一口に「香水」と言っても、オードパルファムやオーデコロンなど、さまざまなタイプがある。フレグランスを大きく分けると4タイプになるが、今回は「オードトワレ」に注目。4種の違いから自分に合うタイプの選び方やまとい方まで、「オードトワレ」の基本をフレグランスアドバイザーのMAHOさんに聞いた。
一口に「香水」と言っても、オードパルファムやオーデコロンなど、さまざまなタイプがある。フレグランスを大きく分けると4タイプになるが、今回は「オードトワレ」に注目。4種の違いから自分に合うタイプの選び方やまとい方まで、「オードトワレ」の基本をフレグランスアドバイザーのMAHOさんに聞いた。
幼少から香水に魅了され、フレグランス業界に従事した経験を基に、セミナーやイベントで香りの楽しみ方を発信。またブランドに属さない目線で行うパーソナルアドバイスも人気。日本調香技術普及協会理事や日本フレグランス協会常任講師、大分香りの博物館香りのアンバサダーとして香水文化の普及に尽力。
1. そもそもオードトワレ(EDT)とは?
香料の濃度が全体の5〜10%である、軽やかな香水。“身だしなみの香り”として日常的に使いやすい。香りの持続時間は3〜4時間。濃度が低い分、価格も比較的手頃なことが多い。オードトワレは「Eau de Toilette」の略称として「EDT」とも表記される。
その起源は、14世紀のアルコールベースの香水。スキントナーやルームフレッシュナーといった薬用・衛生目的で使用されていた。贅沢品でありながら、現在のような“おしゃれ”のためというより、“病や悪臭から身を守るもの”の役割と考えられていたとされる。
19〜20世紀になると、香水は貴族や上流階級だけのものから、一般の人々の生活にも徐々に浸透していく。高濃度で高価な「パルファム(エクストレともいう)」から、幅広い層の日常に適した濃度、手に取りやすい価格帯に調整をした「オードトワレ」が誕生した。メイクアップやヘアセットと同じように、オードトワレをまとうことは身支度の一部となったことから、「身だしなみの水」という意味を持つ。
2. オードトワレと他の香水との違いをチェック
香水類は、香料の濃度=賦香率(ふこうりつ)によって、「パルファム」「オードパルファム」「オードトワレ」「オーデコロン」と大きく4種に分けられる。賦香率が高いほど持続時間も長い傾向にある。今回取り上げる「オードトワレ」は下から2番目の濃度で、4種の中では軽やかに香るタイプ。それぞれの特徴やおすすめの使用シーンを以下よりチェック。
なお、オードトワレ(Eau de Toilette)の略称として「EDT」があるように、オードパルファム(Eau de Parfum)は「EDP」、オーデコロン(Eau de Cologne)は「EDC」という略称も使われている。
3. オードトワレの正しい付け方
香水は、付け方によって、大きく印象が変わるもの。せっかくの香りが“付け過ぎ”にならないよう、適切な量や場所、タイミングを知っておきたい。
① オードトワレを付けるのにおすすめの場所・タイミング
着替えの際、服を着る前にウエストの左右、ショルダーラインの左右へ1プッシュずつスプレーする。フレグランスを霧状にまとえるよう、20cmほど離したところから香りを受けることがポイント。衣類の下でやわらかく香りに包まれる。
② オードトワレを付けないほうがいい場所・タイミング
満員の通勤電車に乗る際や、人との距離が近くなりがちなオフィス環境の場合には、首筋などへ付けるのはおすすめしない。オードトワレは香りが広がりやすいため、そのような状況では、次のようなひと工夫を。
上半身に付ける場合は、香りが強く広がり過ぎないよう、洋服の下にまとうのがおすすめ。着替えの際に左右のショルダーラインへ、霧が舞い落ちるように離したところからスプレーする程度がちょうど良い。
③ オードトワレを服の下にまとうメリットは?
香りが広がりやすいオードトワレは、洋服というレイヤーを間に入れることで、ふんわりと漂わせることができる。ジャケットを脱いだり、動きがあるタイミングで微かに香る程度にチューニングできるのが、魅力の一つ。
また、エレベーター内や電車内などの密閉空間で強く香ってしまうことや、ピアスやネックレスに香りが付着することも防げる。加えて、スプレーした場所が直射日光に当たらず、肌への刺激を軽減できることもメリットとして挙げられる。
④ オードトワレの適量は何プッシュ?
合計4プッシュほど。洋服を着る前に左右のウエスト、左右のショルダーラインへ1プッシュずつスプレーする。霧状でまとえるよう、20cmほど離したところからスプレーすることも忘れずに。
⑤ 日中にオードトワレを付け直す場所・タイミング
香りのリタッチは、ランチ後などのタイミングに。仕事中であれば、膝の裏側や足首(アキレス腱の辺り)へ1プッシュずつ。膝の裏側は動きによって香るが、周囲や自分の鼻からは距離があるため、ソフトな立ち昇りを感じられる。香りを楽しめる環境であれば、肘の内側あたりにまとうのもおすすめ。
⑥ オードトワレを付ける際に気を付けたいこと
オードトワレであっても、気温が高い季節や甘めのフローラルタイプ、重めのオリエンタルタイプの場合は香りが目立ちやすい。そのため、下半身を中心としたウエストのサイドと膝の裏側だけでも十分。大切なのは、個々の製品の香りのタイプや持続性(賦香率だけで判断せず)を知った上で、TPOごとに加減すること。
4. オードトワレの保管方法・長持ちさせるコツ
高温多湿や直射日光を避け、温度変化が少ない場所で保管することが大切。しばらく使用しない製品は、ノズルの穴をティッシュなどで拭いてから保管するのがおすすめ。開け閉めの少ない引き出しなどに入れておくと、開封してから2〜3年は状態を維持できるとされる。
5. 失敗しないオードトワレの選び方
香水を購入するときに悩むのは、「どんな香りが自分に合うのか?」ということ。香調の変化を確認したり、肌の上での香り方を試すなど、フレグランス選びのポイントを聞いた。
コツ①:自分だけでなく、第三者の客観的な意見も聞きながら決める
オードトワレに限らず、なりたいイメージや、TPOに合うかどうかを念頭に置いて香りを選ぶ。友人や家族、アドバイザーなど、第三者に相談しながら探すと失敗が少ない。
コツ②:第一印象で決めない! 香りの変化(トップ・ミドル・ラスト)を知る
香りは少しずつ変化するものがほとんど。そのため、段階的に試香することが大切。まずは、トップノートのフレッシュさをチェック。スプレーしたてで目立つアルコールや柑橘の刺激臭を軽く飛ばした状態は、試香紙(ムエット)を振るとスピーディに確認できる。その後、全ての香料がバランスよく香るミドルノートをチェックする。この時点で気に入りそうであれば、自分の肌にのせて、ラストノートを確認する。
コツ③:気に入りそうな香りは、自分の肌で試してみる
各々の体温や体臭で、ムエットで嗅いだ状態とは違う香りになることもある。そのため、気に入りそうであれば肘の内側へスプレーを。自分の肌に乗せたときの香りや、肌に残るラストノートの変化を確認しておくと安心。
その際も、アルコールや柑橘の刺激臭を軽く飛ばした後に、肌に鼻を近づけ過ぎないように、漂っている香りを確認する。
コツ④:「どんな自分になりたいか?」で香りの系統を選ぶ
オードトワレに限らず、香りの系統と印象は、下記のように結びつくことが多い。ただし、同じ系統の範疇でも香りの強度などで印象が異なることもあるため、一概には言えない。あくまでも参考としてチェックして。
●フルーティ系
:キュート、ガーリー、明るい印象
●フローラル系
:優しい、フェミニンな印象
●パウダリック系
:上品、クラシカルな印象
●ムスク系
:穏やか、控えめ、またはセンシュアルな印象
●スイート系やオリエンタル系
:セクシー、自信に溢れる印象
●スパイシー系
:個性的、エキゾティックな印象
●シプレ・レザー系
:ファッショナブル、ミステリアスな印象
●ウッディ系
:落ち着いた、知的な、またはナチュラルな印象
●グリーン・ハーバル系
:アクティブ、凛々しい、マニッシュ、またはナチュラルな印象
●フレッシュ系(シトラスやアクアティック含む)
:爽やか、フレンドリー、スポーティ、またはナチュラルな印象
6. オードトワレ初心者も手に取りやすい香水10選
フローラルノートから石鹸のような香り、ウッディ系まで。これまでにSPURのさまざまな企画の中でご紹介した、ビギナーも挑戦しやすい香りをリストアップ。気になる製品があるか、参考にしてみて。
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7. オードトワレに関するQ&A
特徴や選び方、さまざまな製品を知り、「いざ使ってみよう!」と思うと、気になるあれこれ。最後に、本文中では触れられていなかった、オードトワレにまつわる疑問をMAHOさんに伺った。
Q1. スプレーした後は、擦り合わせて良いのでしょうか?
付けた香りを擦り合わせるのはおすすめしません。適切な距離(20cmほど離れたところ)からスプレーすると肌が濡れることはないので、擦らず済みますよ。
Q2. 持ち歩きたい場合はどうすればいいですか?
市販のアトマイザーに詰め替えてみてください。携帯しやすく、出先でも付け直しやすいのでおすすめです。
Q3. 使用期限はありますか?
トップノートの香りだちにウエイトに重きを置いているオードトワレは、フレッシュな香りを楽しみたい香水。そのため、開封したら1〜2年で、未開封であれば3年で使い切るのが理想です。
知っているようで知らなかった、オードトワレの特徴や、他の香水タイプとの違い。改めて知識に触れることで、気分にフィットするフレグランス選びをできるはず。まとい方やリタッチ方法なども参考に、自分らしく香りを楽しんで。












