ある日のオンライン打ち合わせ。画面からはみ出しそうなシンディ・ローパー的メイクアップで現れた猛者がいました。曰く「誰にも会わないし、この際はっちゃけた色で楽しんでいる」。スクリーンから放射状に広がるように、モノクロの日常にぱーっと色が付いたのがその瞬間。彩度の高い夏新色こそ今が出番、という事実に気づかせてくれたのが彼女でした。そういえば、パット・マグラスに取材したときのことばを思い出します。「メイクアップの色選びは深刻に考えすぎないほうがいい。失敗したと思ったら、拭き取ればいいだけじゃない」。
というわけで元気が出る夏新色の話。5つの精鋭を紹介させてください。
まずはゴールドパール配合の、ウコン色のリキッドアイシャドウ。アプリケーターで右、左とワイプしたあとに指でなじませます。で、10秒後に指の腹でスリスリすると、透明感をキープしながらパアッと黄金の輝きが倍増するんですよ! 温かみと辛みが共存したちょうどいいイエローは、眼差しをおしゃれ&プレイフルに演出してくれます。
オニツカタイガーがコスメティックになりました! ストライプが躍るスポーティなパッケージ、運動神経がよさそうなコラボレーション口紅の誕生です。色名はtangy orange。ぴりっとスパイスが効いたイメージですよね。妄想するなら、ターメリックがけのオレンジシロップって感じでしょうか。しっかりマットに彩る発色の良さもshuならでは。しかもこの限定シリーズ、香りがするんですよ。シトラスが弾けるトップノートが、気持ちを底上げしてくれます。
オレンジ党はネイルにも。ラメのない搾りたてのコーラルオレンジは、スタイリングのアクセントに。在宅勤務の続くなか、自分の視線に入る指先を彩るのは、とっても大切。
ukaからペディキュアカラーが発売。大地をイメージした力強いカラーは、右からインディゴブルー、サボテングリーン、マスタードイエロー、カッパー。手もととコンビカラーで選んだり、ランダムにあしらってもおしゃれです。
最後にマルチに使える最強キラキラを。板状のメタリックピグメントは、触れるとフワっとしたルースなテクスチャー。量次第でキラキラ度合も自由自在、もう「ダイヤモンドふりかけ」と呼びたい。別のアイカラーに重ねてもよし、単品でハイライトに使うのもよし。オンラインの際に使うなら、画素数を鑑みて少々「のせすぎ」でも大丈夫です!
人に会う機会は劇的に減りました。おめかししなくてはならない必要性も激減しました。それでも自分自身と、そして画面越しの誰かを「エンターテイン」させる力は、メイクアップにはあるのです。