【最終回】「ドラァグクイーンのようにメイクを楽しむテクニックを教えて!」
“整形級”激変メイクで注目を集め、独自のメイクテクニックとファッションセンス、インスタライブで見せる素の表情や愛あるメッセージでファンを増やす美容クリエイター、GYUTAEさん。さまざまな困難を乗り越えて、自信のある今を掴みとったGYUTAEさんが、みなさんの美容とそこに付随するメンタルの悩みに答えてきた本連載の最終回は、「大好きなドラァグクィーンのメンタリティをこっそりメイクに落とし込んでみたい」というリクエストに向き合います。
【お悩み】「ドラァグクィーンが大好き! 彼女たちのメンタリティを落とし込んだメイクアップを楽しむとしたら?」
「先日、ドラァグクイーンのパフォーマンスライブイベント『WERQ THE WORLD』でGYUTAEさんをお見かけしました! 世界トップクラスのドラァグクィーンたちに負けない美しさに感動……。クィーンのメイクアップよりもリアルながらも、ファッショナブルで華やかなGYUTAEさんのメイクアップに憧れています。また、ドラァグクィーンも大好きで、あのようなメイクアップにも挑戦したいのですが、初心者にはまだまだハードルが高い。クイーンのメンタリティをこっそり化粧に落とし込むとしたら、そのポイントはどこでしょうか?」 (20代女性・学生)
【GYUTAEさんのアドバイス】「カットクリース風のダブルラインで”鋼メンタル”を内に秘めた立体アイメイクを楽しんで」
「僕も昔からドラァグクィーンが大好きで、毎回14人くらいのメンバーが優勝を目指して頑張るアメリカのテレビ番組『ル・ポールのドラァグレース』は全シーズン見ています。美しく華やかな世界の裏側に、切なく苦しいそれぞれの人生があって、家庭内暴力や貧困、差別など今の社会が抱える問題が描かれているんです。逆境を跳ね返して自分を愛そうとする、人の目を気にせず自分がしたいことを貫くクィーンの姿を描いている作品が『ル・ポール』。僕は特にシーズン#8、#9、#10が好きで、何度見ても泣いてしまうほど。誰でもきっと自分と重なり、共感できるようなシーンがあるはずだから、機会があったらぜひ見てほしい。今回の相談者さんが素敵なのは、ドラァグクィーンの表面的な美しさだけじゃなくメンタリティにも魅力を感じているところ。“クイーンのメンタリティを化粧に落とし込むとしたら”って表現、文才ありすぎ! 痺れました! そして本題の、ドラァグクィーンのメイクをリアルに落とし込むならどうすれば? という質問ですが、やっぱりカットクリースが必要不可欠だと思います。カットクリースとは濃いカラーと明るいカラーでまぶたのくぼみを強調して疑似二重線を作るメイクテクニックで、彫りが深く立体的な目もとを演出する手法です。クイーンの皆さん並みのカットクリースは少しハードルが高いかもしれないので、カットクリース風ダブルラインなら、パーティ未満のちょっとした集まりにも使えるんじゃないかな。メリハリがそこまで出ないので、普段のメイクアップにも馴染ませやすいと思います。求心力の強い目力で、クイーン並みの”鋼メンタル”を演出して楽しんでみてね」
★カットクリースのテクニック:コントラストの強い2色で作る、大胆な二重線
「まずは濃いめのアイシャドウを使い、鼻筋から眉頭の下につなげ、自分でイメージする二重幅の外側に広げます。次に限りなく白に近い明るさのコンシーラーや、マットな白のハイライトカラーを、目頭から二重幅の内側にしっかりオン。コントラストが強いほど、美しいカットクリースが完成。絵を描くようにブラシを何度も往復させて大胆に発色させるのがコツです。さらに、ドラァグクイーンぽさを演出するなら、濃密なつけまつ毛も欠かせません。M・A・Cやメイクアップフォーエバーに、ドラマティックなアイラッシュが揃っているので、チェックしてみて。綺麗なまつ毛のない僕は海外仕様のアイラッシュを購入し、自分好みにカスタムして2枚重ねしています」