2019.10.13

世にもアートな手土産 #深夜のこっそり話 #1167

みなさんは手土産をどのように選んでいますか? 私は気が向いたときに伊勢丹新宿店の地下1階へ足を運びリサーチするのですが、最近はインスタグラムで出合うことも増えました。後者の場合、特におしゃれなパッケージのものがよく見つかります。

ここ最近だと、ルル メリーの美しい世界観には胸を打たれましたね。日本のチョコレート文化の礎を築いた老舗、メリーチョコレートが数年前に立ち上げた新ブランドです。そのパッケージは、気品に満ちていながらもひとさじのユーモアがあり、なおかつスタイリッシュさも兼ね備えている。衝撃的といっても過言ではない素晴らしさです。

ルル メリーのブランディングを担当したのはアートディレクターの川上恵莉子さん。かの有名なデザイン会社ドラフト出身で、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」のタイトルバックを手がけた方でもあります。私は彼女のひそかなファンで、これが川上さんの仕事だと知ったときはかなり興奮しました。

パッケージがあまりに素敵なので全商品まとめ買いして欲しいくらいですが、強いてオススメをあげるとすれば、ガトーショコラのギフトボックスセット。外箱の中には、さらに手のひらサイズの小箱が並んでいます。そこは一面モノクロの世界。それぞれの小箱の天面にはどこかで見たことのあるような風景が鉛筆で描かれていて、側面には詩的な言葉が綴られていて。まるで箱全体で小さな物語が紡がれているよう。

ノスタルジーを掻き立てられつつそっと小箱を開けると、今度は鮮やかな花々のイラストが目に飛び込んできて、モノトーンの世界にパッと色が差します。箱を開けるたびに驚き、ほころぶ。実に粋なアイデアです。

ガトーショコラにたどり着くまでに心はすっかり満たされますが、さすがチョコレート専門店、味もまた格別です。洋酒の馥郁とした香りが濃厚なチョコレートに絡み、しっとりした生地が舌の上でほどけていく。自然の風景から導かれる夢の境地。ハッピーエンドにもほどがある! 

ルル メリーの商品は各店舗とオンラインでも購入できるほか、10月17日までの期間限定で代官山の蔦屋書店でも販売中。デザインフロアにちなんで、商品とともにデザイン画がパネルで展示されているのですが、これがかなり見応えありです。お近くへいらした際はぜひ足を運んでみてください。

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エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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