2019.10.21

ダイエット中でも好きなもの #深夜のこっそり話 #1172

クロックムッシュが好きです。
クロックムッシュの魅力に気がついたのは、初めてのパリ出張、24歳、冬。そのときの衝撃が今でも忘れられません。ミーハーなのがバレてしまいますが、パリの老舗カフェ「カフェ・ド・フロール」にて。外はサクッと焼き上げられたパンにハムとチーズが行儀よくサンドされていて、たっぷりのベシャメルソースが絡まったそれは、口に入れた瞬間に幸せの絶頂へと導いてくれる……。8時間、真冬のパリで立ち続けたあとだったから、より美味しく感じたのかもしれませんが、本場でクロックムッシュを食べてからの私はもう、パンとチーズとハム、そしてベシャメルソースが絡むハイカロリー四重奏のトリコになってしまいました。

以来、いつでもどこでもついついクロックムッシュを探してしまうように。そんなある日、気がついてしまったんです。クロックムッシュよりも、ハイスペックなクロックマダムという存在に。クロックムッシュの上に目玉焼きがぷるん、とのるのがクロックマダム。日本だと、クロックムッシュはあっても、クロックマダムをメニューで出しているお店って意外と少ない! 半熟に仕上げられた目玉焼きがのるかのらないか、それだけなのですが、気品あるワンランク上の食べ物に変わる気がします。見た目の愛らしさも倍増!

今日は、私が東京で食べ歩いて見つけた、オススメのクロックマダム4品を紹介します。

まず1つ目は、紀尾井町にあるパリ気分に浸れるカフェ「オーバカナル」のクロックマダム。フランスの大衆食文化を伝えるというコンセプトのもとに作られたレストランは、テラス席が私の指定席。オーダーすると、女性のランチにちょうどいいサイズ感の角切りパンの上に、半熟の卵が乗った王道の一皿が登場します。優しく、慎重に卵を崩しながら食べるのがポイントです。

2軒目は、代官山にある「メゾン・イチ」のクロックマダム。国産小麦など、素材にこだわる有名店の一皿です。パンはカンパーニュを使用しているのですが、水分量が多くてモチモチなのが魅力。カンパーニュにありがちな“口の中の水分を全部持っていかれる”現象が、一切起こりません。もっちりとしたパンとトロトロのソースが見事なハーモニー。とってもボリューミーなので、シェアして食べることをオススメします。

代々木上原にある「カタネベーカリー」は、1階がパン屋さんになっていて、地下にカフェスペースが。休日は、いつも行列が絶えない人気店です。こちらも、「メゾンイチ」同様、人気パン屋さんの一皿だけあって、パンが堂々と主役を演じます。カリッと焼き上げられたパンは食べ応えも抜群。パンをうまく引き立てる、ベシャメルソースとグリエールチーズのバランスも秀逸です。

最後にご紹介するのは、「コーヒーハウスニシヤ」のもの。こちらのお店は固めのプリンが有名でですが、クロックマダムは私的隠れ名品。最後にのる目玉焼きの黄身が、レアに限りなく近くて見た目も鮮やか。ソースが少なめなので、黄身を上手く絡めながら楽しみます。

見た目の通り、ハイカロリーなのが唯一気になるクロックマダム。散々、おすすめを書き連ねておきながら、「ダイエット中です」なんて口が裂けても言えないのですが、私は今、絶賛減量中……。けれど、お店の近くを通ると、つい「痩せたい!」という思いを忘れて食べてしまいます。(エディターYONEKURA)

私の大好きなもう一つの"あれ"はこちらから。

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