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原点に戻れる香水にめぐり会いました

ドレスアップする日も、デニムの日も、どちらもイケてしまうフレグランスと出会ってしまいました。夏の終わりに携帯サイズを購入してあっという間に「完食」、90 mlのジャンボサイズを手に入れて大満足の日々です。

香水と花
M.A. 最高の自分 ボディフレグランス 90ml ¥29,700/ドルセージャパン

このカタチ、なんだか分かりますか? エアーシューター、つまり気送菅が元ネタなんです。空気の力で書類やら手紙を管の中で移動させる、あのうつわですね。というのも店舗は郵便局がインスピレーションになっているから。

香水のお店

「素敵なものを届ける場所」というストーリーに、ここで納得。ウッディな中にもぴりっと硬質なマーブルやメタルを効かせた内装は、訪れるために思わずため息が漏れます。こんな空間に住んでみたい。

香水

リピートしているのが、「M.A. Je suis le plus grand」。直訳すれば、「いちばん背が高いのは私」になりますが、噛み砕いて「最高の自分」。M.A.というのは、アイコンのイニシャルですが、誰なのかは明るみにしていません。朝倉未来さんではなさそうです。ドルセーはそれぞれのネーミングも意味深で、店頭では商品を試しながら一体これは誰をイメージした香水なのか?妄想が止まらなくなるんです。 

バッグの中身と香水

主役はアンブロクサンと、Iso E Superという合成香料。パリのコレットでリピ買いし、長年愛用していたMolecule 01はIso E Superのシングルノートという衝撃的な処方でした。慣れ親しんでいた下地があるので「M.A. 最高の自分」に出合った瞬間、古い友人に再会したような心地よさを覚えたものです。でも、アイリスやバイオレットの花々が控えめに花開き、ホワイトムスクがキラキラした余韻を残してくれるぶんだけ、こちらのオードパルファムのほうが甘く、爽やかな色気がある。ああ、もう本当に好き。

手もとの香水
M.A. 最高の自分 ボディフレグランス 10ml ¥9,350/ドルセージャパン

慎み深いようでちゃんとそこにいて主張する、その距離感と透明感がちょうどいい。温かみのあるパウダリーとウッディのさじ加減も絶妙で、プッシュするたびに「なりたい自分」に近づけるんですよね。

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遠くかけ離れた他人ではなく、自分という世界の中でのいちばんいいところを目指せる感覚。この数か月で、このオードパルファムは、イマジナリーフレンドもしくはもうひとりの自分のような存在になりました。一筋縄ではいかない複雑さも持ち合わせていて、クセがあったり率直だったり、フツウの人が持ち合わせる様々な表情のファセットが見え隠れするところも、「うまいな……」と唸ってしまうのです。

香水コレクション
右から、イッセイ ミヤケ ロードゥ イッセイ オードパルファム、メゾン フランシス クルジャン パリのアクア ユニヴェルサリス オードトワレ、ひとつ飛んで、モレキュール 01、ル ラボのアナザー13

最後に、10代から愛用している「空気系」フレグランスを集結させてみました。どれも個性的な透明感があって、似ているようで全く違う。それぞれの甘酸っぱい思い出を、すぐれた香水は連れ戻してくれるのです。

エディターIGARASHIプロフィール画像
エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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