桜が咲きはじめましたね。日常が変わっても、春はやってきます。眠っていた植物たちが勢いよく目覚める季節、その生命力に圧倒されて、逆に落ち込むことありませんか? 特に我慢することや思いどおりにいかないことが増えているこのご時世、自然界のキラキラが眩しすぎて、思わず目を逸らしたくなる、と友人が漏らしていました。そんな日ってきっと誰にでもありますよね。
春の眩しさについていけない心にも優しく寄り添い、ほんの少しだけやる気を取り戻させてくれるのが、メイクアップの力。例えばこのチーク、ローラ メルシエのブラッシュカラー インフュージョン の11 GUAVA。限りなくヌーディで、かすかにコーラルみのある血色感だけをプラスします。元気すぎない発色とシアーな質感が、冴えない心と比例してどんよりした肌に、柔らかな温かみを与えてくれるんです。アイシャドウとして目元にふわっとのせると顔色が明るくなり、気持ちまで軽やかになるので、私はアイシャドウとしても使っています。
マスクでも隠しきれない心と肌のお疲れ感には、BISOUのマルチハイライター、ダイヤモンドグロウを。ハイライターって、ときに艶や輝きが主張しすぎて、そのテンションの高さがひとり歩きしてしまうこともあります。でもこの煌めきは本当に優しく、繊細。ダイヤモンドというより、儚いダイヤモンドダストのよう。
シルバー系のlunaを目元や頬の上にちょちょっとのせれば、くすみ感をはらい、月明かりに照らされたようにソフトな光を纏った肌に。ブラウン系のmarsはナチュラルな艶感を演出。チークとしてはもちろん、アイシャドウとして使うと、目元に生命力が宿るよう。リップスティックみたいに軽くて小さいから、こっそりポケットに入れておいても負担になりません。外出先のウインドウに自分のどんよりした顔を発見してしまった時だって、これをさっとひと塗りすれば、少しだけ前を向く気持ちが起動するのです。
唇に自然な赤みをプラスしてくれるのが、UNMIXのモイスチャー リップスティック。UNMIXはビューティクリエイター吉川康雄さんが立ち上げた待望の新ブランドです。第一弾として発売されるカラー、レッド ローズの見た目は思いきり赤ですが、実際に付けてみると“塗りました感”がなく、唇そのものが生き生きとした血色を取り戻したような仕上がりです。赤い口紅をつける時の気負いのようなものは一切必要なし。なんというか、素の自分を肯定してくれるような存在です。何も言わずにただそばにいてくれる友人のように。
キラキラの春、ひとりとり残されような気分の時は、コスメの優しい艶と血色感の力を借りてみて。ちょっと気分転換に散歩がてらお花見でもしてみようかな、と思えるくらいの元気はチャージできるかもしれません。