2016.04.05

#62 ラベンダーとベージュの間、ちょうどいいところ

マニキュアサーキットにおいて常に先陣を切る存在です。ADDICTIONのネイルポリッシュ。追随を許さないのが「赤み」のさじ加減。きれいに見えて、モードなのにコンサバじゃない。ギリギリの線を狙って成功している勝因のひとつが「赤系ピグメント」の計算だと思っています。

4月1日に限定6色が発売になりました。イメージは「ニューヨーカーが週末を過ごす夏のハンプトン、NEVER ENDING SUMMER」。NYに夏に出張に行くと驚くのが、夏季のみ金曜日が半ドン勤務のファッション業界人がいること。人によっては金曜日からが週末の場合もあって、オフィスに電話してももうつかまらない。木曜日ともなると皆ウキウキしてるんですよ。だって翌日から実質3連休が始まるわけですから。

さて、ADDICTIONの限定6色、ハンプトンの自然に着想した海や風の青、海岸の色も魅力的なのですが、どうしてもひとつ選ぶなら、私はまずこの色を挙げたい。069番のPark Avenue Princessです。このカラーネームを見て私が想像するのは「アップタウンの木曜日の夏の午後」なんです。クラッシーだけれど、ドレスダウンも上手なパークアヴェニューの女の子が「明日からはハンプトンだぞ」とフワフワわくわくしている感じ。赤みを秘めたラベンダー調のグレージュが、コンサバとモードの絶妙な中間点で着地しているんです。同時にそれは、マンハッタンとハンプトンをつなぐ架け橋の役目も担っている。彼女はきっとこの色をまとったまま金曜の朝、パークアベニューからハンプトンへクルマで向かい、マンハッタンの香りを残したまま海岸で素敵なブランチを取るのでしょう。そんな物語が、ボトルから伝わってくるように思うのです。

ときに週末や休日というものは、実際のそれよりも直前の高揚感のほうが楽しいことがありますよね。そんな期待や興奮が、このカラーには宿っています。おすすめです。

エディターIGARASHIプロフィール画像
エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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