この季節のマストハブは、ポケット満載のアウターと外ポケットのあるミニバッグ。休日は、できるだけ身軽に出かけます。ウィークデイの化粧ポーチはお留守番。必要なものだけをポッケにインします。
小さなチャンスを携えて
乾燥が気になる冬こそ、手放せないのがハンドクリーム。明日発売の三つ子ちゃんなら、20mlサイズなのでモバイルにぴったりです。香りはポジティブな気分を運ぶ「チャンス」をベースに三つ。ジャスミンやパチュリにピンクペッパーが効いた元祖「チャンス」は、淡いピンク色。桜色のチューブは、グレープフルーツがジューシーに香る美味しそうな「チャンス オー タンドゥル」。シトロンがキラキラと弾ける「チャンス オー フレッシュ」は、ライムグリーンに染まって届きます。
みずみずしい質感で、すっと肌になじみます。直後のデスクワークやケータイ作業にもストレスがないのが嬉しい。なによりも前向きになれる「チャンス」のパワー!
「チャンス」が生まれたのは2003年のことでした。ガブリエル シャネルの言葉にこんなひとことがあるんです。「チャンスは、私の魂」。人生の中で誰の前にも一瞬だけ現れるのが「チャンス」、でもそれを生み出すのは自分自身だし、つかみ取るのも、自分自身。だから、それに向かって足を踏み出す勇気が必要なのだと。その精神を香りに変えたのが、三代目調香師のジャック ポルジュでした。
「ココ」に代表されるバロック系がひとつの軸を成していて、もうひとつが不動の「N°5」に始まるフローラル系。その中にあって、ウッディやスパイスを加えて強さをぴりっと際立たせた、最もコンテンポラリーで革新的な香りが「チャンス」でした。
トップ、ミドル、ラストという香りの構造を打ち崩したのが「アリュール」でしたが、「感覚の星図」と評された「チャンス」の香りの設計図もやはり斬新だったのです。当時のインタビューで、ポルジュ氏は静かにこう語りました。
「ネーミングもとても気に入っています。なぜってチャンスを身にまとう、という表現は『運を味方につける』と同じですから」「流されがちな現代社会だからこそ、より明るくて、活き活きとした気持ちが必要です」。あれから20年もの時がたった今。改めて彼の想いが、香りの精神が、シャネル チャンス クレーム マンを通して指先から、心に響きます。
5センチ弱のお守りバームは、紙パッケージ
ウカの人気バームが、小さな小さなスティックになりました。初見から惚れ込んだのが、パッケージ。必要なだけの印刷を施した紙製なんですよ。本体も100%天然由来成分で、地球にやさしい。フォーミュラの主役は、アルガンオイル。ビタミンEが豊富で、油分と水分の良バランスに働きかけます。そしてミツロウ。潤いを逃がしません。
香りは、ミントとラベンダー。爽やかにリフレッシュしたいときはミントが、気持ちをふっと緩めたいならラベンダーがおすすめ。紙に直接充填されたボディは、開封直後は凹状態になっています。ちょうどカルデラ湖のような形状。私はカドを利用して爪回りの保湿に活用させました。
リップスティック? 違うんです
ムッシュ ディオールは、オートクチュールのドレスをミニチュアサイズに縮小して、旅に持ち歩きました。芸術品でもあるコレクション、実物であれば入念な梱包はもとより、輸送にたいへんな労力を伴うけれど、ディテールを忠実に再現したミニチュアであればその魅力をアトリエ外でも充分に伝えられたのです。そのエピソードにヒントを得て誕生したのが「ミニ ミス」。
光を透過するクリアなスティックにほれぼれ。アイコニックな千鳥格子模様も美しいけれど、MISS DIORの刺しゅうを施したジャカード織りのケースにもメゾンの矜持がたっぷり。しかもこちら、リフィルが可能なんですよ。
処方はアルコールフリー。センチフォリアバラ花のロウ、ダマスクバラ花ロウを主としたローズワックスなど自然由来成分が配合されています。体温に触れてとろけるテクスチャーにこだわり、ふっと花々の香りが弾けます。
あたたかなバニラに包まれたバラの花束を思わせるミス ディオール オードゥ パルファンと、軽やかにホワイトムスクが漂うクールなブルーミング ブーケ。この香り方、さりげなくて私はとても好きですね。近くて、親密。「私の肌そのものが香りになる」ようなローズワックス体験、なによりもまとう自分に自信をくれる実感があります。
小さなお守りを味方に。新年を前向きに、力強く歩いていくささやかなヒントを「美容天竺」は発信します。どうぞご期待ください。