ファッションサーキットも佳境に入り、パリコレの速報が連日ニュースを彩ります。パリ時間の今夜、9月29日発表発表されるエディ・スリマンによるセリーヌのデビューコレクションも気になるところですが、その前に大いに話題を集めたのが、マリーン・セルのコレクションです
LVMHプライズでグランプリを受賞し、次世代のパリを牽引するライジングスターのマリーン・セル。見事な秋晴れの空を背景に、今季ランウェイでモデルたちが身に纏ったのは「ハードコア クチュール」と名付けられた1点ものの作品。それぞれ古着のTシャツやワークウェアなどを再利用し、見事なイブニングルックへを昇華されています。
リメイク自体は新しいことではないのですが、シグネチャーである「クレセント ムーン」との合わせ方を含め、ぶっちぎりでかわいい。しかも、かわいいだけじゃなく環境にも優しいときた。これって、すごく今っぽいなとしみじみ思うのです。
エシカル思想と聞くと、どうしても押し付けがましく聞こえてしまうのが悲しい現状。しかし、マリーンのクリエイションからは、そんな堅苦しい印象は皆無。むしろリサイクル、もといアップサイクルって、めちゃくちゃかっこいいことなんだと力説されているような気分にすら陥ります。
一連のエシカルムーブメントが、一過性のトレンドで終わるのか、ファッション業界の常識を根底から覆すのかは現段階では分かりませんが、マリーンのエネルギッシュなショーの動画を見ながら、新世代の幕開けを感じ取るのでした。
ちなみにエシカル思想のデザイナーといえばステラ・マッカートニーが有名ですが、今季秋冬ではジバンシィやアルマーニ、ヴェルサーチといったビッグメゾンもファーフリー宣言をしているので、店頭で並んでいる商品のほとんどがフェイクファーとのこと。ぐっと気温が下がり、秋冬の洋服を本格的に品定めするこの季節。エシカルかつかわいいって、無敵じゃないですか?