スーパーモデル検定1級 #深夜のこっそり話 #1017

もしこの世に「スーパーモデル検定」があったとしたら、誰もがよく知るケイト・モスとナオミ・キャンベルは、4級の問題で確実に出てくるはずです。シンディ・クロフォードとクラウディア・シファーは3級。ヘレナ・クリステンセン、クリスティ・ターリントンは準2級あたりでしょうか。クリステン・マクメナミー、ステラ・テナントは2級。準1級に挑戦する人は、ヤスミン・ゴーリやカレン・マルダーの名前も覚えなければいけません。90年代にファッション界を席巻したスーパーモデルたち。今なおその名声を轟かせるレジェンドたちは数多くいますが、ナジャ・アウアマンが好きだという人は、真のスーパーモデル好き、言うなれば前述の検定の1級レベルに相当すると言えるでしょう。

現実離れした比類なき美貌と、見事な脚線美で、90年代のスーパーモデルの中でも際立った存在感を放つナジャ。その名声とは対照的に、彼女の私生活は長い間謎に包まれていました。90年代後半以降は表舞台から遠ざかり、ほぼ「あの人は今」状態に。しかしながら、全盛期から20年以上が経った今なお、ナジャ・アウアマンという存在は、モデル業界の伝説として語り継がれています。

ナジャの今を知りたい。そんな、半ば向こう見ずな動機で始動したのが、現在発売中の『シュプール』8月号の企画「ファッション・インサイダーたちのスーパーモデル物語」。ええ、ナジャに会うためだけに、ベルリンまで飛びましたとも。

近況について、「最近ではめったにモデルの仕事を受けなくなった」と語るナジャ。貴重なインタビューと、見目麗しき近影は、是非本誌でご覧頂きたいのですが、中でも特に印象に残っているコメントをご紹介したいと思います。かの有名な、リチャード・アヴェドンによるヴェルサーチのキャンペーンのことを質問した時のこと。思わずクスッと笑ってしまうような撮影秘話を一通り明かした後、静かに一言こうつぶやいたのです。「モデルは作品の一部。私はそのことにプライドを持っている」。

至極当然のことに聞こえますが、スーパーモデルとしての揺るぎない栄光を手にした彼女の口から発せられるこの謙虚なコメントに、思いがけず胸をぐっと掴まれたような感情を覚えたのです。スーパーモデル伝説はまだ続いている。そう確信したのは、ナジャの美脚を目の当たりにしたから、だけでは無いはずです。

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