15周年、未来を見据えたアベンジャーズカラーズが集結
アディクションが誕生してから今月7月で15周年。モード感も汎用性も、その両方をかなえる「クセになる」メイクアップの世界が生まれて、もう15年になるのですね。万感の思いです。この最高の瞬間を閉じ込める、エポックメイキングなパレットが、7月15日にリリースされます。
ああ、ベストヒットUSAを早回しで鑑賞しているような気分。キラキラ界のディフェンディング・チャンピオンの「マリアージュ」、もちろんあります。まるでつややかにまぶたを濡らすようなセンシュアルかつファッションなシャンパンベージュは、ご覧ください、15色のセンターに! キラキラ界の東の横綱が「マリアージュ」なら、西の横綱は「ムーン リバー」。夜空に輝く、青みを帯びたバイオレット色の「ムーン リバー」は、左上のカドに鎮座しています。この2色、2012年のザ アイシャドウのデビューから、とにかく愛され続けてきた「鬼売れ」スパークルカラーです。
定番色は、上記2色に加えてあと5色。上段センターのグレイッシュベージュ「サウザンド・フェザース」と、そして「マリアージュ」の右隣りのマットなピンクベージュ「カシミア」と、下段中央のパーリィなコーラルベージュ「タイニー シェル」。右上角のオレンジガーネットは、現存のザ アイシャドウパレット「エアルーム ジュエル」からの選抜色です。そういえば「エアルーム ジュエル」って、先祖代々で受け継ぐ宝石のことですよね。偶然にも、それって今回のテーマじゃないですか!
過去を振り返り、ベストセラーカラーだけを選出してパッキングしたわけではないのが特筆すべき点。これからの15年も見据えているという証左と覚悟が、ここにあります。
15色のうちの8色は限定新色。注目してほしいのが、上段の2色のメランジェカラー。ひとつひとつ交わり具合が違う。異なる表情が楽しめます。左側はメタリックないちごミルク色、右側はやはりメタリックなミルク紅茶のような趣。個性的な2色をシンメトリーに配したデザインにも拍手を送りたい。下段のマットな辛子色や、中段左端のパーリィな青みパープルはポップな差し色として活躍させたいし、中段右端のピンクがきらめくプリズムゴールドや、下段の左から2番目のパールブラウンは、肌なじみも抜群。
途方もない時間をかけて選び抜かれ、計算し尽くされた15色が出会った軌跡を想像するだけでも、胸がいっぱいになります。参考までに、ザ アイシャドウは単品だと¥2,200。×15と単純計算して¥33,000のところが、1/3の値段での発売です。なんという企業努力。予約はもうスタートしています、皆さんも急いで!
次の、そしてその次の世代まで。私の「孫までパレット」アワードを(勝手に)授与させていただきます。15周年、おめでとうございます。これからもどうぞよろしく。
眼差しがモードな3Dに。このベージュヌードもおしゃれだぞ
ジバンシィの3×3=9、つまりフランス語で「ヌフ」という名前を関した定番アイシャドウの12番。5月に発売になったばかりの最新色が、秀逸です。質感は4つ。グリッター、メタリックにサテン、そしてマットの4つのテクスチャー。グラデーションで織りなす立体感、驚くほどナチュラルで涼やかかつ知的な仕上がり、必見です。
付属の2本のブラシも優秀。毛足の長いタイプと平筆タイプで、ぼかしや締め色も自由自在。美容専門誌で、ベスコスに輝いているのにも納得です。
RMKの秋コレクションのフェイスパレットで「素肌の延長」コントゥアリングを
こちらは秋新色からのご紹介。使うごとに「さすがアーティストブランド、さじ加減を分かってる!」と感動しているフェイスパレットです。
白状すると初見、自分には弱いと思ったんです。メリハリを演出するには、薄すぎると。敬愛するケヴィン・オークイン先生のドキュメンタリーを見直していたこともあり、コントゥアはこうでなきゃね!と、自然光が一切入らないほの暗い洗面所で、鼻息荒くダークチョコ色の影色で輪郭を削り、慌てて出かけた週末のバス旅行。並んで座った先輩の、「今日のそれ、聖飢魔Ⅱってこと? 狙ってるんならいいんだけどさ」という一言で目が覚めましたよね。ブレンディングが甘かったこともありますが、そもそも地色とのコントラストが激し過ぎた計算ミスに、遅ればせながら気づいたんです。
オークルニュアンスのカラーシェードです。左から、コントゥアリングカラーのあたたかなトープ、そしてチークカラーのピーチコーラル。上下になっているのは、上がハイライトのキラキラローズベージュで、下はシェーディングカラーのモカトープ。このシェーディング色、鼻柱の凸の隆起に向けて、目頭からセンターに向かいグラデーションを描くようにサッサッとはたくと、スーパーナチュラルな影が生まれるんですよ。ノーズシャドウは、顔に対して鼻柱をなぞりながら上下にがっつりマークするものだと勘違いしていた自分には、目からうろこでした。右端は、ハイライトカラー。レッド、ホワイト、ゴールドの3色の微細パールが配合されていて、体温を感じさせるハニー色です。
リキッドファンデーションは顔の中心をメインに、カバーが必要な場所にだけ「不均一」に、ごく薄くのせるのがポイント。顔の外郭部分は左端のコントゥアリングカラーを広くまとわせ、鼻筋や涙袋の影にはシェーディングカラーで立体感を演出。笑ったときに高く盛り上がる頬部分にチークカラーをONしたら、そのひとつ上の高い部分や唇のキューピッドボウ、鼻柱の真ん中部分、そして眉骨にハイライトカラーを。最後に、キラキラローズベージュを目頭と涙袋の凸部分にブラシで差せば、究極に上品なモダンコントゥアが仕上がります。仕上がりの上品な完成度に、心底感動。
陰影が「素肌の延長」なんですよ。消して薄味ではなどではなかった、この色計算は天才。クリエイティブ ディレクターのYUKIさん、良い仕事をまたまたありがとう。
イマジナリー・孫に自信をもって伝承したいベスト・パレット。マストバイです。