世代だけでなく先輩の女性アーティストからも支持されているサブリナ。そのプロデュース力はフレグランスにおいても発揮され、なかなかどうして侮れないものがあります。チョコレートやキャラメルにアーモンド、アンバーを利かせることで、スイートなセクシーさと同時にドライなスタイリッシュさも共存するグルマンノートです。
タイラ サブリナの曲が好きな人への友チョコにもぴったりですね。
寒さがピークを迎える2月。ヴァレンタインデーにチョコレートを贈るのは、寒い冬に心温まる繋がりを求めているせいかもしれない。温もりあるグルマンノートの代表、チョコレートの香りに包まれて、さぁHappy Valentine’s Day!
幼少から香水の世界に魅了され、フレグランス企業や調香師に師事した経験を基に、香りの豊かさや楽しみ方をセミナーやイベントで発信。またブランドに属さない中立的な目線で行う、個々の魅力や可能性を引き立てる香り選びのアドバイスも人気。日本調香技術普及協会理事や日本フレグランス協会常任講師として、国内の香水文化の普及と発展に尽力。
ビューティエディターとして長年、数々のフレグランス企画を担当。一昨年よりフレグランス専門知識を学べる教育機関、サンキエムソンスが手がけるフレグランスの専門知識を学ぶレッスンを受講。2025年11月日本パフューマリー協会認定のパフューマリー アドバイザーの資格を取得した。




