くちびるよ、こんにちは。それぞれの個人の事情があるので、一様に「こんにちは」とは言い切れませんが、3月13日からマスク着用が個人の判断に委ねられることになりますね。
消費変動の影響をまともに受け続けた口紅も、いよいよ13日からは、出番も増えそうですよね。まず私が手に取ったのが、桜前線の到来をセレブレートするゲランの1本。先月のパリ出張の際、ギャラリー・ラファイエットの美しい売り場でも、可憐な桜を咲かせていました。誇らしい気持ちになったのを思い出します。
高級車のドアの音をイメージしたという、開閉の際の「かちり」というサウンドもリュクスな春一番のルージュ ジェ、新しい扉が開く2023年春の記念に手に入れて、間違いなし。
パリをベースに活躍中のアーティスト、杉浦今日子さんとゲランのコラボレーションによる1本。純白レザーの上に輝くゴールドのあしらいも、薄紅色の花弁とのコントラストも、どこまでもモダンです。
パレ・ロワイヤルの縞々といえばビュランの円柱。可愛いぽこぽこが口紅になりました。というのは冗談ですが、エルメスとストライプの歴史ははるか1903年にさかのぼります。
馬用のブランケット「ロカバール」にお目見えしたのち、ジャケットや日傘、はたまたゴルバッグにも。さまざまなアイテムを彩ってきました。そして、このたび口紅ですよ。ピエール・アルディは、プレイフルにリップスティックをデコレートしました。目にも楽しいオブジェの誕生です。
SPURイチオシはブロンズを帯びたブラウン。名前は「ブラウン・ヨッティング」。
テクスチャーはつややなシャイニーです。水面の輝きを浴びながら地中海を走るヨットの爽やかなセイルが、見えてきませんか?
ああもう、美し過ぎる。アディクトが、バーガンディのオブリークに染まりました。
ちょうど同じ色のブックトートを持っているわたくし、これはそろえないわけにはいきません。
プレミアムなケースを長く使い続けるという発想、改めて素敵です。リフィル方式にすることで、温室効果ガスを36%削減しているそう。
そしてこの色名の可愛いこと。「ディオール リボン」っていうんですよ!
涼やかなペールローズが、口もとに春を運びます。6時間続くロングウェア効果とワンストロークで鮮やかに発色する塗り心地も、さすがピーター・フィリップス。
パキッとした発色で「ハロー」を後押ししてくれるのが、サンローラン。実に高濃度でピグメントが処方されていて、彩度の高い色がそのまま唇にのります。3年間で輪郭がボンヤリしてしまった私なぞ、このリッチな発色、ものすごく助かりますね。パドルみたいなアプリケーターも、狙ったアウトラインを逃がしません。
今どきリップメイクの真打ちです。2020年8月にリリースされ、「こんなのを待っていた!」と、涙目でこの手に握りしめました。マスクの付け外しはこれからも日常になるはず。その際に色を移りにくくするリップコートにどれだけ助けられたか。ツヤツヤリップをキープしてくれる守護神、どうぞこれからもよろしくおねがいします。
スポイトで指先に2、3滴。リップカラーを施した唇にまずティッシュを抑えてから、ポンポンとオンすれば、仕上がりのツヤが長持ち。
あの人、こんな顔だったんだ。3年間を経て、改めて大切なあの人に「こんにちは」の準備をするなら、まずは口紅を買いに行かなくちゃ!