今年の夏は、暑かった。9月に入っても暑かった。しぶとく湿気と熱気は居座るようだけれど、次の週末には30℃を切るという予報を耳に、フレグランスも秋準備。

【ロエベ】【ディオール】【ル ラボ】夏ののタイトルイメージ

【ロエベ】【ディオール】【ル ラボ】夏の終わり、香水を衣替えするならば

今年の夏は、暑かった。9月に入っても暑かった。しぶとく湿気と熱気は居座るようだけれど、次の週末には30℃を切るという予報を耳に、フレグランスも秋準備。

ミネラルでフルーティ。ロエベの「アース」最新作が、秋の始まりにちょうどいい

LOEWE Earth Elixir  オードゥ パルファン ‘’ロエベ アース エリクシール’’
パッケージにはアーティチョークのような植物を、がくから見た画が。大地のパワーをセレブレートするLOEWE Earthシリーズにふさわしい、シンプルで強いアートワーク。LOEWE Earth Elixir (オードゥ パルファン ‘’ロエベ アース エリクシール’’)50ml ¥ 23,430

この夏、海に行きましたか? 私は海辺に行く機会が2回ありました。庄内から臨む日本海と、ポルトガルから見渡す大西洋。ともに盛夏だったので潮の香りも元気モリモリ、熱量も充分でした。季節は巡り、9月も中盤を超え、夏の終わりの波打ち際にぴったりのフレグランスと出会いまして。それがロエベのアース エリクシールです。

LOEWE Earth Elixir  オードゥ パルファン ‘’ロエベ アース エリクシール’’
キャップは木製。テーブルなどの木材としても使われるウェンジの木でできています

既存の香りのロエベ アースより、高濃度のエッセンシャルオイルが配合された「濃い口」バージョンです。濃度はアップしたけれど、青々しい洋ナシの幕開けは爽やか。同時にウードの主張と、トリュフのグルマンな味わいを遠くに感じます。その馥郁としたリッチ感がエリクシールの魅力。続く中盤に、エレミ樹脂のスパイシーでウッディな渋みが追いかけてくるのですが、不思議なミネラル感や土っぽさそしてシーソルトのような余韻があって、潮風の名残を連想するんですよね。海水浴を楽しむ人たちで賑わったあとの、誰もいなくなった渚が、脳裏に浮かびました。

LOEWE Earth Elixir  オードゥ パルファン ‘’ロエベ アース エリクシール’’
ピンクから紫にグラデーションを描く、モーブ色のボトルも雰囲気たっぷり 

濃度が高まったのと相対的に、熱気が過ぎ去った夏の終わりにふさわしいフレグランスだと感じています。ミドルに仕込まれたミモザとスミレがほどよい華を添えて、力強いけれどやさしいドライダウンを演出。そして、香りの持続力も充分。とにかく暑かった夏の思い出を反芻しながら、新しい季節に向かっていく移行期の今こそ、爽やかで少し「しょっぱい」香りがぴったりだと思うんです。

ディオールの「グレー」が深く、モダンに進化

グリ ディオール エスプリ ドゥ パルファン
グリ ディオール エスプリ ドゥ パルファン 80ml ¥57,420

ディオールのグレーを表現するとき、私は「ハトの首筋あたりの色!」と説明しています。孤高の品格があるけれど、冷たくないグレー。深みとあたたかみのあるグレー。グランヴィルの生家やアヴェニュー・モンテーニュのブティックのファサードを彩った、メゾンを代表するシグニチャー・カラーを冠した香り「グリ ディオール」に、フランシス・クルジャンが挑みました。

グリ ディオール エスプリ ドゥ パルファン
クルジャン氏本人は「より深い濃淡のグレーに仕上がった」と語っています 

インハウスの調香師の役割には、時代の試練に負けないように既存の香りを刷新させる、という大仕事も含まれます。「メゾン クリスチャン ディオール エスプリ ドゥ パルファン」という新シリーズで、パフューム クリエイション ディレクターのフランシス・クルジャンは、すでに完成している5つのディオールの香りに、現代的なミニマリズムの哲学を軸に再解釈を加えました。

オークモス+シスタスラブラタム+ベルガモット。シプレを成すのはこれらだけれど、シプレアコードにあって、甘み際立つ、パワフルなシプレフローラルとして進化しています。バラの輪郭をくっきり際立たせた印象。甘みがあるけれど、より骨太なんですよ。オリジナルのキラキラとした軽やかさを、モダンで色っぽい重厚感に置き換えた、そんなイメージです。

グリ ディオール エスプリ ドゥ パルファン
秋の夜のお出かけを盛り上げてくれそうなアンバーウッディトーン

チャウヌさんが白のラベルの既存の「グリ ディオール」を愛用しているけれど、こちらの黒のラベルのバージョンも、もちろん男性が付けても素敵。エレガントなブルガリアンローズがきりっと語り掛ける一方で、インドネシア産パチョリ×アトラス産シダーのブレンドにより、まろやかなウッディの香り立ちが身体を包み込む――初秋の澄んだ空気に似合いそうな、かっこよくて贅沢なシプレフローラルが完成しました。

9月末まで!今だけの都市限定パッケージを見逃すな!

ルラボ CITY EXCLUSIVE DISCOVERY SET
ルラボ CITY EXCLUSIVE DISCOVERY SET ¥8,250

ルラボにとって9月が特別な月だということ、知っていますか? 

ルラボ CITY EXCLUSIVE DISCOVERY SET
各1.5mlの東京の「ガイアック 10」、パリの「ヴァニーユ 44」、マイアミの「タバ 28」、メキシコシティの「コリアンドル 39」に「セドラ 37」が収められた5本セット。名前やメッセージの外箱印字サービスも

大人気の「ガイアック」をはじめとしたその都市限定の特別香りが、今月だけは購入できるんですよ。香水との相性って、とてもデリケート。だからトライアルサイズを手に入れて、普段の生活のなかで「お見合い」してみるのは大切です。おすすめは5都市の1.5mlボトルをパッキングしたトライアルセット

ルラボ CITY EXCLUSIVE DISCOVERY SET
1.5mlサイズはモバイル性も抜群

日が暮れて、多少は蒸し暑さから解放された夜につけてみて、すっかりクセになったのがベルリンの「セドラ 37」。コルシカ島のフルーツ、セドラにジンジャーをブレンドした、ぴりっと爽やかな香り立ちです。透明感あふれる香りなので、気温の高い季節ももちろんOK。清涼感を約束します。でも、この香り、初秋の風にも心地よいモードなスパイスを運んでくれるんですよね。

ルラボ CITY EXCLUSIVE DISCOVERY SET
大人気のガイアックも1.5mlからトライできます。このセットで世界一周気分!

1989年、ベルリンの壁の崩壊を目の当たりにしました。胸が波立つような緊張感と、自由を希求する高揚感。あのときベルリンで感じたざわめきが、一瞬にして蘇りました。フレグランスって、やっぱり不思議です。

気持ちをスイッチするきっかけとしての、香水の衣替え。皆さんの秋のフレグランス支度も、ぜひ聞いてみたいです。

エディターIGARASHIプロフィール画像
エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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