秋冬のファッション撮影をせっせと行っています。ショールームを周り、モデルをキャスティングして、スタイリングを決め撮影する・・・その過程を重複しているうち「今年のフェミニンは、悪くないぞ?」というぼんやりした気持ちがくっきりとした輪郭をもち、確信にいたるようになりました。トレンドを牽引するのは、非常に成熟した女性観。素直に気持ちが寄り添える、おとなな雰囲気なんです。
となると普段、ウッディ系のユニセックスな香水ばかり付けている香水ワードローブにも、大幅なメンバーチェンジが必要になってきました。そこで机の奥から華々しく復活したのが、Petit Fracas。ロベールピゲの名香Fracasのライト版です。主役はシトラスとベルガモット、チュベローズ。香調はマンダリンオレンジと梨に移り変わりフルーツバスケットのムードは加速。最後にはチョコレートのかけらまでふっと香るという、非常に「女子」な香水なんですよ。でも、土台の部分にサンダルウッドととムスクが隠されているため、フワフワし過ぎない。大人でも痛々しくない、いうなればキャッキャウフフしたフルーツパーラーではなく、銀座エリアの老舗純喫茶といった趣き。
この秋は久々にスカートも履きたい気分。香りで新しいフェミニンモードを後押ししてもらおうかなとひとり思案中です。(エディターIGARASHI)