エルメスに、子どもも使えるフレグランスがあるんです

3歳以上のお子さんにも、そしてもちろん私たちにも

エルメスの専属調香師、クリスティーヌ・ナジェル。エルメス初の子どもと、我々おとなのために誕生させたフレグランスの主演役として、スイカズラに白羽の矢を立てたのは、きっとこの花だけがもつみずみずしいきらめきに彼女が魅せられたからに違いありません。

湿気のある森の中で、可憐で甘やかな風を運ぶスイカズラ。その相手役に、彼女が選んだのは高潔で静謐なサンダルウッドでした。透明感あふれるフローラルと、それを静かに抱きとめるウッディな白檀。さらに金木犀、すなわちオスマンサスもブレンドされているとのことなのですが、個人的にはあまりその気配を感じません。山の尾根を駆け抜けるひとすじの風のように、フレッシュな香り立ちはどこまでもやさしくて、透明です。

３歳以上のお子さんでも使えるように、アルコールを含みません。背伸びをして香りをまとう、小さな人たちのためでもあるのと同時に、子供時代のイノセンスを呼び起こす「タイムマシン」でもある。それこそが、カブリオルの魅力と断言できます。

ややこしさや計算高さとは一切無縁の、シンプルでやさしいフローラルは、無垢な子供時代へのタイムトラベルへとまとう人をいざないます。時間を超えて、心をジャンプさせてくれる―そう、スリットの側面に描かれたふたりのように！

子どもと子馬が、ともに跳ね回るイラストも最高です

ちょうどパリのグランパレでは馬術のジャンプ競技大会が開かれているようですが、カブリオルという名前は馬が飛び跳ねる馬術のひとつ。それは、子どもがはしゃいで飛び上がる所作ともつながります。その無邪気な姿が生き生きと描かれているのが、外装箱のスリット。

ベビーとの尺度から計算して成馬ではなく、子馬ちゃんだと推察。このイラストだけで、胸がキュンキュンに躍るんですよ！ ふたりは、きっと信頼を深めながら共に成長していくことでしょう……！ 描いたのは、アリス・シャルバン。

彼女の作品はタオル地のカレのモチーフとしてもあしらわれています。馬の背中で逆立ちしたり、片足立ちしてみたり、最後は一緒にすやすやとお昼寝。ペアになって並んで咲くスイカズラの花のように、寄り添う親友の姿に、なんだかうるっときてしまうのです。

裏技として、ベッドリネンにひと吹き

慎み深くて穏やかで、可愛くてやさしい。ひとりの時間、それも特別に忙しかった一日の終わりにもふさわしいフローラルの、私的な使い方はこうです。

無印良品の麻の枕カバーを愛用しているのですが、その端に、距離を置いてそっとワンプッシュ。

押しつけがましさのない、みずみずしい風のような香りだからこそ、反省しながら記憶を洗い流すのにぴったり。脳内をニュートラルギアにかちっと戻しながら、夢の中へと華麗にジャンプ。

というわけで、お子さまじゃなくてもいいんです。むしろ大人にこそ、年度末でちょっと疲れているかもしれない同年代の友人にこそ触れてほしいカブリオル。３月のギフトに、どうですか？