【ル ラボ】どこを切り取っても美しい。京のタイトルイメージ

【ル ラボ】どこを切り取っても美しい。京の町家に舞い降りた「実験室」

パリ、ソウル、ニューヨーク。銀座、青山、下北沢。そこにはラスティックな白いタイルと使い込まれて深みを帯びたウッドの什器があって、モノクロームで研ぎ澄まされた空間に足を踏み入れると「やっぱりル ラボだ、大丈夫」と安堵を覚えたものです。無機質な研究室、ではなく心地よい生活感があって、調合道具の数々にも体温がある。ゴールドリーフのウィンドウサインも共通で、街でル ラボという名前を見つけると、手持無沙汰のパーティで旧知の友人に再会したような切実な喜びを感じるわけです。

京都との邂逅、その必然

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

グローバルでほぼ同じデザインを踏襲してきたそんなル ラボが、この春、美しい化学反応を見せるというニュース。場所は、京都の木屋町通。1879年、つまり145年前に建てられた町家を舞台に、新しい香りの実験と冒険が始まります。

たとえば、外観。暖簾が訪問者を出迎えるファサードも、世界初。

 

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

調合を行うラボの一角が木造なのも、ここだけです。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

驚くほどの奥行きが、町家の魅力。見上げると、力強く梁が交差するその先から自然光が差し込みます。外観からは知りえない解放感。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

箱庭に面したラボ併設の店舗スペースにも、光がふんだんに。地階で出迎えるのは、ル ラボのすべてのラインナップ。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

壁面の商品棚の奥には、ハンドソープなどを試せるシンクも。もともと据えられていた洗面台。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家
LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

この町家、かつては酒蔵でした。商い先の控書が当時の名残を物語ります。

LE LABO CAFE KYOTO MACHIYA  ル ラボ カフェ 京都町家

箱庭の向こう側には、日本では初となるカフェ。蔵を改装した可愛い建物の正面には、「せ」の文字。かつての酒店の名前「きんせ」の「セ」が躍ります。

LE LABO CAFE KYOTO MACHIYA  ル ラボ カフェ 京都町家

レシピはヴィーガン。私が味わったのは抹茶のヴィーガンペストリー。大好きな香り「マッチャ 26」にちなんで選びました。

LE LABO CAFE KYOTO MACHIYA  ル ラボ カフェ 京都町家

カフェはテイクアウトのみ。カップにはファサードのイラストが描かれています。スタッフはソウル店と同じ素敵なエプロンをまとって。

畳の上で出合うル ラボ

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

商品を購入すると、靴を脱いで上ることのできる2階には、「調香の間」と「工匠の間」が広がります。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

前者は香りの素材が陳列された空間。歴史を刻んだ和家具にエッセンシャルオイルが静かに並びます。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家
LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

一角には、香りのインスピレーションである書籍も。ル ラボの脳内を覗くような背徳感。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

後者は職人技を伝える空間。訪ねた日には、書家の加茂学さんがゲストのためにリクエストされた文字をラベルに綴っていました。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

漢字と出会って全く違和感のない、むしろその美しさを高め合うル ラボのボトルの不思議。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

そう、何が不思議と言うならば、古都の町家にありながら、ル ラボを構成するすべての要素が、そこにずっとあったように感じられた衝撃。デザインがシンプルだから? 特定の時代性を意識していないから? それだけではないと思うのです。それは、日本の文化への理解と敬意が惜しみなく注がれているからこそ。約150年前からの躯体や息吹を残しながら時間をかけて丁寧な改装を施し、古都の文化に溶け込む風景へと導いたル ラボの、途方もない情熱と仕事に、胸が熱くなった幸せな旅となりました。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家
LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

店内には掛け軸も。地階の奥には、職人技の精神を表す「守破離」の文字。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

ル ラボのグローバル ブランド プレジデントのデボラ・ロイヤーはこんなふうに語りました。「日本の詫び寂びは、ル ラボの創造力の源泉であり続けていました。ですから、京都のこの場所に出合った感動。今でも忘れることができません」。

伝統と革新、洗練と畏敬。遠いようで互いが惹かれあい、奇跡のように交わったル ラボと町家の軌道が交わる瞬間、それだけを体感するためにも、今すぐ京都に向かって損はありません。

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家
LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家
LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家

LE LABO KYOTO MACHIYA    ル ラボ 京都町家
LE LABO CAFE KYOTO MACHIYA  ル ラボ カフェ 京都町家 
●京都府京都市中京区木屋町通四条上る2丁目下樵木町206番地 
営業時間/10:00~19:00

エディターIGARASHIプロフィール画像
エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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