ハイライトとシェーディングで顔、激変【小田切ヒロの美人は化け学 VOL.2】

ハイライトとシェーディングで顔、激変

シャドウで骨格をつくり光で潤い感をプラス

ヒロ 突然ですが、問題です! 顔を立体的に見せつつ、ファッション的にもバランスよく見せたいとき、大切なのはハイライト? それともシェーディング?
タカシバ えっと、二択の問題だよね。どっちなんだろう?
マブニ どっちも大切な気がするけど、私はハイライト派かな。
ヒロ 確かに両方とも大切ですが、垢抜けモードなポイントは、シェーディングで骨格を際立たせること。ハイライトは潤い感を演出する程度に、ごく少量。逆にハイライトをメインにすると、コンサバになっちゃうんですよ。
タカシバ そうなんだ~、わかりやすい! でもシェーディングって加減が難しくて、「いかにも塗ってます」って感じになりそうで。
ヒロ 大丈夫。すっごく自然なのに、びっくりするほど変わる方法、タカシバさんのお顔で実践してみましょう。使う製品はアディクションのチーク スティックのいちばん暗い色。今をときめくエラ・バリンスカみたいにシュッとしたいから、耳の前から頰骨の下に沿ってスーッと一本線。エラ部分からあご先まで長~く一本。さらにフェイスラインに沿って、下あご骨の裏側をなぞるようにもう一本、線を引きます。あとはその線をスポンジでぼかすだけ。

ハイライトとシェーディングで顔、激変【小の画像_1
チーク スティック 13 アルガンツリー¥2,800/ADDICTION BEAUTY

肌が乾燥しがちな大人の女性は、 シェーディングもハイライトもクリームやスティックなど適度な油分を含む、練りタイプを選ぶのがポイント。口紅のようなルックスのチークは入れる位置をコントロールしやすく、 シェーディングにも活躍。ノンパールでギラつかず、自然な影に徹してくれる。

マブニ おおーっ! タカシバさん、急に顔が締まりましたね!
タカシバ 本当だー! でも自然で、変なメイク感もないね。ちなみにぼかすのって、指でもOK?
ヒロ いや、指だとムラになったり、肌との境目が残りやすいんですよ。スポンジはぼかすときに少し色を吸ってしまうので、あらかじめ色を多めに塗っておくと、ちょうどイイ感じに仕上がります。
タカシバ なるほど、納得。
ヒロ お次はクレ・ド・ポー ボーテのコンシーラー。タカシバさんには、口をタコさんみたいにすぼめてもらって、口の横から斜め上に向かって一本線を入れます。先ほどの頰の、シェーディングラインのすぐ下くらいの場所ね。ハイ&ローのコントラストで、もっとメリハリアップ! そして口角の下側にもスッスッと。

ハイライトとシェーディングで顔、激変【小の画像_2
コレクチュールエクラプールレジュー全4色 ¥6,000/クレ・ド・ポー ボーテ

肌と一体化するように密着し、時間がたってもヨレず乾かず。動きが多い目もとや口もとにも使いやすい。くすみ飛ばしには明るめの色を選びがちだが、モードな顔をつくるときには、自分の肌にピタリと合う色を選ぶこと。

マブニ あれ!? タカシバさん、いきなり口角が上がりましたけど! 唇もプリッとした感じ。
ヒロ でしょ。口角の影が消えて、リフトアップして見えるんです。
マブニ いいなー、私もやってみよう。口角から下唇のアウトラインに沿って、1㎝くらい入れればいいんですよね(イラスト参照)。
タカシバ マブニさんも口角上がったよ! ご機嫌に見える~。
ヒロ さて、最後は潤いハイライトのイヴ・サンローランの太めスティック。これは鼻根(両目の間のいちばん低くなっているところ)に入れて、目頭の下に向かってトントンとぼかします。

ハイライトとシェーディングで顔、激変【小の画像_3
ラディアント タッチ シマー スティック 1 ¥6,000/イヴ・サンローラン・ボーテ

多面的な構造のシマーパールが内側からにじみ出るような光を演出。鼻根に潤いハイライトを入れるときは指にとって、トントンと置くように。広範囲にぼかしすぎず、目頭の横まで光の帯を入れるように軽くなじませる。

タカシバ えっ、ハイライトって普通、顔の高い部分に入れない?
ヒロ ふふふ、あえてココに光を入れることで目鼻立ちがグッと引き立つし、内側からあふれ出るような潤い感も表現できるんですよ。
マブニ よし、明日からは頰じゃなくて鼻根に光を入れて、モードなおしゃれ顔になりましょう!

(イラスト右から)
スタイリスト タカシバ
周りの人から、肌がツルンときれいになったと好評! 隠しコンシーラーとハイライトがきいているのかも。

ヘアメイクアップアーティスト 小田切ヒロ〈LA DONNA〉
男性にとっては、フェイスラインを囲むヒゲが天然のシェーディング。引き締め&小顔効果が絶大!

ライター マブニ
輪郭のシェーディングをまねしたら、広くぼかしすぎ、残念なくすみ顔に。口角の影消しは即マスター。

SOURCE:SPUR2020年5月号「小田切ヒロの美人は化け学」
illustration: Hitoshi Kuroki〈vision track〉 text: Kozue Mabuni

FEATURE