メイクアップサーキットは秋の新色シーズンに突入です。今年は、はっきり言ってアイパレット市場が天下一武道会。強者ばかりが揃っています。かつてこれほどまでにレベルの高い頂上決戦があっただろうか？っていうくらい。各ブランド、腕によりをかけまくって、勝負の土俵にホンモノだけを送り込んできました。なかでもフューチャー・クラシック間違いないと太鼓判を押す3品を選抜。このパレットとなら、失敗するはずがありません！
まずはルナソル。この4色に覚えのあるあなたは、去年の争奪戦に破れた悔しい思い出があるのかも？ 昨年夏に限定発売され、即完売したあのパレットが、復活を望むファンの声に応えて復刻、定番コレクションに加わるんです。右上から左下にかけての色出しはさすがベージュ系の横綱ルナソル。
右上から左下にかけての色出しはさすがベージュ系の横綱ルナソル。右下のマットなココアブラウンは、単色でまぶたにワイプ塗りするだけでミニマルビューティが完成。私自身はこの単色使いも気に入ってます。３つの鉄板色に、左上のオイルリッチな高輝度パールのクリアカラーを差し込んだ点が、勝利の変化球になりました。濡れたようなツヤが自在にコントロール可能に。左下のコッパー系ベージュゴールドも光と影に躍りながらドラマティックな眼差しを演出します。
快進撃が続くRMK、また名作が生まれます。甘辛バランスがギリギリで磨き上げられたこちらのパレット、色名「クール ロマンス」にも、膝を打ってしまいました。理由は色っぽいけど超然としている、つまり境界線上で揺れ動く今までにはない複雑なセンシュアリティを初見で感じたから。スウィートなだけじゃない、人生のあれこれをほのめかすミステリアスな曖昧カラーが、それぞれ絶妙な均衡のなかで４つのパレットに収められています。
この4色、それぞれの相性もしっかり計算されていて、重ねても濁らず、グラデーションの奥行を高めていく。マット、シマー、シャイニーと質感にもコントラストを効かせていて、可能性は無限。マットな右上のマンダリン色から微細パールがまたたく右下のシマー系の小豆色、すべてを華やげる左下のシャンパン色に右上のトープピンクまで、実は全色が甘くも、辛くもどちらでも演じられる主役色。寒暖、甘辛、モードな守備範囲の広いこのパレットは、これまでの「ベージュ系」潮流の分岐点になると感じています。
この秋、アイコニックな「サンク クルール」が生まれ変わります。ご覧ください、この美しいエンボスのアートワークを。数量限定の659番は、上品なパールがきらめくベージュ系に、ブロンジーなカーキやオレンジをセット。
右下は上品なマットブラウンで汎用性も約束。絶対的タイムレスな右側のシェードに加え、ほどよく遊びのある左側の2色をスタイリングしたピーター、さすがの采配です。特にシマーなカーキ、とっても美しく瞳の色を際立てるので、ぜひワンストローク触ってみてほしいのです。
2022年秋冬コレクションは、近年稀にみる豊作。まずはアイパレットの鉄板グループからスタートしましたが、本連載でも見逃せない新色を厳選して紹介するので乞うご期待！
おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。
