いよいよ明日から7月。すでに幾日もの真夏日を乗り越えてきたけれど、本番はこれからですよ。夏には夏の香水を選ばなくては。数年後の近い未来、「あぁ、2025年の夏はこうだったな」と、その香水瓶を手にするだけで自動的に思い出が蘇るような、素敵な3品を厳選してご紹介。

【セリーヌ】夏の香りを決めなくちゃ【ローのタイトルイメージ

【セリーヌ】夏の香りを決めなくちゃ【ロー ドゥ イッセイ】【ジョー マローン ロンドン】

いよいよ明日から7月。すでに幾日もの真夏日を乗り越えてきたけれど、本番はこれからですよ。夏には夏の香水を選ばなくては。数年後の近い未来、「あぁ、2025年の夏はこうだったな」と、その香水瓶を手にするだけで自動的に思い出が蘇るような、素敵な3品を厳選してご紹介。

思春期の甘酸っぱさを呼び戻す不思議な香り

セリーヌ オート パフューマリー コレクション アン・エテ・フランセ

セリーヌ オート パフューマリー コレクション アン・エテ・フランセ ¥60,500(200mL)ほかに¥39,600(100mL)も展開

 

夜用と昼用、と香りを分別しているのがセリーヌ オート パフューマリーの特徴。夜用がレプティールとブラック・タイ、ナイトクラビングの3種類。最新作のアン・エテ・フランセは、昼グループです。そのまま訳せば「フランスの夏」。サントロペで過ごした夏に想いを馳せた香り、という前情報を咀嚼してからワンプッシュすると、「はて」と首をかしげるようなしっとり感。

セリーヌ オート パフューマリー コレクション アン・エテ・フランセ

フルーティングの陰影が美しいガラス製ボトル

地中海の波打ち際の夏、と聞くとキラキラした陽光や弾ける柑橘、アクアティックな潮風が押し寄せてくる構図に身構えませんか? 真上から降り注ぐ太陽に、水しぶき……という快活感。これぞ夏!といった、底抜けの明るさや歓声。

セリーヌ オート パフューマリー コレクション アン・エテ・フランセ

17世紀のモールディング装飾を再現したエンボス加工が美しいラベルにも注目

違うんです。アン・エテ・フランセが描く夏の時間帯は、私の印象では、そうじゃない。筆頭で輪郭をくっきりもってアピールしてくるのは、ネロリ。青みのあるビターオレンジをその影に潜ませながら、温もりのある針金雀枝(ゴース)がココナッツにも似た甘い余韻をもたらします。やがてそれはバニラのアコードになって、ほてった肌を優しく癒す―これから海水浴、というよりも「海から上がったあと」というイメージなんですよ。そう、時間帯で想像するならば、やや西日がまぶしい夕方です。

セリーヌ オート パフューマリー コレクション アン・エテ・フランセ

雰囲気たっぷりの手触りの用紙を用いたボックス。エンボスは、セリーヌの本社が位置するヴィヴィエンヌ通り16番地のホテル・コルベール・トルシー館の木工細工のパネルから着想したデザインです

この香りを数日間試した過程で、何度かフランス映画「ペパーミントソーダ」のムードを感じました。1977年の作品です。思春期ならではの葛藤や迷い、甘酸っぱさが盛りだくさんなこの作品、否が応でも10代の頃のあれやこれやが視聴者の脳裏にも駆け巡ってしまうわけで、やるせなさや懐かしさをごちゃまぜに堪能できるストーリー。

セリーヌ オート パフューマリー コレクション アン・エテ・フランセ

ブラックのキャップ上部いは、アイコンの「トリオンフ」が刻まれています

もしチャンスがあるならば、アン・エテ・フランセをまとって映画館で「ペパーミントソーダ」を鑑賞してみたいものだわ、としみじみと思うのです。

「ポシドニア」ってどんな香り?

イッセイ ミヤケ パルファム ロードゥ イッセイ オードパルファム インテンス 

イッセイ ミヤケ パルファム ロードゥ イッセイ オードパルファム インテンス ¥24,200(100mL)ほかに¥12,320(30mL)・¥17,270(50mL)サイズも展開

同じ海でも、もっと沖に出るイメージなのがロードゥ イッセイの最新作同じく1992年に生まれたブルガリのオ・パフメの今年の刷新にあたり、同時期、それはもう猛烈に愛用していた元祖ロードゥ イッセイへと原点回帰しているこの頃なのですが、最新作の製作過程がすごい。壮大なのです。

イッセイ ミヤケ パルファム ロードゥ イッセイ オードパルファム インテンス 

天然由来成分91%。アルコールも、ビートルート由来の100%天然モノを採用した

調香師のアマンディーヌ・クレール・マリー(大御所ミシェル・アルメラックさまとクロエの香水を創ったことでも有名!)は、探検家のアレクシス・ローゼンフェルド氏と海について語り合うプロセスからスタートしました。彼は海洋保護の啓蒙を目的とした「ワン・オーシャン」の代表でもあり、ダイバーで写真家でもある人物。そこで彼らが着目した水中生物こそが「ポシドニア」なのです。

 海底に幻想的にたゆたい、海の生物が身を隠す水中の森でもある「ポシドニア」。ネプチューングラスと呼ばれることもある、その香りを演出するにあたりダマスクローズ アブソリュートと100%天然香料のイランイランのエッセンス、そしてインフューズド バニラで立体的に香りをブレンドしました。本来は「匂いがない」はずの水中の世界を、再構築する冒険です。

イッセイ ミヤケ パルファム ロードゥ イッセイ オードパルファム インテンス 

環境保全に鑑み、今回のキャップは木材。シルバーは、水面にきらめく光をイメージ 

ロードゥ イッセイといえば「透明感」の元祖でもありますが、オリジナルに甘く、骨太な輪郭が加わっているのが最新の海バージョン。今年の夏は冒険して沖に出てみたいーそんなあなたの背中を押す香りです。

真夏のあなたを救う、柚子のスプラッシュ

ジョー マローン ロンドン  ユズ  ゼスト コロン

ジョー マローン ロンドン  ユズ  ゼスト コロン¥23,650(100mL)ほかに¥11,880(30 mL)も展開。<原宿限定>

 

原宿の新しいランドマークとなって1年が過ぎました。東急プラザ原宿「ハラカド」の1階で私たちを出迎えるジョー マローン ロンドンの1周年を記念した限定コロンがこちら。

 

ジョー マローン ロンドン  ユズ  ゼスト コロン

調香師は、マティルド・ビジャウイ

原宿という唯一無二の街の魅力が、このボトルに込められています。柚子のもつ快活でオプティミスティックなトップノートは、リラックス感あふれるクラリセージのやわらかな透明感に包まれ、やがてモミの木が主役の落ち着いたウッディなラストへ。爽快感と安らぎ、どちらもバランス良く計算された「YUZU ZEST」は、熱気に負けそうなときにこそ力になる香りです。

ジョー マローン ロンドン  ユズ  ゼスト コロン

透明感だけじゃなくて、芯もある。去年よりもっと過酷かもしれない来たる真夏の二か月、自分をアシストしてくれる香りを上手に探して!

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エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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