【料理家 にこまおさん】美味しく食べることで整える、5つの“ダイエットレシピ”

年末年始は、気付かぬうちに食べ過ぎ、飲み過ぎてしまうことも多く、おいしい日々が続いてしまいがち。そんなときは翌日に自炊で調整するという方法で乗り切りたい!

「減らすのではなく、食べながら整える」と教えてくれたのは、元フィギュアスケーターの料理家にこまおさん。簡単でヘルシー、身体にやさしいレシピが人気のにこまおさんに、“食べ過ぎリセット”の考え方と、ヘルシーをかなえる“ダイエットレシピ”を教えてもらった。

年末年始は、気付かぬうちに食べ過ぎ、飲み過ぎてしまうことも多く、おいしい日々が続いてしまいがち。そんなときは翌日に自炊で調整するという方法で乗り切りたい!

「減らすのではなく、食べながら整える」と教えてくれたのは、元フィギュアスケーターの料理家にこまおさん。簡単でヘルシー、身体にやさしいレシピが人気のにこまおさんに、“食べ過ぎリセット”の考え方と、ヘルシーをかなえる“ダイエットレシピ”を教えてもらった。

1. 豆腐としらすの白和え

食べ過ぎてしまった翌日や外食や飲み会の予定がある日の調整にぴったりなのが「豆腐としらすの白和え」。コンビニでも揃えられる食材で、たんぱく質もきちんと摂れるうれしい一品に。

豆腐としらすの白和え

「食べたものを燃焼させるためにも、代謝を落とさないことが大切です。そのためにたんぱく質を積極的に摂るようにしています。良質なたんぱく質が豊富で、低カロリーながらも満腹感が得られる豆腐は、食べながらリセットしたいときの優秀食材。

韓国のりやごまで食感を加えてもおいしいですよ。しらすがないときはツナ缶で代用しても◎。夜に飲み会があり、お昼を軽く整えたいときなどの置き換えメニューとして取り入れています」

副菜
WHAT TO USE
  • 絹豆腐

    300g(小分けパック2個)

  • しらす

    40g

  • ★ごま油

    小さじ2

  • ★塩

    小さじ1/3

  • ★白ごま

    適量

RECIPE
  1. 絹豆腐はペーパーに包み30分水切りする
  2. ボウルに、絹豆腐、しらす、★を加え、豆腐をざっくりとくずしながら和える

〈ポイント&アレンジ〉
・豆腐の水切りはしっかりと
・韓国海苔や小ネギ追加もおすすめ
・玄米ごはんの上にのせ、豆腐丼として楽しむのも◎

2. 大根とサーモンのディルマリネ

年末年始のお休みは、家でお酒を楽しむ時間が増える人も多いはず。そんな晩酌の時間を楽しみながら、食べ過ぎリセットも叶えてくれるのがこのマリネ。

大根とサーモンのディルマリネ

「食物繊維が豊富な大根は、食べ過ぎた後のむくみ解消に効果的。一緒に合わせたサーモンは、良質な油(オメガ3)とたんぱく質が豊富です。香りのいいディルを加えることで、塩分控えめでも味の満足感が出ます。大根の食感によってよく噛むことで満腹感が得られ、“ドカ食い”防止にもつながります。ディルの代わりに大葉を使ってもいいですし、きゅうりやセロリを追加して食感と食物繊維をプラスするのもおすすめ。

良質な油は肌や腸の潤いを保ってくれるので、適度に摂取するといいですよ。オリーブオイル、えごま油、太白ごま油など、精製度が低い油を選ぶことが多いです」

副菜
WHAT TO USE
  • 大根

    250g

  • スモークサーモン

    60g

  • ディル

    3〜4枝

  • 小さじ1/2

  • ★ゆず果汁またはレモン汁

    大さじ1

  • ★オリーブオイル

    大さじ1

RECIPE
  1. 大根は薄切りにしてからいちょう切りにし、塩をまぶし塩もみする。5分〜10分おき水気をぎゅっとしぼる

  2. サーモンは食べやすい大きさに切り、ディルはざく切りにする

  3. ボウルに★を入れ混ぜ、大根とサーモン、ディルを加え和える。塩(分量外)で味を整える
     

3. 鶏肉とかぶの塩麹煮

胃腸を休ませながら、体調を立て直したいときに心強いのがスープも楽しめるやさしい煮物。塩麹の力で胃腸を整えてくれる滋味深いレシピがこちら。

鶏肉とかぶの塩麹煮

「アミノ酸が豊富な塩麹によってうま味が増すため、少ない調味料でもおいしく仕上げることができます。塩麹が持つ発酵の力で腸の調子も整いますし、酵素が肉を柔らかくしてくれます。うま味の出たスープも楽しむことで、一品でも満腹感が得られるレシピです。

カロリーが気になるときや食べ過ぎで胃腸が疲れているとき、油は控えたいもの。炒め物など油を使う料理のなかでオイル量を調整するのはなかなか大変ですが、スープや蒸し料理など油を使わない調理法を選べば無理なく減らすことができます。食材をフライパンに入れて煮るだけなので、作る気力が湧かないときでも簡単です。かぶの代わりに大根を使ったり、鶏もも肉の代わりに鶏むね肉でもおいしいですよ」

メイン
WHAT TO USE
  • 鶏もも肉

    1枚

  • かぶ

    2〜3個

  • 塩麹

    大さじ2

  • ★水

    300ml

  • ★酒

    大さじ2

  • ★昆布

    1枚(5cm四方)

  • ★しょうが

    1かけ

RECIPE
  1. 鶏もも肉を一口大に切り、塩麹をもみ込む
  2. かぶは皮をむき、4〜6等分に切る。しょうがは薄切りにする
  3. フライパンに鶏もも肉、かぶ、しょうが、★を入れ、蓋をして中火にかける
  4. 沸いたらアクをとり、弱めの中火で10分煮る。味をみて塩(分量外)で整え、器にもり、刻んだかぶの葉を適量のせる

〈おすすめ調味料〉塩麹

「鶏肉とかぶの塩麹煮」の味の要となっている塩麹は、にこまおさんおすすめの調味料のひとつ。塩の代わりに使い、デイリーに取り入れているのだそう。

【料理家 にこまおさん】美味しく食べるこの画像_4

プラス糀 生塩糀/マルコメ

「塩麹というとお肉やお魚を漬けこむイメージがありますが、実は加熱しなくても使えるんです。塩の代わりにそのまま使うのはもちろん、オイルと酢と混ぜた麹ドレッシングもおすすめです。野菜とあえるだけの塩麹漬けもおいしいです。

今の時期だとカブや大根の葉を塩麹で揉んだものをよく作っています。余り野菜のお掃除にもなるし、簡単でおいしいので箸休め的にいつも食卓に登場しています」

4. 鶏ひき肉ときのこともち麦の腸活スープ

「減らす」のではなく、「置き換えて整える」。そんな考え方でにこまおさんが取り入れているのが、このスープ。一皿でたんぱく質、食物繊維、炭水化物がそろう。食べ過ぎた日の“立て直し役”として心強い一品だ。

ベトナム風サラダ ゴイガー

「食べ過ぎた後は、身体に溜まったものを流したいので、食物繊維を積極的に摂るようにしています。よく作るのは、白米の約10倍以上の食物繊維を含むもち麦と、きのこをたっぷり入れたリセットスープです。もち麦はスープを煮込む際に一緒に入れるだけでOK。

多めに作り、スープジャーに入れてオフィスで食べたり、冷凍しておくことも可能です。柚子胡椒を入れて風味や味わいを変えるのもおすすめですよ」

メイン
WHAT TO USE
  • 鶏ももひき肉

    100g

  • まいたけ

    1パック

  • しめじ

    1/2パック

  • しょうが

    1かけ

  • もち麦

    大さじ2

  • ★水

    650ml

  • ★酒

    50ml

  • ★醤油

    大さじ1

  • ★昆布

    1枚(5cm四方)

  • 小さじ1/3

  • 小ネギ(小口切り)

    適量

RECIPE
  1. きのこは石づきを落とし、手でほぐす。しょうがはみじん切りにする

  2. 鍋に鶏ひき肉、しょうが、★を入れ強火にかける。煮立ったらアクをとり、もち麦を加え蓋をして15分煮る

  3. 昆布を取り出し、きのこを加え、蓋をして5分煮る

  4. 塩を加え、味を整えたら器に盛り、小ネギをのせる。

〈おすすめ調味料〉こだわりの塩と砂糖

「調味料は、原材料がシンプルで余計なものが足されていない甘さや旨さが自然なものを選ぶようにしています。塩は味がやわらかく料理に馴染みやすい天日塩、砂糖はコクが出て甘さがやさしいきび砂糖やてんさい糖などの茶色い砂糖を使っています」

にこまおさん愛用の天日塩ときび砂糖やてんさい糖

5. さつまいもとりんごとプルーン煮

甘いものが食べたくなるときに、罪悪感なく満たしてくれる一品としてにこまおさんが提案してくれたのがこちら。食材それぞれが持つ甘みで、甘いもの欲を満たしてくれる優しいスイーツだ。

さつまいもとりんごとプルーン煮

「どうしても甘いものが欲しくなるときってありますよね。そういうときは、甘いものを食べたい欲求を否定せず、身体が喜ぶデザートを食べるようにしています。さつまいもは体内の余分な塩分を排出させてくれるカリウムと乱れた腸を整えてくれる食物繊維が豊富で、食べ過ぎリセットに適した食材。白砂糖の甘さだと甘いもの欲が加速してしまいますが、食材由来の甘さで調味するので優しく脳と身体を満たしてくれます。

鍋で材料を入れて煮るだけなのですごく手軽。可愛い小皿に盛り付けるのがお気に入りです。温かいままはもちろん、冷やしてもおいしく食べられます。たんぱく質が豊富なギリシャヨーグルトを添えて朝食にするのもいいですね」

スイーツ
WHAT TO USE
  • さつまいも

    中1本(250g)

  • りんご

    1個

  • 種ぬきプルーン

    8個

  • ★水

    100ml

  • ★はちみつ

    大さじ1

RECIPE
  1. さつまいもを1cm弱の輪切りにし、5分ほど水にさらす
  2. りんごはくし切りにし、さらに3〜4mmの薄切りにする
  3. 鍋に水気を切ったさつまいも、りんご、プルーンの順に重ね入れ、★を入れ、蓋をして中火にかける
  4. 煮立ったら弱火にし、さつまいもがやわらかくなるまで10〜15分煮る

【にこまおさん的ポイント】身体は長い目で、食事を楽しみながら整えればOK

選手時代は摂食障害に悩みながら、食事との距離感を模索してきたにこまおさん。試行錯誤の末にたどり着いた「自分らしい食べ方」について、今、同じように食事に迷う人へメッセージをいただいた。

「カロリーや体重増加を気にしすぎると、不安や罪悪感がストレスになり、バランスを崩したり。反動で食べ過ぎにつながったりすることもあるので、ダイエットを意識する際にはメンタルケアも必須です。

私も現役時代は『食べちゃだめ』『食べたら太る』という考えでしたが、その結果、体調を崩してしまったことがあって……。我慢していると、食事を楽しめなくなり、心も貧しくなっていく感覚もありました。この経験からダイエットは我慢ではなく、トータルで調整することが大切なんだと気づきました。

長い目で整えるという考えにシフトしたら、食事を楽しめるようになり、心が満たされるようになったんですよね。なので、食べる予定がある日は『今日は食べる日!』と楽しんで、その前後の食事で今日ご紹介したようなレシピで置き換えたり、調理法や食材選びを工夫してメリハリをつけながら食べ過ぎリセットしていくといいと思います」

にこまおプロフィール画像
料理家にこまお

1991年東京生まれ。小学4年生でフィギュアスケートを始め、フィギュアスケートシンクロ日本代表に。競技引退後、一般企業での就業を経てヨガインストラクター、ヘルシー料理家に転身。インスタグラムの料理アカウント(@nikomao_kitchen)はフォロワー数20万人を超える。初のレシピ本『元フィギュアスケーター料理家が作る 太りたくないヘルシーレシピ』(KADOKAWA)が2022年11月に発売され、そのほか計4冊を出版。