
突然ですが、私が小2で転校した新しい学校の登校初日の話です。ちょうど全校集会があって子供たちが校歌を歌い始めたとき、たかが7歳の自分はえらく感動したんですよね。それまで通っていた小学校の校歌が「学び舎の」とか「清く正しく」とか、四角四面な超絶つまらない歌詞だったのに対し、ひたすら「みち」をテーマにした素敵なリリックで、学校に直接関係するボキャブラリーがほとんどない。人見知りなのに、思わず隣の男の子に言いました、「この歌、いいねぇ」と。すると彼は言うのです。「俺(オ、にアクセント)の前の学校はもっとすごいんだ」。大型公団の建設に伴った新興住宅地だったので、隣の小学校から移ってきた児童も多い学校だったのですが、そのひとりである彼が歌ってくれた歌詞に、さらに強く私の小さな心は揺さぶれました。そう、視界がウルっとしたほどに。
「教室は宇宙船/どこへだってゆける」。こんな素敵なことばから始まる校歌が、かつて東京の西の外れにありました。
おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。







