ひとりの時間こそ、香りを選ぶ

2020年、振り返るとひとりの時間が多かった。時々出社すれば編集部は独り占め。外食がなくなったので自宅で自炊。おめかしがおざなりになるのに比例して、香水の消費量も減りました。

 以前通っていた料理店にこんな注意書きがありました。「香水をつけたお客様、お断り」。その店を予約した朝はシュッシュしないように、気を付けていたものです。通勤列車で柔軟剤の匂いに苦しんだ時期もあったので、香りは好きだけれど周囲の迷惑にならないよう、気を付けていました。

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キャンドルホルダー&選べるキャンドル(写真は「BAIES(べ)」)セット ¥20,900/diptyque<2021年1月2日限定発売)

でも人に会わない毎日なら好きな香りを存分に楽しめるではないか! そう単純に気付いて、棚に閉まっていた香水に手を伸ばしたり、香りのあれこれを再開するようになりました。例えば、フレグランスキャンドル。ディプティックの新しいコレクションは、グラフィックプリントが躍るホルダーがセットになっています。ブラックカラントの葉が香るフルーティーな人気の「べ」なら、空気を甘やかに演出。リモートワークの寂しさが紛れること間違いなし。

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タッチング フロム ア ディスタンス フューチャー メモリー ¥13,200/FIVEISM×THREE

FIVEISM×THREE初のフレグランスが発売に。オンライン発表会でクリエイティブディレクターのRIEさんはこんなふうに語りました。

「いつか他の惑星を旅する日が来ると思うんですよ。人類が知らない惑星に行っても、地球の良い記憶を思い出せる香りにしたいな、と思ったんですね……」

この言葉で、もう脳裏には「スターマン」とか「スペイス・オディティ」ですよ。デヴィッド・ボウイが好きなRIEさんらしいと思いました。

香りのインスピレーションはパロサント。スモーキーで気持ちが落ち着くドッシリした心地よさがあります。パロサントはRIEさんが撮影で出かけたペルーで惚れ込んだそう。実際にはオリバナムやイランイラン、白檀やシダーウッドなどが複雑に絡み合うウッディな香り立ち。香調設計はあえて100%完成させず、95%に留めました。あえて5%残した理由はというと、まとう本人のパワーや個性がその余白は完成させる、というコンセプト。それって素敵じゃないですか?

RIEさんは続けます。「一瞬一瞬が香りとともに、未来の記憶になれば嬉しいですね」

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ホリデー ディスカバリー セット ¥16,500/LE LABO

今年のホリデー、もっとも嬉しかったのがこれ。ル ラボの人気の香りがずらっと揃った限定ミニボトルセット。素敵な香りを少しずつ。長年愛用しているサンタル 33だけでなく、甘すぎないバラのローズ 31やブラックティーが軸のテ ノワール 29まで「普段ちょっと試してみたかった」な香りがそろっていて大興奮。

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ユイル・アンティーク フルール・ドランジェ・ドゥ・ベルカンヌ ¥ 6,270/オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

最後にボディオイルも、香り選びを入念に。お風呂あがりにそのままシャバシャバ付けるBULYのオイルなら、パッケージの眼福効果にも期待です。こちらは爽やかなオレンジブロッサムが弾けます。

年始年末、自宅でおこもりの人も多いはず。自分磨きの時間も、心地よさを約束する香りと一緒だったら理想ですよね。

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エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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